謎の波乱事件簿

@sorano_alice

第1話 合同合宿

 この学校は波乱の生徒がいると有名だ。この学校は各学年4クラスで構成されている。生徒はランダムだが生徒からの評価ではAクラスは正統派の生徒が多い。Bクラスは近寄り難い生徒が多い。Cクラスは人望が厚い生徒が多い。生徒会長はAクラスの柏木日華(かしわぎ ひゅうか)。

 AクラスとBクラスは夏ごろに一人を選んで特別課題に行っていた。そして今は秋。今回はCクラスとDクラスの物語。全学年のCクラス一名とDクラス一名は特別課題に行くことになる。それは各学年ではなく各クラスで決める。しかし課題内容は分からない。その生徒は課題の感想を最低ノルマ原稿用紙に5枚以上感想を書かなければならない。


 1、2,3年生が集まったCクラス勢。Cクラスではくじ引きによって公正に決めることになった。特別課題。見方によっては楽しいが、感想を書いたり後が大変だ。見方によっては凶である。くじ引きで決まったのは2年Cクラスの生徒、ベージュのロングの髪をした碧眼の彼女は神崎光(かんざき ひかり)。人望が厚い生徒が多いCクラスではあるがあくまで多いだけであり、光は友達はいるが特に人望が厚い生徒とは無関係だ。


 続いてDクラス、これはもう決まっているといってもいい。全学年のDクラスを掌握している3年生の生徒がいる。それは学級委員長まで手玉に取る相当のやり手でありDクラスには変な生徒が多い、というレッテルはこの人物によって張られたといってもいい。Dクラスの生徒たちは迷うことなく推薦し、Dクラスのその生徒も迷うことなく立候補した。Dクラスの他の生徒は安堵した。この人物がいない限り平穏が保たれるのだから。立候補した白髪ロングの黒いカチューシャを付けている彼女の名は成瀬美白(なるせ みしろ)。この人物は平気で嘘を吐くことができ成瀬美白がいるところ波乱あり、とまで言われている。美白は賭け事や金に欲が強くその手の話になると止まることを知らない。


 そして今回は他高校と合同課題合宿、内容を知っている教師陣。今回は光や美白がいる高校の先生が生徒を取り持つことになり、光の担任、見た目は光と似ていて子供のような先生だが立派な大人、柳原里海(やなぎはら りう)が受け持つこととなった。光のクラスは副担任がその期間柳原の変わりにクラスを受け持つ。


「はぁ…私が行くのね…Dクラス、もう出る生徒は確定しているようなものだけど何か波乱が起きなければいいけれど…起きたら全部私が責任取らされちゃうのよねぇ…」



 平日、普段の生徒は授業に、柳原、美白、光は学校玄関に集合した。


「まあ光は大丈夫だとして、美白」


「なんですかー、せんせー」


「前の課題の時もらしいけど変な行動は起こさないように、あと感想文。すっごーい楽しかった。を、すっごーーーーーーーーーーい楽しかったって、伸ばし棒でマス稼ぎするのは禁止よ!」


「美白はそんなことしてないよ」


 平然と嘘が吐ける、それが美白という人物だ。他高の生徒も二人ずつ。バスで目的地に出発し到着。着いた先には海。

 二人の生徒が先についていた。赤髪の短髪の生徒とロングの髪をした黒服の生徒。


「貴方たちは特別課題の?」


「はい、わたくしは3年1組、舞姫友利(まいひめ ともり)と申します」


 ロングの髪の少女は舞姫友利。


「歓迎するわ、あたしは3年2組の焔竜奈(ほむら りゅうな)よ、覚えておくといいわ」


 この生意気そうな赤髪の少女は焔竜奈。


「友利さんと竜奈さんね、私は今回の課題を受け持つことになった柳原里海よ」


「えっと、私は2年C組の神崎光です」


「ほら、携帯弄ってないで貴方も自己紹介しなさい、美白」


「美白?」


 ふと、友利がその言葉に美白を見つめる。


「あ、貴方は…」


「ん?おぉ、友利ちゃんじゃーん、おひさしー」


「え、貴方たち知り合い?」


「そうだよー、美白の金づるー」


「……貴方ねぇ」


「次は騙されませんよ、貴方がいるとは…何か嫌なことがおきそうですね」


「友利ちゃんは金持ちだからねー、あー、でも竜奈ちゃんのことは知らないよ、美白は成瀬美白、美白でいいよー」


「竜奈、警戒してください。絶対に美白さんの口車に乗せられてはいけませんよ」


「ふむ、姫の命令か、よかろう、聞いてやろう。しかしよろしく頼もうか、美白と光とやら」


 話していると短髪の黒髪とピンクの少女の二人組が姿を現した。


「あ、ここですね。あたし、2年2組の桜結美(さくら ゆいみ)です!」


 ピンクの生徒は桜結美。


「私は同じく2年2組の七宮蓮花(ななみや れんげ)です」


 黒髪の少女は七宮蓮花。


「おぉー、君は蓮花じゃないかー」


「あ、美白先輩」


「え、貴方たちも知り合い?」


「はい、私、美白先輩のファンです」


「やめておいた方がいいわ」


 6人の生徒と先生は終結した。


「では今から課題を発表するわね、三泊約72時間半潜水艦旅行よ」


「半潜水艦?」


「そうね、海中奥深くではなく浅くに潜水している潜水艦とでもいえばいいかしら、でも潜水の気分が楽しめるわ」


「えー、カジノとかじゃないのー?」


「さすが美白先輩、いいですねそれ!」


「何がいいのかわからないわ、あの船よ、乗りましょう」


 柳原達7人は船に乗る。


「意外に揺れてないねー」


「そうね、とりあえず部屋を決めたいわ、運転席に近い私の部屋、ここは管理室、管理室から順に部屋があるわ」


 管理室を辿っていくと奥へと平行に続く6つの部屋がある。


「ただ問題なのが管理室を0として最後の奥の部屋を6の部屋とするわ、3の部屋が3と4の間のトイレと3と2の間の食堂兼共有スペースに近いからうるさいわね」


「なら私が3の部屋にしますよ」


「いいのよ光、気を遣わなくても、希望の部屋はないかしら?」


「美白は一番奥の6の部屋がいいなー」


「貴方は私に最も近い1の部屋にしなさい」


「なんでー?うちにこと好きなのー?」


「貴方が何をしでかすかわからないから監視って意味でよ!」


「照れ隠ししなくていいのにー?好きなんでしょー?」


「もうわかったわよ、他に一番奥の6の部屋がいないなら美白は6の部屋ね」


「あ、なら私美白先輩の隣の5の部屋がいいです」


「他に希望者がいないなら蓮花は5の部屋ね」


「では、わたくしは4の部屋にしておきましょうか、美白さんを監視しておかなければいけませんからね」


「友利は分かってるわね、残るは二人」


「竜奈、貴方は馬鹿だから美白さんに一番遠い1の部屋にしなさい」


「ふむ、誉め言葉か、いいだろう、あたしは1の部屋にするぞ」


「竜奈が1ってことは結美はもう2の部屋しか残されてないけど」


「いいですよ、3の部屋は嫌でしたけど光さんが行ってくれたんで」


 部屋が決まった。


管理室から柳原里海

1部屋  焔竜奈

2部屋  桜結美

食堂兼フリースペース

3部屋  神崎光

トイレ

4部屋  舞姫友利

5部屋  七宮蓮花

6部屋  成瀬美白


 12時過ぎ、先生含め7人は食堂で昼食を終え各部屋へ戻った。


 管理室では成瀬美白という不安要素に耐えながら資料を整理していく。


 1部屋では、竜奈が魚を見ている。


「ほほう、自室から水槽のように魚が見れるのか、これは面白いぞ」


 2部屋では5部屋の蓮花と2部屋の結美が一緒に話していた。


「あの先輩すごい人なの?蓮花ちゃん」


「そうだよ、きっと美白先輩がいるから何か起きるよ、楽しみ」


 3部屋でも1部屋と同じように光は魚を見ていた。


「いいですね、でもどうせならもっと深いところまで見たかったですね」


 4部屋の友利は6部屋の美白の警戒を怠らない。


「絶対にあの方は何か起こすはずです、攻めて竜奈にだけでも被害は出させませんよ」


 5部屋の蓮花は2部屋にいるためいない。

 部屋には小型の机、椅子一つと病院においてありそうなベッドが一つ。各部屋に設置されている。


 6部屋の美白。小型の椅子に座る美白。


「魚かー、退屈だなー。なんかないかな。なら起こすか。さーて、今日にでもやってみるかー」


 美白は何かを企んでいる。

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