第10話 2度目の進化のわんちゃん
俺は≪進化可能≫となっている項目に注目して、進化先の確認をし始めた。
ちなみに現在は、家でご飯を食べて後は寝るだけという時間である。前回進化したときは森の中で進化して、ちょっと慌ただしかったのでゆっくりと確認する為だ。
さらに言えば、ごぶ助一家の目の前で進化した時のリアクションが見てみたかったからってのもある。
よし、それじゃあ確認開始っと。
≪進化可能≫
・現在の進化可能先は 1つ です。
『魔シベリアン・ハスキー』
おいいいいいいいいいいい!やっぱり地球産っぽいのじゃねぇかあああ!『魔』ってつければ魔物とかじゃないんだぞおおおおお!
・・・だがアリだな。
おいいいいいいいいいいい!とか叫んだがこれはこれでアリだと俺は思うんだよね。アリ寄りのアリだ。体もわりに大きくなるし、見た目だって今までよりかは魔物のウルフに近い。
それに転生する前は大型犬っていいな~って思ってたんだよな。まぁ、俺が大型犬だっ!ってなるのはどうかと思うが。
そんな事を思いながら進化を確定させる。ぽちっとなー。
「ばうわう!」
(俺が大型犬だっ!)
カッと光って進化が完了した。ごぶ助一家の反応はどうだっ!?
「ごぶぶ、いちにんまえのかおにかわってきたごぶぶ」とパパゴブ
「ご~ぶ、おおきくなるのははやいもんねご~ぶ」とママゴブ
「あしたもおにくとってくるごぶよー?」と弟ゴブ
「ごぶごぶ」となんか頷いてるごぶ助
やっぱり反応がゆるい・・・。もうゴブリンはこんなものだと思っておくか。
ごぶ助一家の反応は置いといて、ステータスはどんなものかと確認する。
名前:
種族:魔シベリアン・ハスキー
年齢:0
レベル:1
str:38(7↑)
vit:22(6↑)
agi:47(9↑)
dex:23(6↑)
int:20(7↑)
luk:22(5↑)
スキル:雄たけび 咬みつき ひっかき 鑑定 ≪進化特典・選択≫
ユニークスキル:ワンチャン
称号:元最弱犬 転生者
おお!強くなったじゃないか!ゴブリンやウルフの強さと同格くらいにはなったな!
ちなみに、ごぶ助の今のステータスも見てみる。
名前:
種族:ゴブリン
年齢:3
レベル:8(5↑)
str:51(9↑)
vit:40(5↑)
agi:45(4↑)
dex:39(6↑)
int:12(1↑)
luk:41(9↑)
スキル:パワーアタック
ユニークスキル:
称号:
俺と一緒にダンジョンに潜って獲物を狩りまくっただけあって、ごぶ助もかなりレベルが上がり成長していた。
今の二人ならダンジョンのボススライムを倒せるかもしれないな。
おっとそうだ進化特典のスキルを選択しなくては。
≪進化特典・選択≫
・3つ のスキルの中から一つ選択して取得できます。
『火魔法』『氷魔法』『突っ込み』
お、前回取らなかったスキルに加えて氷魔法が追加されてる。シベリアン・ハスキーは寒さに強いみたいなイメージから来てるのかな・・・?
そして突っ込みよ、お前はいらぬのだ!だから魔法のどちらかかなぁ。
よし、氷魔法にしようかな。そーれ、ぽちっとな。
ステータスを確認したら、無事に取れていた。ついでに鑑定もかけてみよう。
『スキル:氷魔法
・上位属性の氷魔法。氷の下位属性である水魔法もある程度扱うことができる。』
すごい!こっちをとって正解じゃん!っていうか説明が超シンプルだったのが、ちょっとよくなってる。
・・・まさか!
『スキル:鑑定
・対象の情報を少し詳しく確認することができる(Lv2)』
やっぱり!鑑定のレベルが上がってる!他のも見てみよう!
『スキル:雄たけび
・雄たけびをあげ心を奮い立たせる、稀に対象に恐怖効果(Lv1)
スキル:咬みつき
・敵に咬みつく、稀に対象にクリティカル(Lv2)
スキル:ひっかき
・敵をひっかく、稀に対象に裂傷効果(Lv2)』
『ユニークスキル:ワンチャン
・使用すると1度だけ好機を引き寄せる(1回/1日)』
『称号:元最弱犬
・世界の中でも最弱クラスの存在だった証。成長に補正がかかる。
称号:転生者
・異なる世界の記憶を保持したまま生まれたもの。言語能力に補正がかかる。』
全体的に説明が追加されてるな。ほかのスキルも使い込んだりたら、レベルが上がって効果がよくなるのかな?まあこれは要観察だな。
取りあえず一通り確認できたな、となれば・・・。魔法だ!
覚えてみたからには使っていたいんじゃ!いやいや、これは効果を確かめる意味もあってだな・・・。
誰に対して誤魔化してるのかよくわからなくなってきたが、確認のために使ってみよう!
「ばうばう、わう」
(ちょっと出かけてくるなー)
「ごぶ?うんこごぶ?いってらっしゃいごぶ」
「うんこごぶー、うんこごぶー」
「ばう!ばうばう」
(違うわ!いや、いい・・)
魔法を使うために外に行こうとして声をかけたらトイレだと思ったらしい。言っても伝わらなさそうなのであきらめて外に出て、森の方へ向かう。
森の誰もいなさそうな場所まで来て、いざ魔法の初使用だ!スキルをとった時になんとなく使い方がわかったので、早速使ってみる。
特に詠唱なども必要ないが、イメージするために声に出して使ってみる。
スキルをとった時になんとなくわかった使い方だが、魔法はイメージらしい。イメージさえ出来ていれば、その結果が具現化されるらしい。
「ばうばう」
(氷の弾丸!)
俺は手始めに氷の弾丸が飛んでいくイメージをして使ってみた。
そうすると、目の前に氷で弾丸が作られて飛んで行った。その弾丸は木に当たり、木に傷をつけた。
「ばう!ばうわう!」
(すげえ!じゃあ次は、氷の散弾!)
初めて使った魔法に感動して、弾丸の次は散弾じゃー!と魔法をぶっぱなす。
「ばう!ばうばう!うおーん!)
(すっげー!魔法だ魔法だ!うほーーー!)
魔法が使えたことに感動してすごく興奮し、次々と魔法をぶっ放していた。そうすると突然体がだるくなり、魔法が発動しなくなる。
「ばう・・・ばうぅ・・・」
(うぅ体がだるい・・・、なんだ・・・)
一つ思い当たることがあった。魔力切れだ。おそらくだが魔法を使い過ぎて、発動する元となる魔力が切れたのだろう。
俺はだるい体を引きずり、ふらふらしながら家へ帰りついて、そのまま意識を失うように寝てしまった。
そして翌朝、目が覚めてちょっと反省。魔法が使えたのに興奮しすぎてやり過ぎてしまった。
だが魔法を使い過ぎると酷い事になる、それを学べたのでよしとした。
「ごぶ、おはようごぶ。ごはんたべるごぶ」
「ばうわう!ばう!」
(食べる食べる!腹減ったー!)
ごぶ助がご飯食べようぜーと言ってきたので、激しく同意してご飯を食べだす。
進化して体が大きくなったからなのか、すごくお腹が空いていた。
出されたお肉をぺろっと食べて満足満腹ぅ!
「ごぶごぶ、おにくとりにいくごぶ」
「ばう・・・ばうわう」
(いや・・・ちょっとまった)
ご飯を食べたので、またお肉を取りにダンジョンへ行こうと促してきたごぶ助に、ちょっと待ったと首を横に振る。
そして今まで目をそらしていた事に向き合おうと、ある方向に目を向けた。そこにあったのは、家の一角を陣取る魔石の山。
いやあ、何かの役に立つと思って拾ってきていた魔石だが、結局使わずに家の隅につみあげちゃってたんだよね。ダンジョンへ行く前に、邪魔だからひとまずどかそうと思うんだよね。
そう思って家を出て裏手に回り、空いている場所に穴を掘った。進化して体が少し大きくなったからか、掘るのが楽だった。
そしてその掘った穴に、ごぶ助と一緒に魔石を運び込み埋めた。
「ごぶごぶ、たからものごぶな?」
「ばう!ばうばう!」
(違うわ!邪魔だったじゃん!)
ごぶ助に、もうこの子は仕方ないわね、みたいな目で見られたが違うからな!?お前も邪魔そうにしてたじゃん!
抗議の声を上げるも、わかったわかったみたいな感じで俺を見るごぶ助と共に、ダンジョンへ今日も出かけた。
「きょうもおにくよろしくごぶー」
「ごぶごぶ、いってくるごぶ」
「ばうわう!」
(行ってくるぜ弟ゴブよ!)
いつも通りに弟ゴブに見送られて、ダンジョンへ出発した。
進化したし、今日はボスに挑戦してみたいなーとか思いながら呑気に考えていた。
あんな事が起こるとはまだ知らずに。
-------------------------------------
作者より:お読みいただきありがとうございます。
「面白い」「続きが読みたい」「魔法!」等思ったら、☆で高評価や♡で応援してください。
☆や♡がもらえると 作者が、マジカルマジカルマジルンルンといって魔法を使います。
お詫び:2021/11/28 にセリフの言い回しや行の改行修正などを行いました。
2022・1・20 行間微修正
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます