第3話:なぜ、政治は若返らないのか? ②
次に“学歴など議員になるために必要なイメージ戦略の難しさ”だ。
これは若い世代の政治に対する興味を失わせている最大要因の1つだと思う。そして、今の中年層以上は“学歴”や“家系”などを全面に押し出しているだけではなく、メディアなどでも“東京大学卒”や“慶應義塾大学法学部卒”など議員の最終学歴などを公表する傾向にあるため、“仮に自分が立候補しても勝ち目がない”や“自分には学歴がない”と言って断念してしまう。
その他にも供託金制度など個人の経済力や社会的経済面(=社会的信用)などの高さを求められる傾向にあるため、政治に対する志が高くてもこれらの条件が弊害となって行動する事が出来ない、難しいと思う傾向があると思う。
今、若い人を議員として育てるには多くの課題はあるが、これらの課題が永続的に解決出来ないわけではないと思う。その理由として、今の若い世代はデジタルにかなり特化していることから、これまでと異なった視点から課題を洗い出して有権者に提案することも可能だろうし、選挙の演説手段もこれまでとは違った形も模索できるため、今まで選挙に対して興味を持てなかった若い世代にアピールするチャンスを持っている。
そのチャンスを活かして、これまで行われなかった新しい事にチャレンジしたいという人が増えて、その人と一緒にこういうことをしたいと思う若手候補も増えていくと思う。
そして、若い人への財政支援等を出来るように公職選挙法を改正し、若手議員が立候補する際にはスポンサーを募ることを認めないといけないと思う。なぜなら、若い世代に選挙に関与してもらうには経済的な面に加えて、その人の人脈や交友関係などを広げていける環境がないとベテラン候補に若手候補が勝てる環境は整わないし、今の状況では勝ち目を得るには経験値が少なすぎると思う。
例えば、ベテラン候補と若手候補の選挙を分けて実施してみてはどうだろうか?
今の選挙制度だと衆議院の場合、小選挙区・比例代表・最高裁判所国民審査が行われる。つまり、各選挙区で議席は1議席しか争えないことになるため、これでは前職候補が強くなってしまう。そこで、小選挙区①(一般枠)・小選挙区②(若者・女性枠)・最高裁判所国民審査といった感じで比例代表を廃止することで議席が2議席になり、幅広くチャンスの機会を増やすことも可能になる。そして、ベテランと棲み分けすることで一極集中型になることを避けることが出来る。
このように若い世代とベテラン世代のバランスを取らないと既存の国会構造は変わっていかないし、若者に政治が身近な存在にはなっていかないと思う。
次に“日本におけるアカデミック・ピラミッドの表面化”という理由が挙げられる。
これは“法律の知識がないといけない”・“経済について詳しくないといけない”・“良い大学を出ていないといけない”・“エリートしかなれない”など今の社会構造のように良い大学を出た一握りの人が上に立って活動できる、国会議員は“その分野を学習していて、その学習した分野のエリートがなるもの“という考えが若い世代に対して蔓延化しているのではないか?と危惧している。
確かに、過去の選挙を見ても候補者の最終学歴が東京大学などの有名国立校や慶應義塾大学などのマーチと言われる有名私立校など高学歴の方が多くを占めている。そして、そういう最終学歴を持っていて、候補者によっては元国会議員の息子さんや娘さん、現職の重鎮議員の息子さんやお孫さんなど“世襲”が絡んでいるケースも少なくない。その結果、若い世代にとって“自分が当選させたい候補がいてもそういう人が当選してしまうから無駄だ”や“どうせ若い世代の事なんか考えていないのでしょ?”など自分たちに何らかの得がないと1人では動けない人が多く、立候補に関しても“自分が責任を負いたくない”・“誹謗中傷やハラスメント行為を受けてまで何かしたいとは思えない”など自分が決定権を持つことで世間から恨まれるようなことをしたくないという価値観の現れだろう。
今の若い世代は“出来る人がやるべきだ”という考え方が多く、自分の力量を越えるような難しいことを避けてしまう傾向が多い。それが若い世代の政治離れを引き起こし、主張したいことを言いたいときに主張していくという合理的な考え方を誘発させる要因になっているのだと思う。
その他にも自分事として社会問題を理解していないため、「自分は今の生活に不満がないからいいや。」という人も多い。
政治が若返らない理由は大きくまとめるとこういう感じだと思う。
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