殺人鬼と囚われの少女
夜空
第1話プロローグ
私は、ずっと1つの部屋に閉じ込められていた。
それは私の見た目のせいで、白く透き通った肌、白い髪、紅い瞳、それは吸血鬼を彷彿とさせる見た目をしていたからだ。
「お前さえ生まれなければ。」
何度言われただろう?
生まれてから毎日言われて来た言葉。
人は自分たちと違うものを嫌う。
だから私は、閉じ込められて隠されてきた。
それは長くは続かなかった。
1人の殺人鬼が私以外一族全員殺したから。
理由?そんなもの私は知らない。でも哀しくはなかった。
「貴方が全て殺したの?」
「……そうだよ? 君を解放しに来たのだよ!」
殺人鬼はそんなことを言い出した。よく分からない。
「世のかなは、おかしいと思わないかい?
こんなところに罪もない少女を幽閉して。
人と違うだけで、こんな世界壊れればいいと思うよね?」
「分からないわ。貴方の言葉理解出来なの。」
自分には分からない。これが当たり前だったから、ここで死ぬまで居ると思ってたから。
「貴方は、なぜそんな悲しい顔をしているの? 私は死んでいるから。誰も私を必要としないのに、なぜそんな顔をしてるの?」
殺人鬼は、悲しそうに、怒ったように叫び出した。
「君はそんなにも、救われてないのか。許さない、許されない、ただ人と違うだけでこんな扱いを受けるなんて間違っている!」
不思議だった。何故こんなにもこの人は必死なのだろ?
私は違う、人とは違う。
見た目が違う。食べれる物が違う。考え方が違う。
私は壊れている。自分の感情、心が分からない。
「なんで、そんな......」
言葉が出ない。
目の前の少女は何か言いたげにしてたけど言葉を詰まらせてた。
俺は違う、人とは違う。だから求める、仲間を、共に居られる存在と。
俺は狂っている。人を愛せない。全てを壊す事しか知らない。
狂気に囚われている。人を殺さないと生きれない。人が多いと殺したくなる。
「ここから逃げよう。俺達と同じ仲間を探しに。」
だから私(俺)はこの殺人鬼と(この少女と)
一緒に居れば何かが変わるかもしれない。
だから私はこの殺人鬼について行く。
だから俺はこの少女を連れて行く。
これが感情と心を無くした少女と狂気と依存に囚われた殺人鬼の旅が始まる。
殺人鬼と囚われの少女 夜空 @yozora1093
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