決勝戦①
決勝戦
隋・唐 vs オスマン朝
①個人戦・武術
実況「改めて紹介します。隋・唐からは、尉遅敬徳とも互角に戦った秦淑宝。14歳にして鎧を重ね着 (鎧もまともに着られていないのにと上官に言われて)して活躍した羅士信。屈突が姓です、隋と唐を渡り歩き、武名で馳せた屈突通の三人です!」
司馬遷「この時代の中国は武勇に秀でた表記が多いから、入れやすいんだよな…」
ハルドゥーン「このイメージで個人戦・武術を作った結果、東洋しか勝たん的な感じになってしまった」
実況「一方のオスマン朝は準決勝第五戦のメンバーがそのまま出てきました。開祖オルハンの父親と祖父ということでエルトゥールルとスレイマン・シャー、あと、特に強いエピソードはないですがバヤジッド2世です!」
ヘロドトス「全員、別に強いエピソードないんだよな…。エルトゥールルは騎馬兵のリーダーだったから強かったんじゃないかくらいで」
ハルドゥーン「このメンバーだとハンデは12だろうな」
秦淑宝「もっと欲しいがなあ」
司馬遷「12あって負けたらもう仕方ないだろ。はい、まずは17-16」
ハルドゥーン「差が13に広がった。二回目は、9-1。この時点で隋・唐の勝利だ」
実況「意味はないですが3回目も振って7-8でした。決勝・一回戦。まずは予想通り隋・唐が盤石の勝利を収めました!」
②幸運王
実況「オスマンは今回が4回目、準決勝でチームを勝利に導いたヒュッレム・スルタンが出てきました。一方の唐も前回同様、高祖李淵です」
ハルドゥーン「日本シリーズだと二戦目が大切なんて話があるけれど、二戦目に本当に運だけで決まるシステムが入ってくるとはね」
実況「戦いの前に両者に今の心境を聞いてみましょう。まずは李淵さんです。どうでしょうか?」
李淵「私はのるかそるかの反乱も起こしたし、ジャンケンなど恐れることはないよ」
実況「なるほど。続いてヒュッレム・スルタンさんです」
ヒュッレム・スルタン「私も、ハーレムの多数の人間の中から選ばれた幸運を信じるのみですわ」
実況「ありがとうございました。それでは行きますよ! はい!」
二人「最初はグー! ジャンケン、ポン!」
李淵:グー
ヒュッレム・スルタン:パー
ハルドゥーン「オスマンの勝利だ!」
ヘロドトス「二戦目ですぐに五分に戻した!」
実況「一戦目を落としたオスマン、ここを取らないと厳しいと思われていたジャンケンを見事モノにしました! 1勝1敗の五分で三戦目を迎えます!」
③個人戦・武術
実況「三戦目です! 隋・唐からは、勇猛エピソードは少ないけれど歴戦の雄程知節。皇帝一家の中で武術を磨いていた…というより武術馬鹿ぽいエピソードのある李元吉。最後に隋で弓の名手ならこの人賀若弼です!」
司馬遷「ここもまた相当なメンバーだ」
実況「一方のオスマン朝ですが、東ローマ皇帝の一族からオスマンの大宰相に上り詰めたムハンマド・パシャ・アンゲロビッチ、前線で戦った逸話の多いイスハク・ベイ、スレイマンの親友だから何となく強そうパルガル・イブラヒム・パシャです!」
ヘロドトス「何となく強そうって…」
ハルドゥーン「オスマンも一戦目よりはマシな人選だが、やはり隋・唐が上だろう。ハンデは7ということで」
実況「まず一回目。4-1です」
司馬遷「しょぼっ! とりあえず差が10になった」
実況「二回目は11-3です」
ハルドゥーン「オスマン、武術系の目がさっぱりだな」
実況「最後は13-17。ハンデ関係なく隋・唐が勝利しました!」
ヘロドトス「これで隋・唐が二勝一敗か」
④攻城戦
実況「四戦目。攻城戦の舞台は潼関です。三国志でも出てくる戦場ですが、唐の時代には安史の乱で戦場となりました。この時は安禄山軍を高仙芝が迎え撃ちましたが、監視役に賄賂を出さず讒言されて処刑されてしまい、指揮官を失くした守備側が壊滅したという歴史がある場所です」
ヘロドトス「隋・唐、縁起がよくないがここで良かったのか?」
実況「唐からは太祖・李淵。そして安禄山の反乱で活躍した郭子儀と李光弼が登録メンバーです」
司馬遷「李光弼は安史の乱を平定したところまでは良かったが、その後皇帝に疑われることを恐れて完全にひきこもってしまったんだよな。一方の郭子儀は位人臣を極めて終わりも全うしている」
ヘロドトス「郭子儀の息子は皇帝の娘を嫁にしたが、ある日喧嘩して『親父がいなければお前の父親は皇帝なんかなっていないんだぞ』と言ったらしい。それで娘が皇帝にチクったら、皇帝が『その通りだ。おまえが悪いんだぞ』と答えた話が有名だな。対照的な晩年を送った二人だが共に名将ということは変わりない」
実況「一方のオスマン朝、スレイマン1世、メフメト2世、ソコルル・メフメト・パシャの三人です」
ハルドゥーン「メフメト2世は紹介のところでも述べたようにコンスタンティノープルを陥落させてビザンツを滅亡させた征服王だ。攻城にこれほど適した人はいないだろう。スレイマン1世はオスマン最強の君主であり、その後の時代を支えたのがソコルル・メフメト・パシャだ。レパントの対戦で敗戦した後に、すぐに艦隊を再編させて地中海での主導権を失わなかった逸話が有名だね」
実況「さて、試合が始まりました」
メフメト2世「昨夜、この関を落とす夢を見た…」
ヘロドトス「ほう。夢見で兵の士気をあげようという戦法か」
メフメト2世「その過程には裏切った奴が大勢いた。いいか? あいつらの金銀には気をつけろ。トルコの恩を忘れるな。忘恩の輩は…こうなると思え」
実況「メフメト2世、枕をボロボロにしました! 枕はいい迷惑ですが、兵は震えあがって目的は達成したようです」
司馬遷「オスマンのスルタンの所有物って何でも金や宝石凝らすが、枕カバーもすごいな」
実況「宝石ちりばめたカバーつきのクルアーンなんて重くて読みにくそうですよね」
李淵「いいか。我々は長安を守り抜くためにこの関を守らねばならん!」
唐兵「おおー!」
房玄齢「陛下。気合入っているところすみませんが、こんなものが…」
李淵「何だ? こっ! これは、遊んでいた女からの告発状!」
司馬遷「何ぃ!? 確かに李淵の挙兵理由には女絡みのものもあったはずだが」
実況「まさかの総大将のスキャンダル! 唐兵の士気がマントルに届くほど落ちてしまっています!」
司馬遷「女好きを戦の総大将にしたらいけないな」
ヘロドトス「だからといって酒とかギャンブル好きならいいというものでもないが」
スレイマン1世「相手は士気が低いな。ウルバン砲を持て!」
実況「来ました! コンスタンティノープルの城壁にも有効だったウルバン砲! 今回の時代背景に合わせて潼関も補強されていますが」
スレイマン1世「オン、ファイアー!」
実況「効いています! こんな感じで撃たれたら城壁は溜まったものではありません」
李光弼「後の時代には大砲に合わせて、城壁は高さ重視から深さ重視へと変容していったからな。高さをキープしている以上、衝撃に対する反動がきつい」
司馬遷「このままだと落ちるのは時間の問題だぞ。城内からも攻撃しないと」
郭子儀「我々も大砲を撃て!」
実況「遅まきながら、城兵も大砲を撃っています! どうでもいいのですが、『じょうへい』と入れると襄平と出てくるあたり、三国志の影響はたいしたものです」
司馬遷「房玄齢が予測変換に入っているのに、杜如海が入っていないのも不思議だ」
ソコルル・メフメト・パシャ「構うな。我々も打ち続けろ!」
ヘロドトス「オスマンは多少の被害をものともせずに撃ち続けているな」
ハルドゥーン「撃つペースが圧倒的にオスマンの方が上だしね」
郭子儀「何をモタモタ撃っているのだ!?」
唐兵「しかし将軍。弾も重いし、持ち上げるのが大変で…」
実況「確かにそうです! 高い潼関の城壁の上まで弾を持ってあがるのは一苦労。一方のオスマン軍は素早く補給ができます!」
郭子儀「このままでは…」
司馬遷「負けだな」
実況「オスマン朝、第四戦に勝利! 二勝二敗のタイにもちこみました!」
×隋・唐 (1-4-3) vs オスマン (13-13-19)○
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