花ワ紡ガレ空へマウ
@nesyaao
第1話 明け夜のホシ
(ドキドキ、)
この春、私は はじめて転校先の学校に足を踏み入れる。
下駄箱に靴を入れて上靴に履き替えるとまだ新築の綺麗な床にことん、と音を立てて1歩踏み出した。…そう、ここからが私の物語の始まりだった。
1歩足を出した瞬間に、
「うわっ?!」
バサバサッといういや〜な音と一緒に1人の男子生徒の声が聞こえた。
私は肩を震わせ後ろを振り向く。するとそこには何故か見覚えのある彼がいた。
「え、あ、あの、」
自分でも面白いと思うくらいの動揺と一緒に彼の顔が見えた時、
「…へ?え、葵、?」
あぁ、やっぱりそうだ。なんでこんなところに彼がいるんだろうか、
「はぁぁ、…バカ楓。」
「ーお〜い!静かにしろ〜日直号令。」
「起立!」ガタガタという音が一斉に聞こえてくる。
私は今廊下(正式には教室のドアの前)に鞄をもって立っている。
立っているだけなのになぜか冷や汗と吐き気が止まらない。
(あぁぁ、どうしよどうしよどうしよ。多分自己紹介だよね?そうだよね?)
だめだ、これじゃ前と同じになってしまう!
よし、明るく明るく、、
「今日は転校生を紹介する。…入っていいぞ」
カラカラ、っとなるべく音を立てないように静かにドアを開け中に入ると机に突っ伏して眠る人以外の大半の人達が私に目を向ける。
「、あ、えっと、近畿の桜ヶ丘中学校から転校してきました、野萩 葵 です。よろしくお願いします…」
そう一言告げると歓声と共に大きな拍手で教室を賑やかにさせた。
私の青春とよべるかわからない華やかな物語はここから、きっと始まったのだろう。
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