涙を見られてはいけない

長月そら葉

第1話 幼い頃のわたし

 わたしは、幼い頃から人見知りしない子どもでした。

 父は転勤族でした。3~4年に一度くらいの割合で転勤を繰り返し、その度に家族ごと引っ越していました。


 ですから、わたしには『出身地』や『故郷』と呼ぶべき場所がありません。よく「出身は何処?」という質問がありますが、わたしはいつも「生まれたのは○○で、色々育ち」と答えます。10か所程転々としていると、そう答えるより他なくなるんです(笑)


 そんな暮らしですから、人見知りしないというのは長所でした。

 幼稚園には年長さんの1年しか通っていません。入った初日、最初こそ親と離れることを不安に思ったかもしれませんが、すぐに友だちが出来て先生に驚かれた様に覚えています。ふんわりですが。


 小学校は2つ、中学校も2つ通いました。主にこのエッセイの軸となるお話は、2つ目の中学校前半でのお話となります。


 1年生の9月後半、夏休みですらない時期に転校しました。土日を挟んだだけの慌ただしい引っ越しで、準備の期間はあまりなかったように思います。

 それでも月曜日から新しい学校に通い始め、そこでわたしの人生は(おそらく)変わりました。

 変わったという表現が間違いなら、暗さが増したと言いましょうか。


 あまり、楽しい話ではありません。これは、わたしのいじめ体験記でもあります。

 それをご承知の上で、読んで頂ければと思います。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る