第19話 夜会の終わりに

 コロナワクチン3回目の副作用で40℃熱が出て、数日続いていたせいで、投稿が遅れました。


 副反応は1日で治まるとかドヤ顔で言ってた上司の顔をぶん殴りたい。


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 カトリナ嬢とのダンスを終えると2人して食事をとり、お腹も満たしたので中座することにした。一応、最後までいると言っていたクレメントおじさんとゴットフリート伯爵には伝えておこう。


 ゴットフリート伯爵にはすぐに話しが出来たのでクレメントおじさんを探す。あ、いた。けど他の貴族に囲まれているなぁ。ん?帯剣している者がいる。胸章をよく見ると近衛の所属のようだ。と、すると、あの輪の中には王族がいるのかあ。もう少し時間を置くかなあ。


「あら、お爺様の横にいらっしゃる方はメイナード様ですわね。」


「ん?メイナード・・・。ああ、王太子殿下のお子さんだね。」


「はい、オーギュスト様。しかし、メイナード様はあまり人の集まりが苦手だったような気が・・・。」


「そうなんだ。」


 鑑定魔法で見てみるとまだ5歳じゃないか。いくら王族の一員とはいえあんな子供に大人が寄ってたかってはいけないだろう。ああ、だからクレメントおじさんは盾になるつもりでいるのかな。さっきから一歩前に出て口を開いているのはおじさんだし、メイナード君は俯いて近衛兵のズボンの裾(すそ)を掴んでいる。うん、助け出してあげよう。


「カトリナ嬢、ちょっと時間いいかな?」


「ええ、勿論ですとも。メイナード様に関わることでありましょう?」


「さすが、察しがよくて助かるよ。」


 僕とカトリナ嬢は腕を組みクレメントおじさん達の輪に近づく。


「クレメント・バチェフ侯爵閣下。」


 僕が声をかけるとクレメントおじさんの視線が僕とメイナード君を行き来する。それを確認して頷く。


「おお、オーギュスト。いつも通りの呼び方でいいぞ。」


「では、クレメント侯爵。そちらの高貴なお方をご紹介願えますか?」


「うむ、王太子殿下の第一子、メイナード様だ。」


 僕はメイナード君に向き直り、


「メイナード様、お初にお目にかかります。オーギュスト・ユベールと申します。伯爵位を賜わっております。こちらの女性はクレメント侯爵御令孫のカトリナ・バチェフ伯爵令嬢であります。」


 僕とカトリナ嬢が礼をすると、メイナード君は小さい声で、


「メイナード・ドナラグネです。よろしくお願いします。この2人は僕の護衛です」


 としっかりと返答してくれた。うん、変に驕(おご)ってないのは好感が持てるね。2人の近衛も挨拶をしてくれる。

「メイナード様の護衛を務めております。ミッド・スキナーと申します。準男爵位を賜わっております。」


「同じく、アシュロイ・レイと申します。準男爵を賜わっております。」


「丁寧にありがとう。オーギュスト・ユベール伯爵だ。」


 さて、自己紹介も終わったしメイナード君をこの息苦しい空間から解放してあげないとね。僕は体を屈めてメイナード君と目線を合わす。


「メイナード様は魔法をご覧になったことはありますか?」


「はい。あります。」


「実は、私は学園でかなりの成績優秀者でした。自分で言うのもなんですけど。なので、面白い魔法をメイナード様にお見せすることができます。どこか広い場所へと移動しませんか?」


「面白い魔法、ですか?」


「はい。」


 僕は微笑みながら言う。メイナード君は迷っているようだった。だけども、


「王太子殿下の許可を戴いてまいりました。」


 というミッド殿の有能な行動により、覚悟を決めたようだ。


「お父様の許可があるなら、是非とも見てみたいです。」


 よし、そんじゃあ面白い魔法をメイナード君に見せよう。下手に僕の事を知っている他の貴族達は話しに割り込めずに黙っている。ミッド殿の案内で会場を後にする。ああ、勿論、預けた剣は返してもらったよ。


 さてさて、結構広い場所についたね。


「ここは近衛兵の練兵場の一部になります。なので丁度良いかと。」


 アシュロイ殿が説明してくれる。僕は収納魔法からテーブルと椅子を4脚出して、テーブルの上にはジュースとお菓子をセッティングする。


「それでは、メイナード様。まずはこちらをご覧ください。」


 そう言って、土魔法で高さ20mほどの人型ゴーレムを作り出す。


「一瞬で・・・。」


「しかも無詠唱だったぞ。」


 護衛のお2人にはこの凄さがわかったみたいだね。でも、メイナード君はお気に召さないようだ。


「メイナード様、私はこのように瞬時にゴーレムを造りだせます。そして、今宵はメイナード様の友となるようなゴーレムをプレゼントしたいのです。」


「・・・友?」


「ええ。ペットと言い換えても良いかもしれません。」


「それなら、その・・・。僕は大きい犬が欲しいんです。背中に乗れるような。ふさふさの毛を持つ。」


「承知しました。では、ご覧ください。」


 そう言って、僕は1体の犬型のゴーレムを造り出す。大きさは大型犬よりも一回り大きいほど。しかし、体表にはご希望のふさふさとした毛が無い。僕はゴーレムに手を当てる。すると、すぐに体表が毛に覆われる。それだけではなく体にも弾力が生まれる。ゴーレムを包むように人工的に筋肉と脂肪と皮膚、体毛をこの前に創り出した創造魔法で再現してみた。


 メイナード君を見てみると、瞳を輝かせて出来たゴーレムを見ていた。気に入ってもらえたようだね。さて、これで完成はつまらないからもう少し手を加えてプレゼントしよう。

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