第3話 ティアナ・ローウェルという騎士 王国暦457年
シルキーsaido
その日は育ての親、アルカに編み物を教わっていたが制作途中で腹が空き食事休憩をしようとしていた時、突然ドアを叩く音が聞こえてきた。
誰かと思い。ドアを開けに行くと長い金髪にエメラルドの瞳、白銀の鎧を着た
美少女が立っていた
少女は口を開きこう言った。
「突然すまない!ここに蚕妖精の末裔がいると聞いたのだが!知らないか?」
「あの、どちら様でしょうか?」
「む、自己紹介を忘れていたな。私の名前はティアナ・ローウェル、王都の近衛騎士団所属の騎士だ」
騎士....やっぱりファンタジー世界だからいるんだ。思ったよりもファンタジー感がある騎士甲冑だなぁ。
「王都の騎士様ですか....それで....なぜこちらへ?」
「それはだな、ここに蚕妖精の末裔がいるという情報が入ったのでな調査に来ているんだ」調査ね。蚕妖精ってなんだろ?
新種の蚕かな? それとも蚕の妖精?
某運命のゲームに出てきた白いもふもふしたやつなのかな?
「それで、君は誰だ?この家の子か?」
「はい、あっすみません、名前をまだ言ってなかったですね」
「私はシルキーと言います」
「ここの養子です。」
と言うとちょっと憐れんだ表情をしたけど
「シルキーか、良い名だな」
とすぐに褒めてくれた
「そろそろ本題に入ろうか、この辺で蚕妖精を見たか?」
「蚕妖精?ですか?」
蚕妖精はだなぁと色々説明してくれた。
「でも蚕妖精はとある病が流行ったことで絶滅したはずの種族なのでは?」
と後ろにいたお婆ちゃんが言う。絶滅したの?
「一般的にはそうだ、だが種族の一部が生き残っていたと資料が見つかってな」
目撃証言もあった
そんな資料があるんだ。何処で目撃者が見つかったのか気になるけど
「そうなんですか?」
「あぁ、詳しいことは調べてる途中だがな」
「あの....ローウェルさん?」
「ん?あぁ、私の呼び方はティアナで良いぞ」
そっちの方が気に入っているからなとティアナさんは言う。
「ん?その羽、触覚はもしや君が蚕妖精の末裔か?」
気づかなかったんだ今まで話してたのに
「この羽と触覚の方は見たことありませんが、多分そうだと思います」
転生してからこの方同族にはあったことがない(理由絶滅していたから)
「そうかそうか、君があの妖精蚕か....気付かなかった」
気づいていなかったんかい!
「あの? どうかしましたか? 」
何か考えている素振りをしている
「ん?あぁ、何でもない」
?
「そうですか?まぁいいですけど、もう夕方ですけど大丈夫ですか?」
「もうそんな時間か...いや大丈夫だ、それに確認もしたし、そろそろお暇させてもらおうかな」そう言うとティアナさんは席を立ち玄関へと歩き出した
「じゃあ玄関まで見送ります」
「お婆ちゃん、見送ってくる!」
「ありがとう、君は優しいな」
ティアナさんは微笑ましいものを見るように優しい瞳を輝かせる。
...なんか恥ずかしいですね。
ドアを開けるとそこには栗毛のサラブレッドよりは小さいけど立派な馬がいた
「馬?」
何でこんな所に馬が?もしかしてこの馬で来たのかな?
「こいつが気になるのか?」
「はい...そう言えばティアナさん此処へは馬で来たんですか?」
「あぁ、そうだこいつの名前はスタリオンっていうんだ」
カッコいいだろとドヤ顔で言うがどちらかと言えば可愛い部類の馬
サラブレッドよりちょっと小さい位だから実際可愛い
「あぁ言い忘れていたが....」
?
「蚕妖精は魔法で糸を作ることができたそうだ」
「そうなんですか?」
魔法で糸を作るのか.....チートじみてるなぁ蚕妖精。
「あぁそうだ、蚕妖精は攻撃系ではなく生産系や回復魔法に優れていた種族らしいが逆に攻撃系の魔法はめっぽう出来ないそうだ」
へぇそうなんだ、チートだけど何でもできる種族じゃないんだなぁ
「では、私は報告に行くのでな、もう出発する」
紐を外して鞍を付けた馬に跨る。
「はい、また来てくださいね」
「あぁ!また来る!はぁ!」
そう言ってティアナさんは馬に鞭を打ち駆けていった。
お馬...可愛かったなぁ
「ねぇシルキーちゃん、ご飯は食べなくていいのかい?」
あ
そうでした!お昼食べてないじゃん!?
でも....もう夕方なんですよねぇ
何でだろなー(すっとぼけ)
まぁとりあいず夕飯を食べちゃいましょう
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