第2話
あれから1ヶ月ほどだった。
咲美との進展はほとんどなかった。だが俺は最初どうとも思っていなかった咲美のことを確実に目で追っていることを自覚し始めた。
男は単純だ。LINEを交換したくらいの女子を好きになってしまう。
今日は日曜日だ。
毎週日曜日は部活がある。俺はいつものようにテニスをしていたらどこからか視線を感じた。
横からだ。
「え…」
「え?!」
そこには咲美とその咲美の友達の橋本 菜奈(はしもとなな)がいた。
ほんとにパニックになった。頭がまっしろになるというのを初めて実感した。
俺はパニックになりながらも、冷静を装い部活を熱心にやっていた。いつもよりも動けていたような気がする。
「ありがとうございました」
やっと部活が終わった。俺は友達のとおるといつも帰っているのだが、今日は走って家まで帰った。
俺は家に帰った途端LINEを開咲美にメッセージを送った。
「今日見てたでしょ?」
俺はドキドキしながら返事を待った。実際には返事を返すのに1分もかかっていなかっただろうが、その時は体感10分くらいの時間がすぎていたような気がする
「バレた?笑」
咲美から返事が来た俺はマッハで返事を返そうと思ったが、早すぎたら気持ち悪がられそうなので30秒くらい待って返信した
「バレバレだったよ笑」
俺は女子とLINEをしたことがない。LINEを交換した時も、「よろしく」とスタンプを打って会話をしたくらいだ。だからどういった返信をすればいいのか分からなくてとりあえず最後に「笑」をつけといた
ここで咲美から返事が来た
「場羅くんってもしかして…」
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