《連載番》神速の先駆者〜ただの帰宅部の俺が英雄になるまでの話~
松茸
第1話 プロローグ
「あはっ! ハハッ! アハハハッ!」
中学生くらいの身長の少年が、高らかに笑っている。
「なれるかも……いやなれるんだ!英雄 に! 」
少年は笑っていた、変化する世界に酔い、己の才能に酔い少年は笑っていた。
◇
「はあ〜 暇だな〜 異世界転生したいな〜」
教室の隅で、少年が気だるそうにため息を吐いていた。
「田中、またそんなこと言って。異世界転生なんて起きるわけ無いだろ。」
田中に、親友の佐藤が話しかけてくる。
「そうなんだよな〜 異世界転生は高校生にならないと起きないんだよな~」
佐藤が、困った顔をして言った。
「そうゆう問題じゃ無いだろ……そういえば英語、期末テスト近いけど大丈夫なのか」
「大丈夫、大丈夫、俺、数学と理科に全てをかけてるから」
佐藤が、呆れた顔で言った。
「それ、絶対にやばいだろ」
(はあ〜 暇だな〜 なにか面白いこと起きないかな〜)
田中は暇だった。決してイジメられている訳でもないし、毎日のちょっとした変化はあるのだが、田中は暇だった。
……気づけばあっという間に帰りの会になった。
(結局今日も何もなかったな。帰ったら何しよ……)
「起立! 、 礼!」
先生の声を聞いて咄嗟に立ち上がる。
「「ありがとうございました!! 」」
言った瞬間田中は、シュッ! とリュックサックを持って、ササッ! と帰った。
佐藤は、呆れて言った。
「あいつ、帰るのだけは人一倍早いんだよな」
田中は誰よりも早く帰路についていた。
(早く家に帰らないと! 今日は、
メ○カリで買ったゲームが届くんだ! ゲームが俺を待っている!!)
田中は全力で自転車を《漕》いでいた。
田中が自転車で帰宅している最中に、それは起こった。
【知的生命体の数が一定以上になったことを確認しました】
「え?」
頭に直接響くような声につい反応してしまった。
【知的生命体の分析を開始……10%……38%……89%……100%分析完了、試練の生成を開始します……完了、人類の才能、本質、魂を感知、適応したスキルを生成します。】
「は? え? ま? もしかしてきた!? 」
毎日異世界転生を願うレベルの中二病は、すぐに事態を把握した。
【……スキル生成完了、これによって試練を可視化します】
「キタ! キタキタ! これスキルとか言ってるし試練って絶対にダンジョンで、
……うわっ!」
当然、地面が揺れた。そして半径1メートル位の穴が空いた。
「あれ、やばくね」
田中は、家に帰るために全力で自転車を《漕》いでいたため急に止まれるわけもなく、
「ギャャャ!!」
田中は、穴へ落ちていった。
◇
背中が痛い……あれここはどこ?
確か家に帰ろうとして……!?
思い出した!
田中は、動こうとした。
「イタッ!」
痛みが走った。リュックがなければ痛いどころではなかっだろう。
「ああ、リュックがあってよかった」
田中は、動くのは、しばらく無理だと判断して周りを見た、落ちてきた穴が無いのに何故か周りが明るく見える。不思議な洞窟だ、目の前には曲がりくねった道が広がっている。
………あ! 遠くに愛用の自転車が落ちている。様々な所が歪んでおりもう使えないだろう。
これが試練の中か………!
ちょっぴり感動しているとあることを思い出した
……そういえば、スキルって言っていたよな……スキルがあるならステータスもあるよな。
「ステッ!? ……ステータスオープン」
大声で叫ぼうとして激痛が走ってきたので慎重に言い直す。
名前 田中
職業
深度 1
HP 7/15
MP 10/10
STR 2
DEF 2
INT 1
RES 1
AGI 3(逃走時最大4)(神速発動時
6)
LUK 1
ユニークスキル 神速Lv1
スキル 逃走Lv2
称号 ユニーク保持者
「俺の時代来たわ」
痛みを出さないように声を抑えて興奮していた。
その後、ステータスをいじっていると説明が出た。
STR……力、物理攻撃に補正
他にもいろいろ押して見る。
Lv……上がれば、上がるほどステータスが
上昇し、これまで貯めた経験が、スキ
ルに変換される。
職業……条件を満たしてません
深度……試練適応率、上がれば、上がるほ
どステータスが上昇し、新しいス
キル、機能が開放されたりする。
HP……体力、0になると死亡する
MP……魔力、魔法やスキルなどに使用する。0になるとHPを除く全ステータスが50% 低下する
DEF……防御力、防御に補正
INT……知力、魔法攻撃力に補正
RES……抵抗力、魔法防御に補正
AGI……素早さ、回避、逃走に補正
LUK……運、魔道具発見、その他様々なこ
とに補正
スキル……保持者の本質、才能、魂などを活性・可視化したもの
ユニークスキル……特定のクエスト、称号保持者などが獲得出来るスキル。スキル保持者が死亡するまで同じスキルを獲得することができない。
神速……全てのステータス補正を自動的にAGIに割り振る。MPを消費することによってAGIを2倍にする。(1秒で1消費)
逃走Lv2…… 逃走時、AGI50%増加(小数点切り捨て)
称号……特定のクエストをクリアする。特定の偉業を達成するなどのことを達成した者のみが獲得出来る。
ユニークスキル保持者……名誉称号、ユニークスキル保持者が取得出来る。
(職業と深度は、役割が被っているような気がするけど……)
(あと、名誉称号ってことは、効果はないのかな? )
そう考えながらステータスをいじっているとそのうち痛みが治まってきた。
そろそろ勇気を振り絞って先へ進んで見る。(まあやばかったら[逃走]と[神速]で逃げればいいし。)
そう思いながらしばらく進んでいくと曲がり角のあたりで汚い声がした。
「グギャ」「グギャッグギャ」「グギャ」
この声はもしかして…… こっそり角から除いてみる。小学生位の大きさの汚い緑の肌の汚れた布切れを腰につけ、木を削った棍棒を持っている。ファンタジー世界ではスライムと同じぐらい定番な
「ゴブリンだ」
ゴブリンがいた。しかも三体
「面倒だな」
一体だけなら不意打ちでどうにかなったかも知れないが三体もいるならから残りの二体が……あ!いいこと思いついた!
早速行動に移す。 リュックの中から抵当に音のなる良いもの……シャー芯の箱を取り出す。そして他のゴブリンがある程度遠くに離れたときに投げる!
カラッ! シャラッ
「ゴギャ?」
一体のゴブリンが音に気づいてこっちによって来る。
曲がり角を越えようとした瞬間に無理やり首を掴んで引き寄せ、もう片手のカッターを首に刺す!出来る限り何度も刺す!
肉を切り裂く嫌な感触がするが、我慢する。
「グギャ!?グギャァァ!!!」
そしてその声に他のゴブリンが気づくがこっちに来る前に[逃走]で逃げる!
そしてしばらく逃げるとふいにアナウンスがなった
【経験値を獲得しました、Lvが2に上がりました。スキル暗殺、殺害適性を獲得しました。深度が少し上がりました、
ユニークスキル[神速]の効果によってステータスが全てAGIに割り振られます】
「………勝った」
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