友情か恋愛か家族、、、
ららめ
第1話
季節外れの暑さが続く中クーラーもない美術室
夏はクーラーがなく部室も人があまり通らない角の部屋、顧問もめったに部に来ない、欠点ありすぎる美術室。
そのためか、部員の数は圧倒的に少ない。
一年生二人、一年生は二人とも幽霊部員だけど、、、二年生二人、二年生は兼部でたまにしか来ないが他にも二人いる。三年生は引退が近づいているが引退より先に受験勉強のため早々に帰宅部化している。
「っていうかさーオレ、
「はぁぁ??別にあんたに兼部しろっていった覚えないんですけど?」
兼部で美術部の活動にたまに参加する二人は毎回口喧嘩。
それを横で聞きながら黙々と作業をする二人。
美術部の二年の部員、
何分経っても喧嘩は止まない。
時には部活が終わった後も、家に帰った後も喧嘩してることがあるらしい。
内容は毎回しょうもないことだ。
風音は毎回笑って見守るが、亜紀斗はうるせぇーと思いながら聞いてる。
あまりにも長く続きすぎて周りに迷惑が掛かってしまうときは、亜紀斗が間に入り注意をする。
今日もどれだけ長く続くかわからない喧嘩にいらいらしながら聞いていた二人。
いつもなら黙って聞いているものの、今日は、学校の階段の飾りイラストを頼まれておりその、締切日なのだ。あとは仕上げだけなのだが亜紀斗は、
『仕上げが一番大事』と、毎回しつこいぐらいに言っている。
結局居残りをして、完成できた。そのことに大変満足している様子の紡。
その様子とは裏腹に亜紀斗は完成して飾ろうとした時からずっと黙ったままだ。
帰りはいつもと同じ道、いつもと同じメンバー、帰る場所も一緒。
亜紀斗はみんなと別れてから、今日この後することを考え始めた。
まず、保育園に行き弟を迎えに行った後、帰りにスーパーに寄って夜ご飯の食材を買って妹と弟に食べさせて、お風呂にも入れた後、家事を終わらせて、妹と弟を寝かせた後、学校で出た課題を終わらせて、授業の予習も終わらせて、やることが終わって時間があったら絵を描こう。
そんなことを考えながら夕日が照らされる空を仰ぎながらぽつりとつぶやいた、
『もし家族か友達か恋愛か、どれかを選べって言われたらどれを選ぶんだろう』
まぁ、選ばないといけないなんて時など来ないだろうと思い、そんなことは考えないようにして弟のいる保育園へ駆け足で迎えに行く亜紀斗は少し涙目になっていた。
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