第9話:差別や偏見がもたらす弊害 ①
現代の日本においてふとしたことで差別や偏見が起きている。
そのため、これらがもたらす弊害を十分に理解していない人も少なくない。
このような状態を解決するには何が必要なのだろうか?
私は“特定表現の使用に関してきちんとしたルールの整備が必要”だと思う。
その理由として、メディアなどで取り上げられている人の容姿を揶揄する表現などをよく聞くし、いくら表現の自由があったとしても言って良いことと悪いことを区別しないと受け取る側も不快に感じることがあるだろう。
そして、このような表現を知った子供たちが“こういう言葉を使ってもいい”と誤認を起こし、そこから相手を誹謗中傷する事も十分に想定されるからだ。
特に社会においてイメージが定着している職業や活動などを紹介する際には誤解を生まない表現を用いないと今度はその職業に就きたいと思っている人に対する誹謗中傷やイメージの低下に繋がる可能性があるのだ。
今の日本において無意識のうちに差別に繋がる可能性のある表現を用いている事が多い。
例えば、街頭インタビューなどで身長差カップルに対して“彼氏さんよりも彼女さんの方が高いのですね”や“彼女さん(彼氏さん)は背が高いのですね”など容姿に対する評価をぶつける人やスポーツの実況や解説などで“この選手○○センチですが、すごいですよね”と実際のプレーとは関係のない不必要な表現を用いられるなどどの基準でそのような表現を使っているのか分からない事も多い。
そして、髪の長さや着ている服でも偏見を持たれることも多く、1人1人が相手の立場に立たなくてはいけないのだが、日本という国民性なのか、社会認識や世代認識などの特定のフェーズによるズレなのかは分からないが、既存の概念に基づいて物事を考えてしまう人が多いのが残念だ。
そもそも日本という国は年代で基準が異なっていることが多く、個人でも基準が異なっていることがあるため、全てを同じ価値観で捉えることはかなり難しい。
そのため、価値観の違いを尊重し、そこから学ぶことも大事な事だと思う。
特に各フェーズにおける個々の相互理解が進むことはその年代の価値観を尊重する事に繋がるため、新たな視点を拡大させるチャンスとしてひとつのきっかけを作ることが出来るし、新たな発見が社会を変えるきっかけにもなる。だからこそ、そこで起きる問題に対して周囲が着目し、上の年代からは個々の経験に基づいた解決法の提示や仲介などこれまでの経験が活かされる機会が増え、同年代や下の世代はその人の抱えている問題から自分たちが同じ事に遭遇したときの解決法を学べるなど問題の多角的分析や課題のマルチファクター化実証などが進むことにより、特定年代だけに留まらず関連年代での問題の可視化を進めていくことが本人たちの孤立や我慢を軽減出来ると思う。
今は外見が普通の人に見えても内側に何らかの問題を抱えている場合が多い。
特に、若い世代は人に頼る事に対してスムーズに出来る子と出来ない子が二極化しており、大人に比べてSOSを出しにくい傾向にある事を考えると、大人側が先回りした対応が求められることも少なくない。
しかしながら、多くの大人は社会を気にすることや周囲を気にすること、近所などの世間体を気にするなど社会で“正しい”と言われる基準で子供を育ててしまう傾向にあるため、子供の才能があったとしてもその部分の成長が遅くなるか、全く成長しなくなってしまう可能性があるのだ。
例えば、小さいときから何をやらせても出来てしまう子供ならその才能を伸ばしたいと思うのだが、親によっては“どう伸ばして良いのか分からない”や“うちの子が目立つと何かされるのではないか?”という心理が働きやすくなる。
そのため、スカウトを受けてもすぐに判断する事が難しく、決断を躊躇してしまう人が多い理由の1つがここから来ていると感じている。
これは日本における年功序列や競争社会が生んでしまった“優劣判断による自己評価”という個人が他者に評価されることが一般化したことで、その人の価値観も然る事ながら社会的基準に1人1人が照らされて、その基準に適合する人に対しては風当たりが弱いが、そうではない人には風当たりが強くなっていく。
そのため、幼少期から注目されてしまうと周囲の人からの見方も変わってしまうため、初期段階における子供のメンタルケアや他者比較の軽減などこれから本人が受ける可能性のある状況を事前にきちんと想定しておき、関係各所との密な連携が必要になると感じている。
なぜなら、幼少期から注目されるということは中長期的に考えると人格形成や精神発達のフェーズと子供たちの精神発達や加齢成長と活動などが同じ時代を並行することになる。
そのため、子供によっては環境に適応出来ずに挫折する事や想像以上のプレッシャーやバッシングなどによって精神的に追い詰められてしまうことも考えられるのだ。
そして、周囲の期待が強くなりすぎたことで“無理をしなくてはいけない”という焦りが生まれてしまう可能性や期待値以上の事が出来ないと今度は誹謗中傷や差別に繋がってしまうのだ。
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