第一章

第1話 誕生と覚悟


キーンコーンカーンコーン

チャイムがなった。授業が終わりみなで帰る時。


俺の名前は黒霧くろぎり詩音しおん。高校2年生だ。

1人の少女がこう言った。


「ねぇ!詩音!今からデートしよ!」


この少女の名前は俺の幼馴染で、彼女の白宮柚葉しろみや ゆずは。柚葉も同じく高校2年生だ。


俺は柚葉の急な言葉に頭の上にハテナの記号を浮かべながら聞き返した。


「はい?今から?急だね···············」


そして柚葉は少し焦ったような声で言葉を言った。


「だって!!わ、私··········不安なんだもん!!」


「え、何が?どういうこと?」


「だって··········今日··········詩音··········」


声が小さく途切れ途切れにしか聞こえかったので、俺は聞き直したのだった。


「え?なんて?」


「だから!今日.........詩音さ、女の子に告白されてたでしょ…⋯?」


あぁ、されていたが···············なんだ、見られていたのか。まぁ別にすぐに断ったし、やましい気持ちもないから見られても困らないけどな。


「え、柚葉見てたの?んー、でもあれはすぐに断ったよ?だってそれに俺は柚葉が好きだしさ」


「な、なら!行動で教えてよね、詩音!」


「あー、別にいいけど··········てか、もしかして柚葉は嫉妬してんの?」


俺はひとつの疑問が浮かび、柚葉にそれを聞いた。


「そ、そんなの当たり前じゃん!だって私も詩音のこと大好きだし······///」


そう言っている柚葉の顔はタコのように真っ赤だった。

はは、嬉しいことを言ってくれる。

柚葉の顔みたいに少し顔が赤くなっていなければいいけど。


「··········可愛いな柚葉、しゃあねぇなデートして帰るかな」


「やった!!」


柚葉は大声で喜んでいたのだった。



············································································


ビルの屋上···············


近くのビルの上に謎の男たちが立っていた。


「あれが黒霧とか言うやつなのか?」


「あぁそうだ。やつをころしてこい。さぁくんだ··········戒慎かいしん


一人の男がそいつの部下らしき男に物騒なことを指示をしていた。

そして、戒慎と呼ばれた男はその指示にすぐに返事を返したのだった。


「ハイハイ分かりましたよ、雅秦がしんさま〜」


雅秦「···············」


その部下に雅秦と呼ばれた男は無言で詩音たとを見下ろしていたのだった。



············································································



《デパート》


俺と柚葉はあの会話の後、デパートにデートに来ていたのだ。


「あ、柚葉にはこれ似合うんじゃない?」


服を見ていた俺は柚葉に似合いそうな服を教えた。


「うーん.........よし!それじゃ、着てみるね!少し待ってて〜」


柚葉に言われ、待っていようとしたそんな時····················急に大きな音がなったのだった。



――――ドゴォン、パリン



床は穴が空き、壁にも穴が空いた。

急な出来事にびっくりした周りの人たちは叫び声を上げてそこから離れていった。


「な、なんだよ一体!!」


俺は大きな音がした方向に叫んだのだった。

すると、謎の男がこちらに向かって


「お前が黒霧か?」


謎の男は俺に名前を聞いてきたのだった。

その質問に俺は意味深に答えたのだった。


「··········だとしたら?」


そして俺は謎の男に聞き返した。


「人に名前を聞いたり確認する前にお前が応えろよ」


「そうだな···············俺の名は戒慎。『十二じゅうに使徒しと』の1人、雅秦様に使える者だ」


「十二使徒だと···············」


十二使徒って確か、ヒーローの中でも選ばれ他12人だけが受け取れる称号で、ある程度の権力を手に入れれるはずだ。

チッ、こいつは何が目的なんだ····················


「そんなやつが俺に何の用だよ。というか、お前の目的はなんだ」


そう俺が質問すると、戒慎はフッと不敵な笑みを浮かべ、こう答えた。


「お前を殺すだけだけど?」


「物騒だな···············何故俺ぎ殺されなきゃならんのだ」


物騒なこと言われ、俺はそう聞いた。

そうすると戒慎という男は答え始めたのだった。


「お前この前さ、見たよね?俺らヒーローがやったこと」


「あぁ、だが誰にも言わねぇし言ってねぇ」


そう俺は1週間ぐらい前、ヒーローがとある事件を金で隠蔽してるとこ見てしまった.........だがしかし俺にはそのことに興味もなかったし関わるつもりもなかったのだ。だからこそ言うつもりもなかったので、今の今まで忘れかかっていたぐらいだ。だが、これは多分見られて焦ったあのクソヒーローもどきが俺をヴィラン認定して殺すつもりなんだろう。


あーそうそう言い忘れてたがあった、この世は皆、能力をそれぞれ持っている、そして正義はヒーロー、悪はヴィランということになっている。


俺はひとつの疑問が浮かび上がった。


「まさか、俺をヴィラン扱いするのか?」


俺がそう聞くと目の前の男はこう答えたのだった。


「は?当たり前やん。というか、ヒーロー様が悪と言ったら悪なんだよ。だからヴィラン扱いじゃねぇんだよ、もう既にお前はヴィランなんだよぉ!!ガハハwww」


こいつクソで、クズだな··········、俺がそう思った時だった。


柚葉「違うもん!!詩音は悪じゃないもん!!悪はあなただもん!!」


待て待て待て!!最悪だ.........なぜだ.........なぜまだここにいる!!

おいおい、まさか............逃げ遅れたのか?


そう俺が考えていたら、目の前の男は柚葉に向かって攻撃をした。


「なんだぁてめぇ?ならお前も悪な!!悪は死んで詫びろぉぉ!!」


――――スパンッ!!


そして次の瞬間、柚葉が切られた。


嘘だろ?最悪だ。こいつは···············こいつだけはぶっ殺してやる···············


「柚葉!?くそ!『』」


そして俺は急いで柚葉のことを抱え、柚葉のことを治癒した。


そして俺は柚葉をそっと寝かしたのだった。


「···············おい、クソヒーローども···············俺はヒーローがやった事に興味はねぇ··········だがな··········俺の女に手を出すやつは敵でも味方でも殺すだけだ··········」


「銅創成魔法 カッパーソード


―――シャキン、俺は銅魔法で銅の刀を作り出した、そして··········


詩音「黒魔法 ブラックソード


次に黒魔法で刀を作り出した。


「もういっその事全て消してしまおうか…⋯」


そして俺は決意をした····················


「俺は今から悪にでもなんにでもなってやる、その代わり俺はてめぇを消してやるよ」


ヴィランになることを。


「来いよクソ野郎、この俺がお前のこと殺してやるからさぁ」


「なんだよこの重い空気は…⋯」


戒慎は俺の急な変化にビビりだし、

戒慎はこのやばい空気を焦っていた、やばいヤバすぎる.........と。

だが、こいつはアホなのか、俺に強気なことを言い始めたのだった。


「ヴィランが俺様に勝てるわけねぇだろぉ」


そして、戒慎は武器を出した。


「来い


「ほぉか、いい黒刀こくとう持ってんじゃん、いいよなぁそれ名前付きでさ」


その刀のことを俺は知っていた。


「お前、殺してその女も犯してからぶっ殺してやる」


はぁ···············というか··········こいつ

ほんっとに気持ちが悪いな··············

俺はそう思い、切り殺そうと···············


「なら死ねよ、気持ち悪い」


スパンッッ!!

その瞬間、戒慎の体は真っ二つだった。


「ガハッッッ!!な、何が、何が起きやがった!!く、クソが!!···············なぜ俺が切られた!!」


ドスッ――――戒慎は倒れた。


「さて。消えてくれ····················『』」


俺は真っ二つのを消し、刀を拾い上げたのだった。


「ヤミルギは俺が貰う。それと···············お前のを貰う··········いや、いずれの俺の仲間につけるか··········それとも··········」


「まぁいいか、契約だヤミルギ」


―――シュインッ!!


そしてヤミルギという刀は俺の体に入って消えた。

柚葉が起きるまでそこで待っていることにしたのだった。



············································································



少したち、柚葉が目を開けた。


「起きたか?柚葉、大丈夫か?」


「うん、大丈夫だよ」


「これで俺も悪役か、すまん、柚葉もうお前とは入れねぇ」


「ううん、私も一緒に悪になるよ」


俺は柚葉と別れる覚悟をしたが、柚葉は一緒に悪になると言ってくれたのだ。


「ごめんな··········柚葉」


「全然いいよ!!だって全部あっちが悪いもん。ヒーローなんてクソ喰らえ!だよ」


「ハハッ」


柚葉の言葉に俺は笑った。




············································································



そしてまた、遠くから二人の男が詩音たちを見ていた。


「おい、なんだあれは、報告とは違ぇぞ、あいつは魔力なしのはずだろなんでが見えるだけで2つ以上は入ってるんだよ」


「なぁ『零』、帰ろうぜ俺らNo.12人がやれば勝てるだろうけど、この戦いヒーローが悪いだろ俺らも抜けようぜこのくそヒーローから」


1人は零と呼ばれ····················


「それは俺も考えていただが、もう少し探ろうか、百」


もう1人は百と呼ばれていたのだった。


「了解」



············································································


廃工場·························


あの後、俺たちは廃工場に逃げ込んでいたのだった。


「大丈夫か、柚葉?」


俺は柚葉に体のことを聞いた。


「ううん。私はもう大丈夫だよ、ありがと詩音」


そう、柚葉は答えた。



············································································



その頃学校·························



その頃、先生は生徒たちに話をしていた。


「えぇと、昨日の昼頃から黒霧詩音くろぎり しおん及び、白宮柚葉しろみや ゆずはが、指名手配されたことは皆、知っているな?見つけ次第、警察及び学校に連絡するように」


そして授業が終わり、残った3人の男子生徒。


1人の少年が2人の男子に聞いた。


「先生言ってたのほんとだと思うか?」


この少年は焚翔。


「俺は思わねぇ」


1人の少年が答え···············


「うん思わねぇ」


もう1人の少年も答えたのだった。

この2人は、玲於と風雅だ。

そして焚翔が2人に向けて言った。


「俺達だけでもあいつらを守るために探そうぜ」


そうすると、後ろから女子が声をかけてきたのだった。


「いいけど、あたし達も行くからね」


後ろを振り向くと3人立っていた。


「なんで、お前達がいるんだよ」


焚翔がそう聞くと3人の女子は交互に答えた。


「そりゃ私が焚翔の彼女で、瑠花が玲於の彼女で、彩乃が風雅の彼女だからだよ、当たり前のこと何言ってのよ」


この女子の名前は日向。


「そうだよ!」


「そうそう!」


この2人は瑠花と彩乃。


男子3人「おまえらなぁ、だからだよ!とかそうだよ!とか、そうそう!............じゃねぇんだよ」


男子3人はそう言ったが顔を見合い、頷いた。

この人たちの説明はまたの機会だ。



············································································



1時間後···············


結局みんなで探すことに決定したので、焚翔がほかのメンバーに説明をし始めた。


「よしじゃあ今から言うことを覚えてくれ··········いいな?まず俺と日向チーム。次に玲於と瑠花チーム、そして最後に風雅と彩乃チームの3つに別れて行動をする··········それで決定でいいな?」


「「「うん!」」」


女子3人は返事をした。


「「あぁ、もちろん」」


そして直ぐに男子2人も返事をしたのだった。



············································································



廃工場··········


その頃、俺たちは廃工場に隠れていたのだった。

俺は柚葉に聞いた。


「なぁどうする、柚葉これからさ」


「そうだなぁ〜········それじゃあ!結婚しようよ、詩音!!」


すると少し考え、柚葉がそう答えた。

ふざけた答えだ。


「.........真面目に考えろよ.........まぁ結婚はしたいからいつかしてやるけどさ」


「......え!?ほ、ほんと!?やった!!」


あぁ、俺に二言は無い。


「俺が死んだとしても俺はお前を守るからな、柚葉」


「詩音、それはダメだよ」


俺がそう言うと怒られてしまったのだった。


「あぁ?なにがだよ」


「死んででもはいやだしダメ、絶対にダメ許さないから」


「柚葉……」


そこまで思ってくれていることに、俺は少し感動しこう答えたのだった。


「わかったよ柚葉、じゃあ生きて守る」


「ありがと!詩音!」


すると柚葉は先程まで怒っていた顔が柔らかくなり笑顔になったのだった。




··········続く··········

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【再開・水曜投稿予定】ヒーローとヴィラン 黒宮 真玖/ルギア・ヴァーミリオン @maku00

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