第18話 特殊なわんちゃん?
無事セーフティーエリアに戻ってきた俺とごぶ助。ここなら安全なので色々確認する事が出来る。
まず最初に確認すべきは・・・。
「ばう、ばうわう?」
(ごぶ助、俺の言ってる事わかる?)
「ごぶ?」
ごぶ助は首を傾げた後頷いた。イマイチわからんな。それならば・・・。
「ばう、ばうばう。ばうわうばうわうばう」
(ごぶ助、俺の言ったことを繰り返してくれ。隣の客はよく柿食う客だ)
「ごぶ?となりのかきはよくきゃくくうかきだ、ごぶ?」
「ばうばう!ばうわう」
(よく言えたがなんか違う!やっぱり言葉伝わってるか)
「ごぶごぶ」
俺の言葉はごぶ助に伝わっているみたいだった。これはやはりあのスキルが!?と思い自分のステータスを確認する。
名前:
種族:魔シベリアン・ハスキー
年齢:0
レベル:5(2↑)
str:47(5↑)
vit:32(6↑)
agi:60(6↑)
dex:32(4↑)
int:31(5↑)
luk:32(5↑)
スキル:雄たけび 咬みつき ひっかき 鑑定 氷魔法 念話
ユニークスキル:ワンチャン
称号:元最弱犬 転生者 ダンジョン1階層突破 "幸運の四つ葉(4/4)"
『スキル:念話
・思念で会話できる。声に出さずとも相手に考えを届けることができる。』
やっぱり念話を習得している。しかし念話は声を出さなくてもいいとあるが、意識してやらないと声は勝手に出てしまいそうだ。
そしてもう一つ確認したかった事がある。それは称号だ。今回狩ったウサギで『幸運の四つ葉』が4/4になったのだが、何かあるんだろうか?
そう思い称号『幸運の四つ葉』を見てみると、前とは違った説明が出て来た。
『称号:幸運の四つ葉(4/4)
・幸運の四つ葉を4つ集めきった証。特殊進化ができます。』
ダニィ!?特殊進化だとぉ!?なんだその心が躍るキーワード!
俺はウッキウキでその項目を開き、直ぐ閉じた。
んんん?目が変になったのかおかしいモノが見えた気がするぞ?もう一度見てみようか。
俺は少し心を静めて再び特殊進化先を確認する。だがその中身は先ほどと全く変わりがなかった。
≪特殊進化可能≫
・現在の進化先は 2つ です。
『人面犬』『狛犬』
そっかー、まぁ確かに特殊だよね?けど何でチョイスに人面犬を持ってきた!?犬は犬かもしれんが大分特殊だぞ!
しかも狛犬も犬とはついてるが、犬なのかは疑問なところだぞ!?
進化可能先があまりに特殊だった為に、思わず心の中で叫んでしまう。
だが俺は思った。進化は進化、強くなれるはずである。なので進化先を選択して進化する事にした。
進化を選ぶと、カッと体が光り体が変わったので、俺はとりあえずステータスを確認してみる事にした。
名前:
種族:狛犬
年齢:0
レベル:1
str:127(80↑)
vit:152(120↑)
agi:103(43↑)
dex:97(65↑)
int:105(74↑)
luk:53(21↑)
スキル:雄たけび 咬みつき ひっかき 鑑定 氷魔法 念話 守護の壁
≪進化特典・選択≫
ユニークスキル:ワンチャン
称号:元最弱犬 転生者 ダンジョン1階層突破 特殊進化体
「(は?)」
俺はステータスを見て、あまりの強化具合に目が点になった。
強くなり過ぎじゃね・・・?一気にステータス爆上がりなんだが?特殊進化パナイな。
しかも進化特典でスキルをさらに選べるというな、ヤバス!おっと、その前に新しく増えたものだけ確認しておくか。
『スキル:守護の壁
・身を守る壁を作り出す。レベルにより強度が変わる(Lv1)
称号:特殊進化体
・特殊進化を行った者の証。進化する際に特殊進化への確立に補正。』
なるほど、狛犬だから守護系スキルなのかな。一応守り神的な存在だし?っていうかやっぱり今回の特殊過ぎない?狛犬ってなんだよ、犬か?妖怪か?守り神か?何なんだ。いや、犬ではないな。人面犬はまあ妖怪だよな?って妖怪ってなんやねん!
俺は特殊だった進化に対して突っ込みを入れまくった。
そして突っ込みを入れまくっていると、ちょっとだけ冷静になってきた。俺はこの件に関してはもう考えないことにして、進化特典のスキルを選択する為に、選択となっている部分に意識を向け展開させる。
≪進化特典・選択≫
・3つ のスキルの中から一つ選択して取得できます。
『火魔法』『収納』『突っ込み』
出て来た進化特典のスキルは『火魔法』『収納』『突っ込み』の三つで、前回選んだ奴が消えてその代わりに新しい奴が入ってきていた。前も同じだったし、ずっとこのパターンなのだろうか?
俺は出てきたスキルについて考えながら、何を取るかなと考える。
取りあえず『突っ込み』はパスとして、現在練習中の『火魔法』か、もしくは転生者がほしがる3神器の1つ『収納』か。どちらも悩ましいな。
うーん・・・『火魔法』の方は頑張れば覚えられるかもしれないんだよなぁ。だとしたら『収納』か?あったら便利そうだしなー。
「(むむむ、どちらを取るべきか・・・)」
「ごぶ?どうしたごぶ?」
そんな風に悩んでいたら、つい声と念話が漏れていた。
「(いや、ちょいとどちらを取るか考えていてなぁ・・・、っていうか放置してすまんなごぶ助)」
「ごぶごぶ、ごぶ?ごぶすけごぶ?」
「(あ、すまん。ずっと俺の中でそう呼んでたんだよ。だめだったか?)」
「ごぶごぶ、いいごぶ、ごぶすけいいごぶ」
ずっとごぶ助と呼んでいて、それがついぽろっと漏れてしまったのだが結果的には喜んでくれている。
というか、呼び方の事よりも会話ができている方に驚かないのかごぶ助よ!
相変わらずだなぁ、まあそこが良いところでもあるんだよな。本人には言わないけど。
ごぶ助の器のでかさというか緩さを再確認していたが、ふと思った。
そういえば、俺が特殊進化できたってことは、もしかしてごぶ助も・・・?見てみるか『ステータス確認』。
名前:
種族:ゴブリン
年齢:3
レベル:10(1↑)
str:57(3↑)
vit:44(2↑)
agi:49(2↑)
dex:41(1↑)
int:12
luk:41
スキル:パワーアタック 剣術
ユニークスキル:
称号:ダンジョン1階層突破 "幸運の四つ葉(4/4)"
ごぶ助の称号を確認すると俺と同じようになっていた。さらに剣術のスキルをいつの間にか覚えている。最後の四つ葉ウサギを倒した時にソロで倒せたのは、剣術を覚えていたからなのだろうか?
とりあえずごぶ助に称号による特殊進化ができるか尋ねてみる。
「(ごぶ助、ステータスって見れるか?)」
「ごぶ?なにごぶ?」
「(確認したことないか・・・、自分の強さが知りたい!って強く考えながらステータス確認って言ってみ)」
ステータス確認については今まで他者に聞いたことはなかった。
もしかしたら転生者だけの特典なのかもしれないので、ごぶ助にやってみてくれと頼んでみる。
「ごぶ、すてーたすかくにんごぶ」
「(どうだ?ステータスが見えるか?)」
「ごぶ?なにかがでてきたごぶ。ちからとかはやさごぶ?」
「(ステータス見れてるっぽいな、っていうかごぶ助って文字読めるの?)」
「ごぶ?もじってなにごぶ?」
ステータスが解るってことは書いてある文字が読める、そうだと思ったんだが、どうやら話を聞くとどうも違うらしい。
不思議に思い詳しく聞き込むと、文字というものは知らないがステータスの内容は何故か解るらしい。
俺はずっとステータスの文字は文字だと思っていたがそうではなく、本能でわかる何からしい。改めてファンタジー具合を確認できる出来事であった。
話が少し脱線してしまったが、再度ごぶ助に特殊進化について聞いてみる。
「(それでごぶ助、ステータスの最後の方に『幸運の四つ葉』みたいな事が載ってないか?)」
「ごぶごぶ、これごぶ?」
ごぶ助に称号の『幸運の四つ葉』を確認するように言ってみる。
すると・・・。
「ごぶ!?」
「(あ)」
ごぶ助の体がカッと光り、光がおさまったそこには・・・。
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作者より:読んでいただきありがとうございます。
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