4 夢と歯状回とお別れ
こんにちは。
夢とは変なものだ。
変な夢を見た、とか、もともと変であるから当たり前の話なんだけど。
私は時々、ずっと忘れられないようなストーリー性のある夢を見る。
例えば、
感情の無いアンドロイドの女の子とを生活をしていて、なんやかんやあって(書くと長いので)最終的に彼女に命を助けてもらい、彼女が死んでいく夢。
今でも思い出すと、夢の中の当事者だからリアルな感情を思い出して泣いてしまう。
彼女に生きていてほしかった。
ある時は、「カブトムシのエレメンツ」とかいう何かを争奪しての、なんやかんやの大冒険。
なんか、カブトムシのエレメンツを手にしたものが世界を手中に収められるらしかった。
私が世界を治めたいわけでは無かったけれど、私が一番信用できたから、悪用するやつらには渡したくなかった。
そんなかんじで、アニメや映画的な内容。
今日の夢もそうだった。
ロトというドブネズミの女の子が、間違って勇者にされてしまう夢だった。
間違えたのはお告げを受けた魔女で、本当は眠り姫を勇者にするはずだったのだが、良く寝ていることで有名なロトを間違えて勇者に。
ドブネズミだから、そこからが大変で……嫉妬をした眠り姫が悪になるという……という内容。
疲れた……
こういう夢を見た後は、たいてい大泣きして起きるから疲れる。
またまたひぃちゃんの話で恐縮だけれど、内容が薄いから、あっちには書けなかった。
だって、誰の夢のお話もつまらないものでしょ?
(わかってて書いてる)
ひぃちゃんが亡くなって一か月半くらいたったころだった。
私はひぃちゃんの夢を見た。
シェアハウスのような、大学のような建物の中にいるのだけれど、どうやらそこはいつかは分からないけれど過去なのだ。
多分十~十五年ほど前。
そして私は、誰かと約束をして、現在からその時代の私の中に入れさせてもらっていて、現在の記憶がある状態なのだけど(体は子供、頭脳は大人!のあれ状態)絶対に知っている未来の話をしてはいけないという事になっていた。
大学の調理実習室のような部屋の、白い壁に白い扉を見つけて、
「あそこから入れば私の自宅だ。」となぜか思っていた。
扉を開けると玄関からリビングダイニングらしい場所への明るい廊下で、リビングダイニングは、どうやらシェアハウスの住人の共同スペースのようだった。
大きなテーブルがあって、そこに白衣を着たひぃちゃんが座っていた。
私は、駆け寄って抱き付いて泣いてしまった。
ひぃちゃんは、最近は私の事をあーちゃんと同じでSNSのハンドルネームで呼んでいたのだけど(リアルでもその名前で呼ばれるし、もう普通のあだ名になっている)、その時は学生時代のように苗字の呼び捨てだった。
「どうしたん?○○(私の苗字)」っていって驚いていた。
夢の中で、ひぃちゃんから見ても私は私だったようだ。
あー、久しぶりに声を聴くな、と思った。
そして、このままだと2021年に死んでしまうから、どうにかしようという話を、
どうにかできなくても、2020年からコロナで何もできなくなってしまうから、それまでの間にやりたいことをやりつくそうって言いたかった。
でも、私をこの世界に連れて来てくれた誰かとの約束があるから、未来の事はいえなくて、ただずっと泣いているという夢だった。
もし、あれくらいの、そうだな、せめて三人で遊び始めた2016年ころから、タイムリミットが分かったいたなら、何か変わったのだろうか。
もし分かっていたとしても、何も変わらないのだから、考えても仕方がない事なのだ。
私の脳は一体何を私にさせたかったんだろう。
海馬の中に
そこに糸のような形で具現化された記憶それぞれが、唯一のいびつなルートで歯状回に繋がり、それが一つの「記憶」として脳が仮止めをする。
それを睡眠などによって、大脳へ移され「記憶」として蓄積されていくらしい。
その日、私のひぃちゃんの記憶は海馬から大脳へと移動してファイルリングされたのだろうか。
遠くへ移動するお別れだったんだろうか。
まだもう少しは、近い記憶として残っていてほしいな、となんとなく思う。
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