人間魔王と人外娘
どれいく
第1話始まりの物語
あるところに、優しい青年がいました。
最初はただの人間でした。悪魔と恋に落ち、少しの魔力と少しの力を持つ悪魔になりました。
彼は成長し、魔王を名乗りました。
圧倒的な力であらゆる敵を蹂躙し、立派な魔王になりました。
彼は自身をこう名乗りました。
______叡智の魔王、と。
「魔王様、今日のご予定は?」
「とりあえず暇つぶしかな」
彼はいつも退屈そうだ。敵が存在しないほど強くなり過ぎたせいか、いつも気だるそうに過ごしている。
だらだらとゲームしたり、大きなベットでゴロゴロしたり、美味しいものを食べたり。
そんな彼でも面白いと思うものがあった。
「勇者、こないかなあ」
「こんな所までこれる勇者はいません」
メイドは淡々と現実を口にする。
ここは魔界の最奥。
彼が修める魔界の領地は圧倒的な強国で、まずここまで勇者どころか冒険者すらたどり着けない。
____戦いは嫌いじゃないのだが。
彼は強くて正しい人間が好きだ。
卑怯で気が弱い人間も嫌いじゃない。
でも、
「中途半端な善人でもない、悪人以下のクズは嫌いだ」
「本性、漏れてますよ。魔王様」
この世界にギフトやチートアイテムは存在しない。
そういう小説はいくつか見たが、吐き気がする。
「たまには愚痴りたくもなるんだ」
彼の仕事は城でふんぞり返ることではなく、世界の管理だ。
神から役割を受け、人間のまま悪魔・・・魔王となった存在。
傲慢な人間を叩きのめすのが好きだが、そういう人間が可能性有るものに変わっていくのも好きで悪魔になった。
「さて、今日も行くか」
魔王は変身して角と羽を隠すと町に向かう。
「お気を付けくださいませ。魔王様」
今日も魔王の仕事が始まる。
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