68 憧れのススキ

 こんにちは。


 今日は中秋の名月。

 テレビの天気予報なんかでも、お団子とかススキとかを紹介していた。


 私は子供の頃、ススキなあこがれていた。

 

 変な話でしょ?


 でも、ススキが触れる場所が無かったのです。


 漫画とか、昔の絵とか、ドラマなんかでもススキとお団子と縁側とお月さま、みたいなセットが出てくるのだけれど、ススキを触ったことが無い。

 一度でいいから、心行くまで触ってみたかった。


 小さいころ持っていた本の中に、野山に生えている雑草で、工作をするという本があったのだけれど。


 それに、ススキで作ったフクロウが紹介されているだ。


 私は、それが一度でいいから作ってみたかった。

 憧れのススキで作ったフクロウ。


 ススキの代わりになりそうな、ほっそい雑草を集めて作ってみようと試みたりもしたのだけれど、長さとススキのホワホワ感が足りない。


 つくり方を図解していあるのだけれど、実際に同じものを使って作り始めて見ないと、分からないのだ。

 だから、そのページをもう何年も穴が開くほど見続けた。


 今思えば、ススキが手元にあっても、説明不足過ぎて出来なかった気がするのだけれど(笑)とりあえずススキさえあれば、フクロウが作れるのに……!といつも奥歯をギリっと噛んでいた(笑)


 関西にももちろんススキ分布しているのだけれど、子供が近寄っても良い場所にはまず生えていない。

 車で堤防だったり、車で通り過ぎるだけの山道だったり。


 親に言ったところで、ゴミでしかないので相手にされない。

 ススキへのあこがれが募ったなぁ……


 それから、どこかの展示でススキを見たのだけれど、本で見たような綿帽子がふさふさした状態では無くて、さらっさらでがっかりした気がする。

 たぶん、時期が早くて、花が咲いただけの状態だったのだろうと推測するのだけれど。


 実は未だに、ススキを触ったことが無い。


 もうフクロウを作りたいという情熱は無くなったのだけれど。

 こんなに簡単に叶いそうで、叶わない夢もあるのだな。

 (あと、潮干狩りに行ってみたいという夢とか、霜をザリザリ音をさせながら踏んでみたいとか別バージョンもある。潮干狩りというレジャーが東京近郊のレジャーだと、子供は知らないので、国民的アニメを春に見るたびに、行きたいなぁと思っていた)


 そういえば、あの本にはオナモミも載っていた。

 豆にイガイガが生えたような見た目の、ひっつき虫。


 私が小さいころは、オナモミは珍しいとは言え、まだに時々目にすることはあったのだけれど、早い段階で近畿からは絶滅してしまった。

 本ではそれで福笑いのような事をしていたんだったかなぁ?追いかけっこだったかなぁ?

 でも、その本が今出てきたとしても、オナモミも無いのでそれも出来ない。


 その本が出版されたと思われる時代とは、明らかに違う時代になったんだなぁと。

 

 他にもタンポポの茎で小さい水車を作って小川で回す……みたいなのも有った気がするけれど、小川がないもんなぁ……


 今出版されるなら、キャンプに行った時にやってみよ!みたいな編集になるのだろうか。

 

 

 あー、ほんと、遠くまでやって来たもんだ。



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