十五日目・第4~8試合
第四試合
共和政ローマ vs ビザンツ帝国
①女王・文
実況「共和政ローマ、ここは一人を希望。一方のビザンツは三人希望です」
ヘロドトス「共和政は家父長制が強いから、女性系は厳しいか…」
実況「5-17でビザンツが勝利しました。三人での対戦です」
ハルドゥーン「この後に武もあるのにビザンツは余裕過ぎるな」
司馬遷「次の対戦予定のバルト帝国は武と文に一人ずつだが、準決勝は隋・唐もフランスもまだ余裕がありそうには思うが」
ヘロドトス「ともあれ、共和政ローマはどうする?」
実況「共和政ローマからは、オクタヴィア、ホルテンシア、クローディアの三人です」
ヘロドトス「オクタヴィアヌスの姉に、民会での演説役と、あとはカトゥルスにレズビアとたたえられた女性の三人か。一応体裁は整えてきたな。さすがローマ」
実況「一方のビザンツですが、ヒュパティア、アエデシア、アナスタシアです」
ハルドゥーン「ヒュパティアとあとはキリスト教の聖女二人か」
司馬遷「この中だとヒュパティアの評価が高いな。哲学に天文・数学もOKというのは大きい」
ハルドゥーン「ハンデとしては合計でビザンツに5かな」
実況「ということで、判定です。共和政ローマは11-4-3。ビザンツは15-3-3。ハンデなしにビザンツが先勝です!」
②個人戦・武術
実況「今度は一戦目と逆にビザンツは一人希望、ローマは三人希望です。1-9でビザンツが勝利して一人となりました」
ヘロドトス「共和政ローマはアントニウスを出してきた。キケロに剣闘士並だ、と評価されたから体力はあるんだろうな」
実況「ビザンツからはルジェ・ダ・フローです。13世紀の海賊兼傭兵といった感じで、いたるところに所属していますが、ビザンツにも所属していた時期があることは間違いないということで登録されました」
ハルドゥーン「うーむ、ルジェ・ダ・フローは強さが今一つ評価しにくいから、アントニウスにハンデ2とするか」
実況「10-18で、ハンデをモノともせずビザンツが勝利しました。ビザンツも連勝でベスト8進出決定です!」
司馬遷「ここまで、全試合とも2戦ストレートで終わっているな。決して一方的な対戦というわけでもないはずなのだが」
ハルドゥーン「それでは、この試合でも勝ちましたビザンツのユスティニアヌスにインタビューしたいと思います。ベスト8進出おめでとうございます」
ユスティニアヌス「ありがとう」
ハルドゥーン「ローマ対決ということでどういうことを考えていましたか?」
ユスティニアヌス「女性陣が出るものが二つあったからね。正直、気分は楽だったよ。女性のことに関してはテオドラが間違いなくやってくれると思っていたからね」
ハルドゥーン「次の相手はバルト帝国ですが、展望は?」
ユスティニアヌス「おそらく余力は我々の方が大分あるはずだ。しっかりと調整していきたいと思っているよ」
ハルドゥーン「ベリサリウス、ヨハン・クルクアス、バシレイオス2世といった超級クラスがまだ出てきていません」
ユスティニアヌス「そうだね。まだ試合は続くし、彼らには必ず出番が来るはずだ」
第五試合
十字軍 vs オスマン朝
①幸運王
実況「オスマン朝からはオスマン・ベイ、十字軍からはウルバヌス2世が出てきました」
司馬遷「あっさり済んでしまうが、これでいきなり一戦先取できるのは大きいな」
実況「それではスタートします!」
二人「最初はグー、ジャンケン、ポン!」
ウルバヌス:チョキ
オスマン:パー
ハルドゥーン「まずは十字軍が取った!」
②料理王
実況「まずはオスマン朝ですが、ケバブなどを作っております」
ハルドゥーン「世界三大料理というと中華、フランス、トルコというが、何故か日本だとケバブばかりになってしまうイメージがあるね」
ヘロドトス「トルコの凄腕料理人はあまり日本に来ないのかもしれないね」
司馬遷「一方の十字軍は…イスラーム料理を作っている」
ヘロドトス「プライドがない面々だ」
実況「まあ、当時のヨーロッパは肉を茹でるか、パンかという感じで、味という点ではイスラームの方がいいかもしれません」
二時間後
実況「9-13で、四人全員がオスマン朝勝利! 1勝1敗で最終戦です!」
③海戦 (ホーム:オスマン朝)
実況「ここは両軍とも三人出すことになりました」
ヘロドトス「コンスタンティノープル付近が指定されていますね」
ハルドゥーン「十字軍にコンスタンティノープルというと、第四回十字軍があるけれど」
実況「まさしくその通り、十字軍からはエンリコ・ダンドロ、ボードゥアン1世、ボニファーチョ1世とラテン十字軍の面々で来ました」
司馬遷「思い切った布陣だな。しかし、第四回十字軍の時には裏切り者がいたからなぁ」
実況「一方のオスマンですが、ジェザイルリ・ガーズィ・ハサン・パシャ、ピリー・レイース、クルチ・アリです!」
ヘロドトス「さて、スタートしたが、まずはダンドロが鼓舞しているぞ」
エンリコ・ダンドロ「いいか! 我々は十字軍のふりをして、コンスタンティノープルを奪い取るぞ!」
ヴェネツィア兵「おー!」
ハルドゥーン「のっけから十字軍のアイデンティティを疑うようなことを言っているなぁ」
クルチ・アリ「むう、十字軍どもめ、ちょっとこの船を借りるぞ!」
船会社「えぇっ? いきなり?」
実況「ヴェネツィア軍に気づいたクルチ・アリ、近くにあった船を奪い取って鋭い動きで追いかけます」
クルチ・アリ「見つけたぞ! 撃てー!」
エンリコ・ダンドロ「うおっ!? 年寄りの船を打つとは罰当たりめ!」
クルチ・アリ「知るか!」
ヘロドトス「ヴェネツィア船が沈没した。最初の奇襲は失敗したようだ!」
船会社「そろそろ返してください」
クルチ・アリ「まだだ。返さないとは言っていないぞ。永久に借りておくだけだ」
実況「またもジャイアニズムだー!」
ボードゥアン、ボニファーチョ「ひぇぇぇ」
ヘロドトス「あっさり沈められた様子を見て、残りの二人がびびっている」
ハサン・パシャ「お前たちも沈めてやるぞ!」
二人「逃げろ!」
ハサン・パシャ「捕まえろ!」
ピリー・レイース「よっしゃ!」
実況「逃げる二人ですが、ピリー・レイースの艦船が先回りして退路を押さえました!」
ボードゥアン「ひぇぇ。か、金は出すから何とか」
ピリー・レイース「ほう。まあ、勝ち負けは決まったし、逃がしてもいいだろう」
スレイマン1世「むっ! あやつ、袖の下で見逃しおった! 死刑にせよ!」
ピリー・レイース「ひぇぇぇー」
実況「終了直前にして一人処刑されてしまいましたが、試合はオスマンの勝利。オスマン朝、ジャンケンを落としましたが、料理と海戦を制して逆転勝利です!」
×十字軍 (5-1-18) vs オスマン朝 (16-17-5)○
ハルドゥーン「それではインタビューです。オスマン・ベイに来てもらいました。ベスト8進出おめでとうございます」
オスマン・ベイ「ありがとう! 心の友よ!」
ハルドゥーン「見事な逆転勝利でした」
オスマン・ベイ「この町で、俺にかなうものはいない。 俺は王様だ」
司馬遷「町?」
ハルドゥーン「次の戦いに向けて一言」
オスマン・ベイ「全部オスマンのものだ!」
第六試合
マリ王国 vs 李朝
①野戦 (野戦:マリ王国)
実況「二回ある野戦の最初の方、マリ王国は建国者スンジャタ・ケイタです!」
スンジャタ・ケイタ「叩くぞ! 俺が勝つぞ!」
司馬遷「武器の素振りをしているあたり、今までのマリの連中とは毛色が違うな」
実況「一方の李朝からは李龍祥です! 李朝の滅亡後に朝鮮の高麗まで逃げていったという逸話があります!」
ハルドゥーン「何だか微妙なのが出てきたね」
司馬遷「まあ、李朝はあんまり層が厚くないし」
李公蘊「えっ、何であいついるの?」
ヘロドトス「む? ひょっとしたら、勝手に漂流してきたのかもしれない」
実況「マリまでですか?」
スンジャタ・ケイタ「倒す! 敵、倒す!」
司馬遷「相手はやる気満々だから、今更止めるわけにもいかない!」
スンジャタ・ケイタ「俺はおまえの戦い方を研究しているぞ!」
ヘロドトス「ほう。それは楽しみだ」
スンジャタ・ケイタ「む? お前の戦い方は、研究と、違う!」
ハルドゥーン「やっぱりうっかり流れてきたみたいだ」
実況「ただ、本来出る人がいない以上、もう進めるしかありません。スタートです!」
スンジャタ・ケイタ「研究と違うが、それでも勝つ!」
李龍祥「うわー! 何でこんなところで襲われるのだ!?」
実況「李龍祥、全く準備していません! アッと言う間に撃破されました!」
ヘロドトス「何ということだ」
○マリ王国 (4) vs 李朝 (5)×
②女王・武
実況「李朝からは李昭皇です! 端的に言いますと、これくらいしかいません!」
司馬遷「本音過ぎる」
ハルドゥーン「正確には、文はまだギリギリいるのだけれど、武では誰が出ても同じなので、一番文で使えなさそうな人を出してきたというところだ」
司馬遷「うむ。まあ、最後の女帝というくらいに何も特筆すべきところがないからな」
実況「一方のマリ王国からはサスーマ・ベルテです! こちらもこの人くらいしかいません!」
ハルドゥーン「こっちは本当に、他を探すのがかなり苦労している」
ヘロドトス「普通の王妃ですって感じだからな」
実況「ということで、もう完全にサイコロ任せですが…17-20! 李朝が勝ちました!」
司馬遷「勝負は最終戦か…」
③野戦 (ホーム:マリ王国)
実況「マリ王国からはマンサ・マーガンです! 初戦に出たマンサ・ムーサと、三回戦で出たマンサ・スレイマンの間を繋いでいる王です!」
ヘロドトス「統治期間は短かったが、マリの最盛期の王であることは変わりない」
実況「一方の李朝からは遂に創始者が出て来ました、李公蘊です!」
李公蘊「ヴェトナムの名誉のために勝つ!」
司馬遷「ものすごい気合だ」
ハルドゥーン「うん? ただ、マリ王国からの使者が…」
司馬遷「こ、この展開は…」
使者「大王、我が皇帝(マンサ・マーガン)は大王と戦うことを悲しんでいます。どうかこれでお引き取りいただけないでしょうか?」
実況「おーっと! またしても、またしても買収しようとしている!」
李公蘊「馬鹿にするな! 我らの名誉を思えば、この程度の金で…」
使者「それじゃ、これでどうでしょう?」
司馬遷「うおーっ! 船一杯の黄金だ!」
李公蘊「……」
使者「仕方ありませんね。もう一隻…」
李公蘊「分かった。負ければいいのだな」
実況「初戦の黎朝に続いて、またもヴェトナムが八百長に応じてしまった! ヴェトナムを馬鹿にしているわけではありません! そのくらいにマリの黄金が凄いのです! あ、ちなみにサイコロは12-6でマリ王国でした」
司馬遷「マリが8強進出だ!」
ハルドゥーン「ということで、マンサ・ムーサ王に来てもらいました。8強進出おめでとうございます。アフリカからは唯一の8強です」
マンサ・ムーサ「ありがとう。これもアッラーの思し召しね」
ハルドゥーン「とはいえ、さすがにメジャーな人はほとんど使ってしまいました。次は同じイスラームのオスマン朝ですが自信の程は?」
マンサ・ムーサ「私達チャレンジャーね。とにかく頑張るだけよ」
ハルドゥーン「ありがとうございました」
第七試合
モンゴル vs マジャパヒト王国
①野戦 (ホーム:マジャパヒト王国)
実況「マジャパヒト王国は一人、モンゴルは三人ということで人数決定です。18-4でモンゴルが勝利しました」
司馬遷「うん? マジャパヒト王国が何か言ってきている。何? 一戦目を放棄する?」
ガジャ・マダ「勝ち目がないし、人を無駄に出すのは苦しいのだ」
ハルドゥーン「何ということだ。まさかベスト16の対戦で、人がいるのに試合放棄ということが出てくるとは」
実況「とはいえ、残り二戦を取ればいいという考え方も確かです。果たしてこの決断はうまくいくのでしょうか?」
②幸運王
チンギス・ハーン「草原よ! 我に力を与えたまえ!」
実況「チンギス・ハーンがやる気満々です!」
ガジャ・マダ「運を天に任せて、神の助けを信じて!」
司馬遷「こちらも準備は十分だ」
ハルドゥーン「ジャンケンの準備ができない人がいるのかどうか分からないけど」
二人「行くぞ! 最初はグー! ジャンケン、ポン!」
チンギス・ハーン:チョキ
ガジャ・マダ:グー
実況「ガジャ・マダが勝ちました! ジャンケンとはいえ、チンギス・ハーンに黒星をつけたのは凄いです!」
司馬遷「1対1になった」
③料理王
ヘロドトス「最後が料理王とマジャパヒト王国に勝ち目がある対戦形式なのは確かにある」
実況「マジャパヒト王国はマレーシアですが、現在は国民のほとんどがイスラーム系ということがあります。マジャパヒト王国自体はヒンドゥー教でしたので、料理は昔のインドと同じで精進料理に近いものが多かったものと思います」
オゴデイ・ハーン「ジン、ジン、ジンギスカン♪ ヘー、ライター、ホー、ライター、ヘー、ライター、インマー・ヴァイター♪」
実況「焼肉のジンギスカンを作っていますが、これは日本の独創料理でありまして、昔はチーズや馬乳酒メインの自然系な感じだったと思います」
司馬遷「正直互角。果たしてどうなる?」
二時間後。
実況「判定の結果です…。4-0のユナニマス・ディシジョンでマジャパヒト王国の勝利!」
ハルドゥーン「大波乱だ!」
実況「第一戦を試合放棄したマジャパヒト王国、まさかの逆転勝ちでベスト8に進出。モンゴルは16強敗退となりました! ちなみにサイコロは9-20でした」
ハルドゥーン「早速勝ったマジャパヒト王国のガジャ・マダに来てもらった。おめでとうございます」
ガジャ・マダ「ありがとうございます。信じられません」
ハルドゥーン「我々もびっくりしました。一戦目を切り捨てましたが、あの辺は?」
ガジャ・マダ「変に出しても絶対勝てないと分かっていたので、二戦目、三戦目に賭けることにしました」
ハルドゥーン「二戦目のジャンケンには見事に勝ちました」
ガジャ・マダ「良かったです」
ハルドゥーン「応援している皆さんに一言お願いします」
ガジャ・マダ「応援してくれている人いるんですかね? マジャパヒト王国の日本語wikiをもう少し豊富にしてください」
ハルドゥーン「ありがとうございました」
第八試合
秦・楚 vs 鎌倉
①女王・文
実況「まずは人数勝負です。鎌倉は三人、秦・楚は一人希望です。12-20で鎌倉が勝ちました」
司馬遷「鎌倉は二条為子、西園寺禧子、北畠親子の三人か」
実況「北畠”おやこ”ではありません、北畠”しんこ”か”ちかこ”です。鎌倉を滅ぼした後醍醐天皇と南朝の縁者ばかりが出てくるというのは何とも皮肉ではあります。一方の秦・楚ですが、虞美人、越姫、貞姜の三人です」
ハルドゥーン「日本の三人は学識ありな感じだけれど、秦・楚の三人はどうなんだろうなぁ。まあ、学術的な貢献というのをどのレベルまで広げるかにもよるけれども」
ヘロドトス「ただ、秦・楚の面々は正直分かることが何もないから、ハンデなしは不公平だろう。鎌倉側にハンデ3ということで」
実況「鎌倉時代、全くサイコロが冴えず! やはり南朝の人は出すべきではなかったか」
○秦・楚 (12-5-13) vs 鎌倉 (2-7-2)
②動物王
始皇帝「秦・楚はテナガザル、ヒョウ、クマなどを出す!」
司馬遷「その心は?」
始皇帝「我々はこうした動物を高貴なものと崇めていて、貴人が死ぬと、こうした動物を捕まえて一緒に葬っていたのだ!」
実況「埋葬される動物はいい迷惑ですよね…」
源頼朝「鎌倉時代は牛と馬を出そう」
ハルドゥーン「ふむふむ」
源頼朝「この時代になってくると、糞などを肥料とできるようになり二毛作をするようになったのだ」
司馬遷「うーむ、どちらもピンとは来ないな。ハンデはなしか」
実況「16-5で秦・楚が勝ちました! 最後のベスト8は秦・楚です!」
ハルドゥーン「ということで、秦の始皇帝に来てもらいました。おめでとうございます」
始皇帝「うむ。感謝する」
ハルドゥーン「ベスト8まで進出です」
始皇帝「わしは一番目の皇帝である。ゆえに、目指すは一番のみ」
ハルドゥーン「次の相手はマジャパヒト王国です。予想していましたか?」
始皇帝「相手がどこであろうと、我々は中華の戦い方をするのみ」
ハルドゥーン「ありがとうございました」
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