花を編む


花を編む、花を編む

幾輪も、積んで壁とし

窓辺には、茎の織物

屋根を葺く、葉はみどりいろ

編まれた花でできた家

宮殿──やがて都市となれ


花を編む、花を編む

やがてわれらが滅ぶ日に

青い骸を残せるように

高い煙と燃えられるよう

せめて、花を編んでいろ


花を編む、花を編む

水路のそばでひとを待つ

少女は花でできている

きみの目も、老婆の指も

脈打つ花の心臓も

数少ない、われらの偉業


花を編む、花を編む

明日には枯れるおはなしだ

明後日、朽ちて去るだろう

それでもわれは花を編む

名残惜しい、曲の五分を


やがて手が、萎れたときに

営みが、終わるとしても

それでもわれよ花を編め

青い骸を残せるように

死後、蛆を驚かすため

花を編む、花を編む、花を編む……

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