第47話 飛んで火にいる夏の虫

「んー?これかぁ....見た感じ、人魔大戦時代の遺物だと思うけど....ここまで錆びてるのは見たことないなぁ...」

「そうですか....」

もしかしてただの錆びた鞘だったり?

いや、でもこの鞘、材質が木じゃなくて、高純度の魔力を含んでいるから何らかの魔法を付与された剣である魔剣を収めていた鞘なのかもしれない...この世界には魔力錆びってやつがあるらしい。主に手入れをしない魔道具に発生します

帰ったらこの鞘を磨こうかな。この前、私が住んでる町のどこかに研磨屋があるって聞いたし、そこでこの鞘を錆びる前の状態に戻そうと思います。


「うーん....でもこの形、どこかで見たことがあるんだよなぁ....」

具体的には夢の中で見たようなぁ....

「どうした?シルキー」


「いえ、気のせいかもです」

今の頭の中にはそんな記憶なかったし

「そうか.....では帰還するとしようか」


「はい。ティアナさん」

遺物もとれたし、鉱石もたくさんとれたし、金貨もとれた。大成功ですね

「おいお前ら」

おっ、遺物を手に入れたときのド定番、遺物を横取りしようとする盗賊の登場だ。見た目は....同業者か....

「ん?なにか用ですか?」

ここは気づかないふりを.....

「おう。その鞘、遺物だろ、俺にくれよ」

え、やだよ(本音)

「なぜ、あげなきゃいけないのかね。」

うわ、変な口調になってる.....

「なに、単純な理由だ、その遺物がほしいからだ、」

ふむ....タダであげるのは性に合わないね....ならば、決闘と行こうか

「私との勝負に勝ったら、私が持ってるこの遺物をあげよう。それで....君は何を賭ける?」

つづく

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