60分一万五千円の恋

@pochi1n

第1話バカなのか?バカなのだ

何も持たず、何も与えられず、只々、温い不幸に浸かりながら生きてきたその男は現状以上の不幸に見舞われぬように…そう願いを込めて今月もまた電話をかけた。

「お電話ありがとうございます!ちょめちょめクラブです♪」

…「フリーで女の子お願いします。場所は…」

そう、電話一本でムフフな女性とムフフな事ができるアレだ…

しかし、悲しい事にこの男は、冒頭で述べた様に若干、運がない。生い立ちから温い不幸に身を浸しているのだ。愛し合わない両親から産まれ、母子家庭で育ち、母の交際相手はDV三昧…家庭は貧しくイジメられていた事もあるのだろう。

男にハマった母からの少しばかりのネグレクトを受け、生来の運の少なさからか物事へのタイミングのセンスが無い…

まぁ、そんな何処にでも転がっているちょっとした不幸話に身を浸してきたこの男をワタシはずっと見てきた。

勿論、この様な風俗遊びに関してもパネル詐欺(強)、病気持ち、地雷…と輝かしい戦績を挙げると少し気の毒になって来る…

この男の前向きな生き様は嫌いではないのだが…

「今回のところは可愛い写真の子が多かったからなぁー♪」

(ん?バカなのか?)

「ここ最近なかなか可愛い子来なかったしなぁー…」

(バカなのか?)

「大変な目にもあったけど、今回は大丈夫だよね!」

(ヴァカなのか??)

そう、この男はちょっとバカなのだ…

♫ピンポーン♫

…誰か彼を救ってやってくれ…

嗚呼、悲しいやり取りが聞こえてしまう…

これで風俗遊びに懲りてくれると良いのだが…

good night My Best partner…zzz




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る