第45話


「最低だよ有馬くん…!まさか有馬くんがそんなことするなんて…!」


「おい、有馬。てめぇ、俺らを操ってやがったのか…!?」


「ふざけんじゃねーよ有馬…!クラスメイトにどうしてそんな酷いことが出来るんだ…!」


「裏切り者は黒崎さんじゃなくて、お前じゃねーか!!!どう落とし前つけてくれるんだ…!」


自分たちが操られていたことにようやく気づいた生徒たちは、次々に裕也に非難の声を浴びせる。


「…っ」


もはや弁明の余地のない裕也は、俯いて、黙って非難の声をその身に浴びていた。


「うん、そろそろいいかな。君たち黙って」


非難される裕也をニヤニヤとしながらたっぷりと見守った幸雄は、スキル、ドミネーターの力を使って生徒たちを黙らせる。


幸雄が命令した途端、ピタッと声がやみ、生徒たちは完全に沈黙する。


「うん、よしよし」


幸雄は、満足そうに頷いた後、目の前にいる裕也に向き直る。


「さて、有馬くん。クラスメイトを操って黒崎さんを酷い目に合わせた君には、然るべき罰を受けてもらうよ」


「…?」


怯えるような表情で幸雄を見上げる裕也。

幸雄は冷たい目で裕也を見下ろしながら、裕也に与える罰を考える。


「そうだねぇ…何がいいかなぁ…別に個人的には君に対してあまり恨みはないんだけどね…?でも、僕のメインヒロインの黒崎さんにあんなことしたからねぇ…うーん、どうしようかなぁ…」


顎をなぞって思案する素振りを見せる幸雄は、突然、思いついたように手をポンと叩いた。


「あ、そうだ…!言いことを思いついた」


「…?」


「君にチャンスをあげるよ。もし君が僕が思っていたより案外清い人物だったら、罰を免除してもいい」


「…!」


チャンスと聞いて、裕也の目に希望の光が灯る。


幸雄はニヤニヤしながら、裕也に裁定の基準を告げる。


「有馬くん、君ってさぁ…日本にいるときはとにかく善人で完璧な男って感じだったよねぇ…長身で顔が良くてスポーツができて…おまけに人当たりがいい…異性に人気の君は正直僕にとって羨ましい存在だったよ…」


「…?」


「僕にもさぁ、君は比較的優しい方だったよねぇ…孤立する僕に話しかけたり、手を差し伸べたりさぁ…あれは、どういうつもりでやってたの?」


「…っ!?」


裕也の体がびくりと震える。


さっと、視線が幸雄から逸れた。


反対に幸雄はじぃっと見定めるように裕也を観察している。


「もし君が本当に善意で僕に手を差し伸べてくれていたんだったら…許してあげてもいいよ?僕も鬼じゃない。でもね…もし別の理由で…例えばそうだね…優しい有馬裕也というキャラを定着させるために、僕を利用したんだとしたら、話は変わってくるよねぇ…?」


「…っ」


「どっちなんだい、有馬くん。気には善人?それとも悪人?僕に対して抱いていた気持ちを正直に話てよ」


幸雄はスキルの力に乗せて、言葉を紡いだ。

裕也に対して強制力が働き、裕也は日本で幸雄に対して抱いていた気持ちを正直に口にした。


「き、君を助けた理由は……そのほうが自分が人気者になれると思ったからだ…君は…俺にとってどうでもいい存在だった…善意なんてこれっぽっちもなかった…利用できるだけ利用してやろうと思った。き、君は根暗で陰キャラで気持ち悪いオタクで…俺と最も遠い存在だと思っていた…自分は死んでも君みたいな惨めな人間にはなりたくないと思った…手を差し伸べる俺に縋るような目を向けてくる君を見て…内心、すごく哀れんでいた…優越感に浸っていました…」


「…」


裕也はスキルの力によって洗いざらい、幸雄に対する気持ちを喋った。


「あ…ちが…今のは本音じゃなくて…冗談で…」


スキルの力から解放され、必死に取り繕うとするが、幸雄はすでに殺気を孕んだ表情を裕也に向けていた。


「うん、ギルティ」


「…っ!?」


裕也は自分の運命を呪った。




〜あとがき〜


新作の


『モンスターの溢れる現代日本で俺だけレベルアップ&モンスターに襲われない件〜高校で俺を虐めていた奴らは今更助けてと縋ってきたところでもう遅い〜』


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そちらの方もよろしくお願いします。



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