妻と辛ラーメンと作者 ~グルメルポシリーズPART1~

小林勤務

第1話 Don't lapse into a false sense of security

 インスタントラーメン。



 それは神が生み出した――いや、人類が生み出した数ある叡智の一つ。


 皆さまご存じ、今なおロングセラー街道をばく進中の「チキンラーメン」が世界初のインスタントラーメンである。日清食品創業者の安藤百福氏には感謝してもし切れない。まさに――taste of love。



 私(作者)にとって、インスタントラーメンは人生において、なくてはならないものである。



 これは、私と『彼』の壮絶なる戦いの記録である――。



 最近、コロナ禍で外に出歩く機会は減っていないだろうか?

 テレワークしかり。

 オンライン授業しかり。

 そうなると、必然的に起こるのが、自宅で昼飯を食べる頻度が増すということだ。


 普段、会社やら学校やらで外出している人間が家にいるだけで、妻であったり、母親なんかは嫌な顔をする。

 だって、昼飯作るの面倒だから。

 そのため、昼飯は即席で簡単に作れるインスタントラーメンに流れてしまう。



 これは必然。



 インスタントラーメンといっても様々だ。あらゆるジャンルや味が発売されて、新商品が出る度に世間を賑わせている。

 味だけではない、形状もまたしかり。大きく分けて、袋麺タイプとカップ麺タイプが存在している。言うまでもなく、お財布に優しいのは袋麺タイプだ。面倒なのは鍋を使うことだが、お湯入れて麺を茹でるだけ。調理でもないから、普段料理をしない私でも苦ではない。



 だが、ここで問題が――。



 同じ種類のものを食べ過ぎて、いささか食傷気味になってしまった。まあ、大した問題でもなく、違う種類も食べればいいだけの話。たまには普段、食べてないものを食べるか……。そう思って、スーパーの棚を物色していると、『彼』に出会ってしまった。



 真っ赤な袋に、でかでかと書かれた『辛』の一文字。



 そう。辛ラーメンだ。



 ふーん。そういえば、このラーメン食べたことないな。確か、韓国では市場シェア№1の商品だよな。たまには、いつもと違った、こんなラーメンを食べるのも乙なもんかもしれん。

 そのままカゴに入れて、お会計を済ませて我が家へ帰宅。

 さて。ちゃっちゃと作って食べますか。

 このラーメン、3袋しか入ってないのか。5袋入りのラーメンに比べてコスパは悪い。まあ、味がよければ別にいいかと袋から麺を取り出す。



 でかっ。率直な感想がこれ。



 とにかく麺がでかい。だからか。それで3袋入りなのね。だったら納得。しっかり食べ応えがあるってことね。


 まあいいや。それでは調理開始。


①鍋にお湯を入れて

②麺とかやくを投入。かやくって珍しいな。韓国のラーメンってこんな感じなんだ。

③どんぶりに粉末を入れて

④麺がゆで上がったら、どんぶりに移して粉末をかき混ぜて、はい完成。


 この手軽さがいいんだよね。

 やっぱりインスタントラーメン最強(^^)v

 では、いただきます。


 ずるずるずるずる――――――――――って、おい!!



 めっちゃ、辛えええ―――――――!



 なんだこれ。とんでもない辛さ(>_<)

 こんな辛いの!? このラーメンって。



 こ、これは、そのまま食べられない……っ。

 冷蔵庫から牛乳を取り出して、コップに並々と注ぐ。

 ひと啜りごとに、牛乳で中和。

 なんとか完食。スープはもちろん残す。こんな辛いの飲めない。



 おいおい。

 どうすんだ、これ。



 まだ、2袋残ってるぞ……。



 Every man is the architect of his own fortune――

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