第29話 妖精は無垢で残酷

シルキーsaido

ミーティア....さん...

「キャハハハハ死んだ!死んだ!ミーティアが死んだ!」


「キャハハハハ!おかしいね♪楽しいね!」


「貴様ぁぁ!!!」

ティアナさんが怒っている....

それもそうだろう。この村についた時に真っ先に声をかけてくれて、村の中を案内してくれた彼女が目の前で殺されたのだから....

「人間!妖精!死ぬの面白い!」

妖精が笑っている...

「「「「キャハハハハハ!」」」」」

妖精達は狂っている...

「すでに、狂っていた....か...」

そうか...あの妖精達は善悪が分からなかったんだ....

いや....違う...妖精は純粋に悪を楽しみ、純粋に前を楽しむ...そんな種族だったんだ...それじゃあ....もう....手加減しなくていいんだよね....


「」


「シルキー、これを使え....彼からの」

これは....トリスメギス....そうか...ロボさんが....分かったよ。ロボさん...

「トリスメギス...起動...所有者変更...所有者をロボからシルキーに...変更...」


「何をしている?...その光は....貴様!!」

ようやく気づいたか....だがもう遅い...

「いけ!シルキー!!」

はい!ティアナさん!

「トリスメギス起動...魔力の収集を開始....」

この高濃度の魔力なら...トリスメギス最大火力もいけるはず!!

「やめろ!その力は身を滅ぼすぞ!」

ジークさんが止めに入るがティアナさんに止められて、足止めされている。

「そんなもの!やってみないと分からないだろぉ!」


「シルキー!君に耐えれるのは一発だけだ!外すなよ!」

わかっています!これは私だけの戦いじゃないんです!

これはジークさんの戦いでもあるんです!

「わしの...」


「逃げてるだけじゃ!ダメなんです!あの妖精達は!狂気に汚染されてもう手遅れなんです!」狂気は身を蝕み...精神を破壊する...それは放っておくと...周りにも害を及ぼす...それを止めるには!存在ごと消し去るしか無いんです!


「シルキー....分かった...やってくれ...」


「....はい!トリスメギスの魔力収集率...規定値を突破!この一撃で全てを消し去ります!」でも...当たるか分からないんです!

もし外したら...

それにまだティアナさんとジークさんが戦っているし...

「ティアナさん!退避してください!」

「わかった!ジークさん!退避するぞ!」

「いや...私は退避しない...」

何で!そこにいたらこの攻撃に当たって死んでしまう!

「何で!早く退避しろ!」

ティアナさんは無理にでも退避させようとするが....何故か、謎の壁に阻まれて

近づけない...

これは....結界....そうか...

「私はもう...汚染されてしまったのだ...今は大丈夫だが、あと5分もすれば全て汚染されるだろう....」

ジークさん.....やっぱり....

「だからシルキー...やってくれ...私はこいつらを足止めして発射までの時間を稼ぐ...それまでは耐えてみせるさ!」


「時間がない!早くしろ!」


「シルキー...弓をイメージしろ...全てを貫くような最強の弓を!!」

弓....糸....!!

それなら!

喰らえ!

「貫け!!フェイルノートォ!」

フェイルノート(英語ではFailnaught)は、アーサー王伝説などに登場するトリスタン卿が使った弓とされる武器のこと。アキヌフォート(仏:Arc qui ne faut)に同じ。 との情報あり。そして設定としては、

「狙った場所に必ず当たる」「必中の弓」「無駄のない弓」などと言われ、優れた命中力を持つ。

竪琴などの楽器と一体化した構造を持つ。またこれはトリスタンが優れた吟遊詩人で、竪琴にまつわるエピソードがあることに由来するとか...

そして、このフェイルノートという名前はただの攻撃名ではなく。

魔法術式的に意味を持つ...それは魔法概念を術式に組み込む事で、その名前が持つ意味を魔法効果として再現することができる...例えば、鋼...フルメタルだったら、鋼のように硬質化する魔法効果が得られる...そしてフェイルノートだったら、必中効果が得られる...もし、敵に向けて撃った攻撃を外したくないと言うなら。これほど効果が概念はないだろう...

「奴に攻撃を撃たせるなぁ!」

そう言ってするが...ジークさんによって阻まれて思うように動けない...

「やれぇ!シルキー!」

ジークさん....

「...わかりました。...行きます。ジークさん」

「あぁ....」

そう言った時、ジークさんは結界の一部を解いて相手を逃げられないようにする...

.....では....行きます

「さようなら...ジークさん」

さよなら...妖精達....

「フェイルノート。ブレイカー!!!」

装填された矢が発射された瞬間

魔法術式が起動して何百本もの矢に変化すると矢は収束して光り輝くビームと化す。それをみたジークさんは結界を解いた....

「「「「「ギャアアアアアアア!!?」」」」」

消滅していく...妖精達...

消滅していく...ジークさん....

「ジークさん.....」

短い交友関係でしたが....貴方の人を思う...その思いは決して忘れはしません...いつまでも...いつまでも....

「シルキー....」

ティアナさん.....

「終わったな....」

「はい....終わりました......ジークさん...」

こうして...妖精の村ウェールズでの騒動は終結した...

此処で起きた事は...最初は大騒動になったのだが、次第に人々の記憶から薄れ、消えて行ったのであった....

つづく

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