準々決勝・結果

十七日目・第1、2試合

第一試合

カペー・ブルボン朝 vs 隋・唐

①動物王

実況「ルイ14世が出てきました。何やら見ない動物を連れています」


ルイ14世「ボンジュール! カペー~ブルボン朝の動物はこれだ!」


実況「えっと、大きなオオカミに見えるのですが、それは一体何ですか?」


ルイ14世「これは、我がフランスが誇るジェヴォーダンの獣だ!」


ヘロドトス「ジェヴォーダンの獣! 18世紀の4年間に88人とも136人とも呼ばれる死者を出したという、事実なら人類史上最大の獣害事件か!」


ルイ14世「我々は巨大なオオカミ説に立つことにした。オオカミ王ロボをもう少し大きくして、更に狂暴にしたような奴だろうと。それがこれだ!」


ハルドゥーン「な、なるほど…」


実況「…評価が難しいので、次は隋・唐に行きましょう」


李世民「我々はこれだ!」


司馬遷「これは唐三彩だな」


李世民「唐三彩には多様な動物をかたどられていた。ライオン、虎、馬、ラクダ、羊、牛などだ。我々はこれを使おうと思う」


ハルドゥーン「…分からないではないんだが、ベスト16のアケメネス朝と東漢戦のような感動はないなぁ」


実況「ハンデはなしということで判定しましょうか。2-5で隋・唐の勝利です!」


司馬遷「サイコロも感動が少ないのか低い数字だったな…。まあ、内容はどうあれ隋・唐が先勝だ」


②海戦 (ホーム:カペー朝)

実況「後がなくなったカペー・ブルボン朝からはフランソワ・ジョゼフ・ポール、アンヌ・アントワーヌ・ダシェ、ロラン=ミシェル・バラン・ド・ラ・ガリソニエールの三人です」


司馬遷「ちょっとパッとしないな」


ハルドゥーン「ラ・ガリソニエールは結構凄いんじゃない? 負けた英軍提督が銃殺刑になったし」


ヘロドトス「相手提督が銃殺刑になるほど怠慢だったから勝てたとも考えられるのだが…」


実況「一方の隋・唐ですが、薛仁貴、劉仁軌、蘇定方の三人です」


司馬遷「全員、朝鮮方面に赴任していた者達だな」


ハルドゥーン「劉仁軌は白村江の戦いで唐軍を指揮していた人だね」


ヘロドトス「海軍ということもあってか、華やかな面々ではないけれど、質実剛健という感じはあるな」


実況「戦場はフランス海軍にとって珍しく華々しい勝利を収めているメノルカ島近辺となりました。地中海の真ん中、マジョルカ島の北東の島ですね。小さな島ですが、東にマオー・マオンという町があり、ここを占領したら勝ちとなります」


ハルドゥーン「マオー・マオン港を占領するか、西から上陸して陸を駆けていくかだね」


蘇定方「ふ~、遠い」


実況「唐の海軍が到着しました」


蘇定方「しかし、最近の艦船は安定するねぇ。地中海を長く航海しても全然揺らがない」


実況「造船技術は18世紀中ほどという設定となっております」


蘇定方「あれがマオー・マオンか。早めに占領して…むっ」


ヘロドトス「フランス軍が現れたぞ! あれはアントワーヌ・ダシェの艦隊だ」


蘇定方「撃て! 撃て!」


実況「両軍、遭遇戦となったようで激しく戦闘しております。あ、しかし、北の方から別のフランス艦が」


ラ・ガリソニエール「む? 戦闘が行われている! 応援しろ!」


蘇定方「回り込まれていた、だと?」


実況「これはフランス軍にラッキー、挟み撃ちになる恰好になりました!」


劉仁軌「いかん! 応援に行かねば!」


司馬遷「劉仁軌隊が応援に来たぞ」


ハルドゥーン「だけど、随分艦隊数が少なくない?」


司馬遷「劉仁軌は物言いがきついため、左遷されたりして中々出世できないのだ。それでも白村江には勝ったのだが」


実況「艦船数で劣る劉仁軌軍、ラ・ガリソニエール隊を回り込むように攻撃します!」


ラ・ガリソニエール「そうはいかぬわ!」


実況「しかし、ラ・ガリソニエール隊の動きは早い! さすがにイングランド艦隊に完勝しただけのことはあります!」


蘇定方「おのれぇ…」


司馬遷「かなり被害を出してしまったな。マオー・マオンをいきなり占領するのは難しいかもしれない」


ヘロドトス「西側から薛仁貴が上陸できるかどうかだが…むっ?」


司馬遷「先ほどから降ってきた雨が強くなってきたな」


ハルドゥーン「本当だ。荒れてきたね。この中を進むのは厳しそうだ。となると、ここまでの判定でカペー・ブルボン朝の勝利かな?」


ヘロドトス「ド・グラスも陸に停泊してしまっているな。ちょっと油断しすぎな気もするが、この風雨だと隋・唐も動けぬか」


薛仁貴「馬鹿なことを! 国家の危急の時に、どうして死を恐れようか!?」


実況「おーっと、薛仁貴、荒波をものともせずに進んでいきます! 波が甲板上に打ち上げ、腰のあたりまで浸かってしまっていますが、全く怯む様子がない!」


ド・グラス「ク、クレイジー!」


薛仁貴「占領したぞ!」


司馬遷「薛仁貴が西側を占領した! これで陸からマオー・マオンを目指せる!」


薛仁貴「撃てぇ!」


実況「薛仁貴、次々と銃を取り換えて撃っていますが、物凄い命中率です!」


司馬遷「実際には弓矢の名手だった」


ド・グラス「これは敵わない!」


実況「ド・グラス、完全に撤退しました! 薛仁貴が東側に進んでいきます」


ラ・ガリソニエール「えーっ? 西から?」


蘇定方「我々も負けてられんぞ!」


実況「体制を立て直した蘇定方と劉仁軌の二人も反撃を開始。これはカペー・ブルボン朝軍、どうにもならない!」


ハルドゥーン「序盤の劣勢を立て直した隋・唐が逆転勝利だ!」

カペー・ブルボン朝 (19-20-3) vs 隋・唐 (13-19-12)


実況「隋・唐、ベスト4進出決定です!」



第二試合

バルト帝国 vs ビザンツ帝国

①女王・武

実況「ベスト8ではありますが、さすがに女性の武術エピソードはあまりありません。ということで、両国とも一人ずつです」


司馬遷「こういうのが沢山いる国ってどこなんだろうな。日本は大勢いるか」


実況「そうですね。さて、ビザンツ帝国からはついに登場テオドラさんです!


ハルドゥーン「武力? というと疑問はあるけれど、断固たる意志がある人だ」


テオドラ「陛下。今、できましたわ。ダンコたる決意っていうのが。あいつらを皆殺しにしなさい!」


司馬遷「全然感動しない…」


実況「一方のスウェーデン・バルト帝国からはクリスティーナ・ユレンシェーナです! 夫の小ステン・ステューレがデンマークに負けて戦死した後、ストックホルムで抵抗してデンマークの支配を阻止しようとした人です!」


ハルドゥーン「おお、ガチなのが残っていた」


司馬遷「だが、この人物もバルト帝国より大分以前のような気もするが、まあ、同じヴァーサ朝にかぶる人だしいいってことなのか」


クリスティーナ・ユレンシェーナ「スウェーデンに勝とうなどというものは、絶対に許さない。あの王位は私のもの…」


ハルドゥーン「結局王家はヴァーサ家に取られたんだけどね」


テオドラ「えっ、ガチで武器もっているの? 話が違うくない?」


実況「テオドラさん、及び腰です。断固たる決意だけでは、槍を相手にはできません」


バコーン!


テオドラ「ひぇー!」


実況「バルト帝国が先勝です!」

○バルト帝国 (17) vs ビザンツ帝国 (3)×


②料理王

実況「さて、第二戦は料理王ですが…!?」


ハルドゥーン「ぐわぁぁぁっ、な、何だ!?」


ヘロドトス「ぐえーっ!」


実況「な、何なのでしょう…とんでもない臭いが会場に…」


司馬遷「マリア・エレオノーラがまた何かやらかしたのか!?」


実況「ち、違います…。バルト帝国の関係者が…、シュールストレミングを持ち込んでいました……、は、早く…防護マスクを」


司馬遷「駄目だ…遠くて行けそうにない……」


ハルドゥーン「こんな形で、死んでしまうのか……?」

×バルト帝国 (8) vs ビザンツ帝国 (16)○


③女王・文

実況「ぜえ、ぜえ。い、一勝一敗で迎えた第三戦です。女性の学術ということで」


クリスティーナ「さっきはごめんねぇ。おもむろにシュールストレミング出したら受けると思ったんだけどぉ」


ヘロドトス「室内でいきなりシュールストレミング出す奴があるか」


司馬遷「母親もヤバかったが、娘もかなりかっ飛んでいるな」


クリスティーナ「ということで、バルト帝国からは、あたしクリスティーナと、初の女性外交官カタリナ・ストピア、最初の薬剤師のマリア・ダウエアーの三人ということで」


ハルドゥーン「スウェーデン、今もだけど、昔も女性が幅広く活躍しているね」


クリスティーナ「うーん、やっぱり人口が少ないから、優秀な女性も使わないことには国が回らなかったのかもね。男共は戦争に行って死んでくるわけだし」


司馬遷「本音過ぎる」


アンナ・コムネナ「…さすがに我がビザンツとベスト4を競うだけの国だけのことはありますわ…」


ヘロドトス「おおお、ビザンツの女性リーダーのアンナ・コムネナだ」


アンナ・コムネナ「テオドラ様は度胸だけは素晴らしいですが、ビザンツの知識人女性と言えば文学から神学、自然科学に音楽も極めたこの私に決まっています」


ヘロドトス「さりげなくテオドラをディスっている気がする」


ハルドゥーン「否定できないけどね」


アンナ・コムネナ「メンバーは、聖像破壊なんてさせないエイレーネー、作曲家・作詞家カッシアの三人です」


ヘロドトス「何だかハイレベルな戦いになりそうだ」


二時間経過


実況「判定は圧倒的にスウェーデン・バルト帝国。ベスト4進出です!」


司馬遷「やはり女性勝負ではスウェーデンは強かった」


アンナ・コムネナ「くっ…、これは私達の実力ではありません。この室内に残っている異臭のせいですわ!」


実況「全く否定はできませんが、負けは負けですし」


テオドラ「そんなこと言いながら実況席でまだマスクをつけているじゃないの! こっち降りてきてから、負けは負けですとか言いなさいよ!」


クリスティーナ「あたし達は平気だよ?」

バルト帝国 (12-12-12) vs ビザンツ帝国 (7-2-11)

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