第15話 フォード村

シルキーsaido

チュン、チュンチュン!ピッピーコ

そう小鳥が窓近くの木の枝で囀ずっている音で目を覚ます。カーテンを開き暖かい陽の光を浴びながら顔を洗う猫の様にように目を擦りながら家の近くの広場に設置されている共用の井戸で顔を洗って目を覚ますと食事の用意をし、食べているとある事に気づく 

「あっ今日はアルカお婆ちゃんが居ないんだった」

そう。アルカお婆ちゃんが居ないのだ

いつも隣にいてよく世話をしてくれる、アルカお婆ちゃんは古い友人と旅行に行っていて、家には自分の他に誰もいない。いつもの日は図書館から借りた本を読んだり、編み物をしたりしたり

昼寝をしたり、街へ繰り出したりしてるけど..そんな事を考えていると、玄関の方から何かの気配がした。

ドアを叩く音が聞こえてきた

不審者かと思い、少し待って声をかけてみる

「...だれですか?」

「私だ、ティアナだ」

ドアを叩く主はティアナさんだった。

なんだ...ティアナさんか...不審者かと思ったよ...

それで、何しに来たんだろ...?

「ティアナさんどうかしたんですか?」

「シルキー!ちょっと旅行へ行ないか?」

旅行?何でだ?....なんか忘れてる様なぁないようなぁ

「え?なんでですか?今日何かありましたっけ」

何もなかった気がするけど....

「いや、アルカさんから、今日は家にいないからシルキーちゃんを旅行に連れてってくれないかと頼まれてな」頭をポリポリ掻きながら彼女はそう言った

「まぁその時断る理由はなかったから引き受けたんだが...ダメだったか?旅行」

あぁ!あの時アルカお婆ちゃんと話してたやつか!

じゃあ行かなきゃだめだなぁ。と言うことで、OKを出す

「まぁ大丈夫ですよ?」

「おぉよかった...断られたらどうしようかと...」


では行きましょうか....


フォード村には町の門から出たところにある馬駅から馬車で行きます

馬駅とはタクシー乗り場みたいな所にタクシーの代わりに馬車が来る

ティアナさん曰くこの国の交通機関みたいな所らしいですから


建物の中を馬車が通っていると聞いた時はボロ(馬の糞のこと)が結構落ちているのかと思ったのですが、見てみたら思ったよりも綺麗でしたね

「ここが馬車乗り場ですか?」

待合室らしき所で椅子に座りながら聞いてみる

「あぁ、思ったよりも綺麗だろ」

「はい。もっと汚いのかと思ってました」

ボロがボロボロ落ちてたりな!ボロ(馬の糞のこと)だけにな!

ヒューーーー

.....おい。お前らなんか言えよ

せっかくボケたんだからさ....

「なんか寒いな...もう春なのになぁ....」

そういえば5月ももう終わりですね...にしては...

「確かに寒いですね...」

何でこんなに寒いのか

「ほっほっほ、寒いじゃろ」

誰だお前!?

「どちら様で?」

「わしは此処の管理をしている、ただの老人じゃよ」

あぁ!なるほど管理者の方かぁ...

だから此処に座っているんだねぇ...

「どうも、こんにちは...」


「こんにちは..管理者のお爺さん」


「お前さんたちは何処へ行くんじゃ?」

「えーと私たちはフォード村ってところに行きたいんですが...」


「フォード村?あぁ、その村なら中間地点の街までの馬車がもうすぐ出るはずじゃ」そうなんだ、まぁ山奥らしいから仕方ないなぁ

「そうなんですね。教えてくださりありがとうございました!」


「いいよいいよ。お年寄りのお節介じゃよ」

そうですか?....それじゃあ、そろそろ行こうかな。

もう馬車来そうだし

「「では...行ってきます!」」

待合室からちょっと歩きフォード村方面行きの馬車停に着くと

おっタクシー...間違えた。馬車が来たな!

馬車の後ろのドアが開き

「お嬢ちゃんがた、乗ってくかい?」



「あぁ、「はい、お願いします」する」

「それじゃあ乗りなさい」

はーい

では!行ってみよー!



_________________________

一日後

中間地点の〇〇街を経由してフォード村の入り口に着いた

「おお...此処がフォード村ですか...」

思ったよりものどかな村ですね..

途中に遭遇した盗賊を除けばですが

え?盗賊に遭ったのかって?会いましたが硬い糸が出る魔法陣を刻んだ手袋を使って切り刻みましたよ

ここはフォード村

リンガが名産品で人口は100人ほどの小さな村。

村民の大体は高齢者で若者は農家の後継者以外は殆ど働きに出ている。

それゆえに旅人の若者は目立つので、よく話しかけられます。

例えば、どこから来たのか。名前や年を聞かれたりするが

普通に

村に入るにあたって村長の家にお邪魔した時にですね。

突然幼女先輩に話しかけられました。

「ねぇねぇ!お姉ちゃんはどこから来たの!」

お姉ちゃん?と言う事は私より年下か...

「私がいる街は本の街イーストポーンです!」


「どんな街なの?」

どんな街か....うーん

特徴は...時計塔と図書館があるって所だなぁ他に印象はいい町ってくらい?...領主は知らないし。

「良い町ですよ...ちょっと賑やかすぎるかもしれませんが」

「名所ですか?そうですねぇ....やっぱり時計塔と図書館が目立ちますね」

前世で行ったことがある図書館の中では一番大きいと思うけど

そう言えば、時計塔って10世紀からあるらしいですよ?

本当かどうかわかりませんけど

「へぇ〜ねぇねぇ図書館ってなに?」

「図書館はねぇ。本がいっぱいあって、本を読んだり。借りたりするための建物なんだよ」図書館とは何かを議論したら1時間以上掛かるだろうから辞めておきましょう。第一、殆どわかってないし仕方ないよね!!是非もないよね!


「お父さんの部屋みたいに本がいっぱいあるんだ!」

幼女先輩のお父さんの部屋に本がいっぱいあるんだ...

へぇ〜自分も本集めようかなぁ

本だらけの部屋には憧れがあるし

「時計塔はね、例えるなら...ほら、あそこにある、時計が何倍にも大きくなった感じかなぁ。ほらボーンボーンて言ってるあれの事ですよ」

そう言って部屋の隅にある小さな時計を指差して答える

「あぁ!時計?ってあれのことかぁ!」

あれが時計だってしらなかったのかな?

だとしたら驚きですね

いや、嘲笑う訳ではないですよ?幼い頃はそんなに

「それじゃあおねーちゃん!一緒に遊ぼ!」

お気持ちはありがたいのですが...

ティアナさん...ちょっと助けてくださいぃ〜

「いいじゃないかシルキー遊んでくるといいさ」

そうですね....この子を泣かせるわけにも行きませんしね。

「行こ!おねーちゃん!」

はいはいまってー今行くからさー


「あれ?おねえちゃん妖精さんなの?」

あれ?言ってなかっけ?

「そういえば...言ってなかったですね」

内緒にしたかったんですが...というか何でわかったんだ?

「私は蚕妖精の末裔なんですよ♪」

そう言って隠蔽魔法で隠していた翅をバサァ!と広げてみせる

ちなみに隠していた理由は誘拐とか異世界物でよくある奴隷にされるのを防ぐためである。他に理由はない...はず

それでこの翅どうよ。美しいだろ!ふさふさだろぉ

ちょっとなら触ってもいいんだよ?

「そうなの!!初めて見たぁ!」


「余りジロジロ見ないでほしいのですが....」

幼女だから余り強く出れないから

「んー?なんでー」

心底不思議そうにこちらを見つめる幼女先輩

ちょっと可愛いかも

「えっと...ちょっと恥ずかしいので...」


「ねぇ、おねぇちゃんはかいこようせー?さんなんだよね!」


「あっはい。そうですよ?それがなにか?」

「うんちょっとね。かいこようせーさんはぜつめつ?していなくなっちゃったじゃないの?」


「それは...私が最後の生き残りだがらでしょうかね...まだ他の国に知られるわけには行きませんし」他に理由があるとしたら



「よくわかんない...」

まぁ難しいよね...ちっちゃい子にはさ

「そう言えば聞いていませんでしたが、何て名前なのかな?」


「えーとわたしのなまえ?はベル・ウィールっていうの」

茶髪の少女はくるりと回ってから自己紹介した

「ベルちゃんかー...可愛い名前だね」


「うん!いいでしょ!このなまえ〜」


「おねーちゃんはなんてなまえなの?」

「私?私は...ねーシルキーって言うの。よろしくね♪」

「はーい!」

うんうん。素直な子は好きだよ〜私

「なに!?地震ですか!?」

ガタガタガタガタと地響きが響いてきた!!

「おねぇちゃん!!」


「ワォオオオオオオオ!!!

突如正門前にある丘の方から遠吠えが聞こえてきた....その遠吠えは何処か怒りを含んだ声だった。


遠吠えが止んだその時

盗賊発見用の門近くにある矢倉から

カンカンカンカン!!

とけたたましい鐘の音が響いてきた

この鐘の音は....たしか襲撃の鐘だ...

「何か来たんだよ!?逃げよう!?」


「ベルちゃんは先に行ってて!ティアナさんと合流してから行くから!」


「危ないよ!!」

ベルちゃんはそう言うけど私はティアナさん達に任せて逃げるなんてできない!

「大丈夫、なんとかなるから!だって私、▪️▪️だから!」


「え!今なんて!?」


「それじゃ!避難するんだよ!」

そう言って、私は手袋を取りに家に戻っていく

つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る