8 去年の夏と言い訳

 突然夏がやって来た。

 昨日から、ガラッと空気が入れ替わったみたいに、セミも本格的に鳴いたりして、夏になってしまった。

 あぁ、そうか17日だもんな、本当なら祇園祭の前祭さきまつりだもんな、とそんな事を思っていた。


 去年私は春あたりから、ずっと家に籠って布マスクを作っていた。

 コロナのせいでマスクが不足して大変だった時期だ。


 需要があるのはそうなのだけれど、私がお世話になっていて、しかも私自身が大好きな雑貨屋さんが大阪にあるのだれど、コロナの影響で客足が遠のき、なかなか大変事態だったので(大阪は早い段階から感染者も多かったし)マスクが無くて困っている人を救済したいという思いは、有ったのはあったのだけけれど、それは二の次で、一番はそのお店を存続させたいという思いで、いち早くマスクを作り始めた。


 もともと私は物心ついた時から手芸が大好きで、保育園の時におもちゃのミシンを買ってもらい、フエルトで色々作っていた。

 小学校の頃には、近くのミシン屋さんで教室をやっていたので、通ってバッグを作ったりしていたし、高校も和裁洋裁編み物と専攻をとったり、そうでなくても自分であれこれ作ったりして、まぁまぁ手芸にまみれた人生を送っているのだけれど。


 やっとそのスキルを活かす時が来たのだ(笑)


 一週間で60枚程度は毎週作っていただろうか。(すぐ売り切れるだからすごいな……)

 こんなにも同じものを繰り返し作るという事は手芸好きでもなかなかない経験で、同じものを繰り返し作ると言いう事がどれだけシンプルにスキルの底上げをするのかという事を勉強できた。

 なんでも上達するには同じことを繰り返すのが大切なんだな、と。


 まぁ、それはいい。置いといて。


 そのお店で私と、もう一人の作家さんのマスクがかなりの戦力であることは自分でも理解していたし(その後アマビエグッズなどで、戦力は分散したのだけれど)、とにかくがむしゃらに作った。

 だって一日で頑張って6~7枚程度。それをたくさん同時に作ることでもう少し作業効率を上げて、ものすっごく頑張って1週間に60枚程度なのだ。(それプラス知り合いに配るように作ったり、無料配布の型紙を書いたり、裁縫が苦手な人でも作れるように動画も作って公開した)

 裁断・しつけ・ミシン・アイロン。

 売り物だから形命だから、とにかく丁寧に作業の合間は全部アイロンが入るくらいアイロン。

 夏場に。

 マスクをつけて。

 アイロン。


 そんなこんなで、結局メイシアの続きを書きたいと思っていたのだけれど、書けなかった。


 物語を書き始めると、どちらが現実の世界であるかは、ちゃんと認識しているものの、頭がそっちの世界で生活をしているから、脳が覚醒して眠れなくなるし、日常生活もポンコツになるし、本当に大変なのだ。


 やっと布マスクの事や、他も……まぁ、少し時間が出来たので、後ろめたい気持ちを晴らすべく……、ずっと小学生の8月31日のような感覚だったので、重い腰を上げてメイシアの続きを書くことにした。


 それでも私はまだその雑貨屋さんのイベントがあるので、それに向けて簡単なものは作るつもりなんだけど……


 メイシアの更新が大幅に途切れたら、あー、またなんか作ってんな、と思ってください。


 あぁ、本当に夏だなぁ。

 私は一体何をしているんだろうなぁ……



 ということで、虹の国のメイシア2の連載を再開します。

 宜しくお願いします。

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