其ノ十 決闘…?

「嘘…。」

呆然と立ち尽くしてしまう。

なんで?ずっと味方だったのに。

「うぅ…。」

後ろで声が聞こえた。

「明っ!」

はっと我に帰り、明の方を見る。

明は…、男達に両腕を引っ張られて、身体が若干浮いていた。

明が、苦しそうに顔を歪める。

「⁉︎」

俺は怒りのままに鞘から刀を抜いた。


明を…苦しませるな!


いつもバカ言ってる明が、


泣き虫なくせして強がりな明が、


いつも笑ってる明が俺はっ!


「明を離せ!」

そしてあいつらに向かって走り出す。

もう周りが見えない。俺はもう明しか見ていなかった。


明。


明っ。


明っ!


「ストップ!」

後ろから大声がして、俺は驚いて立ち止まった。

その声の主は、和さんだ。

もう少しであいつに斬りかかれたのに!

「和さん!なんで止めるんですか!」

「落ち着け!」

その静かな力強い声に、一気に頭がクールダウンする。

「あの男たちに柊真君一人で勝てるわけがないよ!申し訳ないけど!」

そうだ。俺なんかが…一人で勝てるわけがない。

「僕も、戦う!」

そう言って、和さんは竹刀を取り出した。

「行くよ!」

「和さん、どっから竹刀持ってきたんですか。」

「その辺はいいの。気にするな。行くよ。」

「気になります。」

と言っている場合でもない。俺もつっこみが上滑りしている。

「行くよ!ゴー!」

そして、2人で男たちに斬りかかる!

しかし、

「「くっ…。」」

こっちは両手、あっちは片手で刀を持っているのに、力で負けてしまう。鍛え方が違うのか。

それに、明がいるから思い切り動けない。明を傷つけてしまう。

「「おらっ!」」

男たちが、まるで蚊を払いのけるかのように俺たちを押し返す。

「ぐはっ」

頭を打ち付ける。身体を動かせない。

「柊真っ!」

明が叫んだ。

「もう良いから…きゃ!」

明の短い悲鳴に、必死に頭を持ち上げて明を見る。

「…⁉︎」

明が床にうずくまっている。

男たちは、明から手を離していた。

「ったく、これからって時に呼び出しか。」

「ま、しゃーねー。」

そして、どこかに行ってしまう。

「明っ!」

痛む体を無理に動かして、明に駆け寄る。

「明…明っ!」

明の横で膝をついて、肩をゆする。

「柊真…。」

そして、明は起き上がり、

「柊真!」

泣きながら抱きついてきた。

「怖かったよぉ…。」

俺は頭を撫でる。

「ごめんな。」

明は、しばらくの間泣き止まなかった。










きなこもちです。(^^)/

まずは謝罪。ぜんっぜん更新しなくて本当にごめんなさいm(_ _)m

言い訳させてください。

最近多忙だったのと、書いてたら保存を忘れていて半分くらい消えたのが主な原因です。

あと、実は見切り発車でして。( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

また更新に1ヶ月かかるかもしれませんが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

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