10 ソレイユと、来夢来人と、力餅食堂
こんにちは。
最近、ちゃんと続きを書こうと「メイシア」を書いているのだけれど、私は本当に命名が適当だな、と思う。
「ひぃちゃん、つれづれ」の時だってそうだ。
本当の名前を出すわけにもいかないから、みんな適当に瞬発的に名前を付けた。
コンちゃんは作中でも書いたけど、体育の時にバドミントンのシャトルが目に当たって、目の中でコンタクトレンズが割れたことが印象的だったからだし、
リンダは、在宅中にお腹が痛くて苦しんでいる時、助けを求める為に両親に電話をしても、両親がリンダリンダを大音量でカラオケしながら踊っていて気が付いてもらえなかったエピソードに由来するし(林田さんでは無かった衝撃の事実・笑)、
ゴータマ先生は、宗教の先生で、自身もゴータマ・シッダールタ(お釈迦さま)の名前をもじって名乗って居たりしていたからだし、
オハナさんは、ハワイや沖縄が舞台の世界的有名アニメーション会社の、いい子になるために頑張っている青い宇宙生物のお話からもらったし。
私はどうでもいいとは言わないけれど、凝り過ぎた名前はダサいな、と思っていて、それが如実に出ているというか。
端的に言うと、喫茶店の名前はすべて「ソレイユ」でいいと思っているし、スナックは「
(三○健太郎さんの「イシドロ」とかシビレる!)
幼女が動物につけたがる名前は「メリー」だし、世界を救うのなら救世主だからメシア。だからメイシアでいいか。
物語に絡んでこない名前エピソードなのに、凝り過ぎた名前を付けて、その立派な名前に見合わないしょぼいお話だったら本当にダサい。
名前考えるんじゃなくて、物語を面白くすることを考えろよって言われてそうでヒリヒリする。
物語に絡んでくる名前なら、絶対に慎重につけないといけないけれど。
物語には、ある程度「記号」にしないといけないところがあって、名前もそう。
名前は記号だ。
読むであろう現代の日本人がボブと聞いたら、どういう人を想像するか、マシューと聞いたらどんな人を想像するか、ロッテンマイヤーなんて聞いたら世代が違ってもふわっと感じる何かがある。
そういう俳句の季語の様に、読み手に任せる部分も必要だと思っているのだ。
人物の名前然り、物の名前、土地の名前。名付けられるものは全部。
逆に記号として使うかどうか、悩むところが「父親」「母親」だなぁと、最近しみじみ思っている。
そう思ったのは、最近、嵐を呼ぶ幼稚園児の大人帝国のアレをちゃんと見直したからだ。
物語を読むとき、主人公の「父親」「母親」という記号でしか表現しないことがある。
主人公が女子高生の「父親」だったら、少し厳格な描写をすれば、後は大体読み手が想像してくれる。
そこに個性は無い。
どんな家庭で育って、どんな父親と母親と、どんなコミュニケーションをとって、どんな恋愛をして、青春時代を過ごしてきた人物であるのか、という事が全て「開けても真っ白な世界にしかつながらないドア」みたいな感じで空白のまま、それに違和感も覚えないでお話を読む。
友達の両親だってそうだ。
姉弟の場合は、どこの学校に行っていて、とか、もう結婚して家を出ているとか、ある程度の情報をこちらからも聞く機会があるのだけれど。
でも、それは物語の大筋にスポットライトを当てる為には必要な事だからそうしている。
その記号として用いられることが自然である「父親」「母親」をすごく上手にあの作品は書いているなぁと思ったのだ。
私もその親の通ってきた青春や思い出の日々や「犠牲」の上に、今の生活があるという事を……なんとなく気がついてはいたのだけれど、気が付かないように、深く考えないように、見ないようにしていたのに、その事実で思いっきり殴られた。
私が尊敬するラノベ作家さんが、先輩作家さんにいわれた言葉。
「キャラクターを不幸にする場合、どうしてそうなったのか、真剣に考えないといけないよ」(だいたいこんな感じだったと思う)という言葉を何度も反芻している。
主人公の両親が亡くなっていて、両親の兄弟が預かって育てている。
物語の中ではあるのだけれど、人ひとりを不幸にするという事。
その不幸な過去という「記号」で終わらせてはいけないのだ。
それぞれどのように思考して、どんな人と関わって、という個々の物語が必ずある。
その上でキャラクターは生きている。
「記号」にするべきことと「記号」で終わらせてはいけない事を、物語を書くものは見極めて書かないといけないんだな、とそんな事を思っている。
まぁ、私も早く続き書かないとなぁ。
こんな事書いていないで。
はい。
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