第13話  お婆ちゃんにプレゼントです

シルキーsaido

どーも皆さんこんにちは。みんなのアイドルことシルキーちゃんです

突然ですが私の誕生日から二週間が経ちまして、ティアナさんも王都に帰り

たまに騎士団の二人の所に遊びに行ったり図書館に行って新しい本を読んだりしていた今日は日課になった編み物をしながら、お婆ちゃんと話していた。

ふとある事が気になったのでとりあいず聞いてみた。

「この前、私の誕生日だったじゃないですか」

「そうだねぇ。それがどうかしたのかい?」

不思議そうにこちらを見つめるアルカお婆ちゃん

「いえ、アルカお婆ちゃんの誕生日はいつなんでしょうか?」

「聞いてなかったような気がしたので」

「私かい?私は....そういえば誕生日は今日だったねぇ」

「そうなんですか?」

でもそんな様子を見せなかったですけど。

「前は夫...ロイドお爺ちゃんが祝ってくれたけど、もう亡くなってしまったからねぇ」

ロイドお爺ちゃん....拾われてからたった4週間後に死んじゃったロイドお爺ちゃん

まだ継承もできてないのに.....

「ほれ、手が止まっているよ。シルキーちゃん」


「あっ、はい!」

途中で作るのを止めていたマフラーを手に取りまた編み始める

ちなみに編み方は棒針ガーター編み?です。

今はうまく出来てますが。編み物は実の所よくわかっていません。前世でやったことなかったし

初めてしたのは一週間前くらいだし

「前よりも上手くなったね。シルキーちゃん」

えへへ嬉しいな。でも

「いえ、まだまだです。まだ手伝ってもらったりしてますし」

お世話になっているんですから、もっとお手伝いしなくては...


「さて....もうお昼だからご飯にしようかね!」

料理!異世界の料理!どんな味?どんな見た目かな?

 とっても気になる気になる!

「じゃあ手伝います」

「ありがとねぇ助かるわ♪」

一緒に準備をし始めた

はてさて、今日のご飯は何じゃろなっと....

目の前にあるのは...卵、パン粉?あとは太めの棒

揚げ物なのはわかるけど、何の料理なんだろ

日本料理の唐揚げはないと思うけど

あるとしたら...フランスとかのヨーロッパ系の料理か?

「今日の夕ご飯はなんですか?」

「今日の料理はシュニッチェルよ!」

シュニッチェル?なんだそのシュニッツェルみたいな料理は....

ちなみにシュニッツェルは仔牛肉を用いてミートハンマーで叩いて薄くし、細かいパン粉を付けて揚げたもののことで、パン粉を挽き立ての黒胡椒で味付けしておくこともある。やや多めのバターかラードで揚げ焼きしたもので、日本の豚カツのように多量の油を使用する揚げ物ではないから注意だぞ諸君

以上。説明終わり。

とりあいずアルカお婆ちゃんに聞いてみよ

「シュニッチェル?」


「そうよ。豚肉に薄く棒で叩いて、少しの多めの油で揚げ焼きする料理よ♪」

めちゃくちゃ美味そうだけど。

それただのシュニッツェルじゃんじょん

あ、言っとくけどちなみにさっき言った通り豚カツではない

いや、見た目が違う可能性が大いにあるぞ!

さぁて出来たものは!....

「さぁ!できたよ!」

.....普通にシュニッツェルだったわ。

いやまぁ見た目はちょっと黒いけどね。

だけど...なんか柑橘系の匂いがプンプンするぜぇ!

レモンかな?それともオレンジみたいなやつ?。でもこの世界ではレモン擬きの可能性が!!名前がレメンとか一文字違いになってるとか?

「少し酸っぱい匂いがします」

「やっぱり解っちゃった?」

「あ!もしかして嫌いだったかな」

「嫌いではないですが、苦手ですね」

あの酸っぱい匂いがダメなんだよねぇ

「そうかい、じゃあシルキーちゃんのにはかけないでおくよ」

ありがたい...あの匂いがどうもダメでなぁ

申し訳ないです...来年には克服しますのでどうか、どうかぁ

「はい。」


「それじゃあ、いただきます」


「では.....いただきます...」

あーむ....んー

うん。美味いな。タレとかソースはないけど十分美味い

だけど...一個気になることがあるな

ん?なんだそれは。だって?それはだねぇ...

「調味料には何を使っているんですか?」

調味料は味を変えると言うし、

醤油は日本というか極東の調味料だし香辛料もインドというかアジア関係だから

あるか分からんけど、ここは異世界だし前世とは違うだろうから

多分あるだろ。オリーブオイルも何千年も昔からあるらしいからこの世界でもあるはず。他は知らん


「調味料?そうねぇ...」

そう言って

「...」


「そうねぇ野菜の場合だったらビリーブオイルと塩とか胡椒とかかしら?」

あーなるほど、よくある味付けのやつか。あれ美味いよね

あとオリーブオイルもどきと言うかビリーブオイル....偽物臭がする名前だなぁ

気にしないけど。

「あとは色々味付け用のがあるけれど」


「なるほど...色々あるんですねぇ」

「そうよぉ、もうちょっと大人になったらシルキーちゃんも料理、やってみる」

「やってみたいです!」

前世じゃそんなに自分で料理ってやってこなかったからなぁ

大体お袋がやってたし

「そうかい、そうかい。良いことだね」

「はい....」











_____________________




悩むなぁ....何にしたらいいのか...

え?何を悩んでいるのか?日頃お世話になっているアルカお婆ちゃんに

何かプレゼントでもと思ってね。色々考えているのだよ。

食事とかどうかと思ったけどまだこの体は子供だからねぇ

火を使う料理は危ないと思ってね。

料理に魔法を使おうにも火魔法はあまり得意ではないから

そんなに使えないんだ。一歩間違えたら火ダルマだし

めちゃくちゃ危険だし引火して火事になったら元も子もないからね

とくれば....あとは蚕妖精の得意技、生産魔法はどうだろうか?あれなら魔法陣をちょっと弄れば太い糸もできるから編み物にも使えるだろう。色も変えれるし。

あとは...うーん

作るなら...そうだなぁ.....ハンカチがいいかなぁ?いやマフラーがいいな

まだまだ先だと思うけど迫り来る冬に備えて、実用性があるやつがいいからね。

実のところ他に作るものがないのが現状なんだけどね

例えば人形は...綿がないから作れないし、服はまだ習ってないから作れない

だからマフラーに決定!決してさっき作ってたマフラーをそのまま送ろうなんてかんがえてないですからね!本当ですよ!

まぁそれはそれ、これはこれで、話を戻しますがどのようなマフラーがいいと思います?

とりあいず脳内で安価

<<4

____________________

1 シルキーA「白黒マフラーで」

2 シルキーD「蚕だから真っ白なマフラーで」

3 シルキーB「いや肌色のマフラーがいいだろ」

4 シルキーC「ここはせっかくだから赤いマフラーに決まってるでしょ」

____________________________

危ねぇ...もうちょっとでヤベェ色のマフラーになるところだったぜ

脳内安価結果は....赤いマフラーね。

おkおk。次はいつ渡すかだけど....これはマフラーが出来てからでいいかな

うん。まだまだ出来てないしマフラー

そうだ、マフラーに入れる動物を聞いておかないとな...

「少し気になったんですがお婆ちゃんは何か好きな動物はいるんですか?」

ちなみに私は猫です。寒い日は布団の中に入ってくれるのでね

「私は...そうだねぇ、猫...かねぇ。」

おぉ!同じですね!そうだよねぇ、猫可愛いよねぇ!





できた。....あとは渡すだけ...

えーと、お婆ちゃんは....あっ居た。

.....今だな....プレゼントを渡すなら

「あのお婆ちゃん...ちょっといいかな?」

料理をしていたアルカお婆ちゃんを引き止める。

「どうしたの?シルキーちゃん。そんな畏まって...」

「あの....」

「?」

「その....いつもお世話になっているので...これ受け取ってもらえませんか?」

そう言って袋に包んだプレゼントを手渡す

ちなみにお婆ちゃんにあげたプレゼントは前に言った通り生成魔法作った、白い魔力糸で出来たマフラーです。マフラーの色は赤で両端に白猫の模様があって

ですね、結構苦労しましたよ。一回赤だけで作っちゃったから作り直したり、他も試行錯誤して完成したのがこのマフラーです

「これを...シルキーちゃんが作ったのかい?」

「はい!気に入ってくれると嬉しいのですが....」

「シルキーちゃん....」

どうしましたか?

「?」

わふっ!?....なに?

「ありがとねぇ....ありがとねぇ...こんな良いものを作ってくれて」

見えませんがポツポツと床に涙を流しながら抱きしめてくるお婆ちゃん


「お婆ちゃん...私の方こそ、お礼を言いたいですよ」

身寄りのない私を拾ってくれたこと料理を作ってくれたこと、編み物を教えてくれたこと....他にも色んな事を教えてもらいました。本当に感謝しています。


「これは受けた恩のお返しの第一歩です。」

「これからどんどん恩返ししていくので、楽しみにしていてくださいね。」

「楽しみにしてるからねぇ♪」

「はい!」

「それじゃあ、新しい編み方をしてみるかい?」


「いいんですか?」

「いいわよ?私もシルキーちゃんと過ごしていて楽しいから..ね♪」

そう言ってアルカお婆ちゃんに抱きしめられた

あぁこんなにも....幸せなんだ

つづく

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