第13話:差別や偏見がもたらす弊害 ⑤
そのため、以前は政治や環境など難しい問題に対して興味がないと言われていた世代も徐々に興味を持ち始めていて、昨年の総選挙の時も当選者がギリギリまで拮抗した選挙区が増えたのもこれが要因ではないか?と思う。
そして、今後はベテラン世代が“若い世代が選挙に出やすい環境を整備することで自分たちの作ってきた実績を壊されてしまうのではないか?”という懸念もあり、日本も高齢化が進んでいることから若い世代が選挙などに出てもベテラン世代に勝てる見込みもなくなってしまう可能性があるのだ。
そうなった場合、日本における世代交代は進まないため、若い世代の声が国会に届くことも難しくなってしまう。
こういう事態を避ける意味でも法改正を行い、3院制に移行する事が重要だと思う。
その理由として、3院制の内訳も“衆議院”・“参議院”に加えて、30代以下の若い世代を中心とした新たな議会の新設をすることで幅広い年齢層との柔軟な議論が可能となり、若い世代の声や声なき声を吸い上げることが可能になる。
その他にも決定権を持つポジションにベテラン、そのアシスタントや構成員に若手を着任させることで若手とベテランの融合が起こせるようになり、多様な判断を出来るようになると思う。
ただ、これを実行するにはいくつかのハードルがあり、そこに課題も山積しているのが現状だろう。
例えば、若手は問題視していてもベテランは問題視していない問題について議論が必要になった場合にベテラン側が若手を潰しにかかる可能性がある事や若手に対して誹謗中傷に近い発言をすることも十分に考えられる。
そして、どのような声が上がったとしても自分たちの経験値で判断して、最終的な判断を下してしまうこともベテランの人たちには出来てしまう。
このように世界のどの国を見てもそうだが、“年長者の意見を尊重できないなら潰す”といわんばかりの行動や言動がどうしても目立ってしまっている印象が強い。
そのため、若い人たちのパワーが小さい分、若い世代の政治的価値観が表に出ることなく、そのまま消失してしまっているという印象がある。
このままいくと間違いなく“大人が子供をコントロールする”もしくは“大人と子供が分裂して日本社会を含めた全体の構図が崩壊する”のいずれかだと私は感じている。
その理由として、主に①現代の子供たちと大人たちとの間に温度差がある事、②子供たちの価値観の変化が急速に進んでいるため、大人の価値観とも同世代・同年代の価値観とも一致しないなどして社会的思想の多極化を生む可能性、③不当解雇などこれまで争い事を避けるために我慢してきた人が政治に対して期待するのではなく、突き放しにかかっていることが挙げられる。
その他にも理由は存在するが、今回はこの3つについて私なりの持論をお話ししたいと思う。
①現代の子供たちと大人達との間に温度差がある事
これは、私がニュースやSNSの発信内容などを見て感じている事だが、今の一定年齢以上と一定年齢以下の価値観の違いが社会的な混乱や分裂を招いているように感じる。
その理由として、“増やしたい大人たちと減らしたい子供たち”という大人たちは“これから試行錯誤をして、さまざまな分野における新たな可能性を生み出したい”と考えているのだが、子供たちは“試行錯誤をするのではなく、結果が見えているのだからその結果に基づいた課題解決を進めていくべき”という目の前の課題を解決しようとしている事が挙げられると思う。
特に環境問題やセクシャルマイノリティの問題に関しては大人と子供では全く違った価値観を持っていて、一部の大人も子供たちの価値観と似た部分を持っているケースも少なくない。
しかし、日本は国際社会におけるマジョリティがマイノリティ以下の推移しかないため、上が変わらないと社会は変わっていかないのだと思う。
これを変えるためにも前記した若い世代を中心とした若年院の中央国会として創設することやその下に都市部・地方部に幅広い年齢の子供議会や青年議会などを創設するなどして多角的な意見と現状理解のために必要な議論を幅広い年代から意見を吸い上げることや一定年齢以上の若年層との意見交換会を定期的に実施し、そこで現代の若者が抱えている問題を説明してもらう、若者が感じている問題に対して意見を言ってもらう、現在実行しているさまざまな支援や取り組みに対して若年層からのフレッシュな意見を出してもらい、その意見を国会に持ち帰り、その指摘された項目や内容に対して当事者を交えて議論するなどお互いがきちんと歩み寄ることやお互いの意見をきちんと発信して、“グローバル・スタンダード”が“ジャパン・スタンダード”になっていかないといけないと思う。
しかし、大人たちはジャパン・スタンダードを信じていて、子供たちはグローバル・スタンダードを信じているという大人と子供で矛盾した動き方をしているように感じることがある。
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