第2話
「えっと…。俺、なんでここに、っていうかここどこ?」
「質問が多いな」
美少年はこちらに来ると少しめんどくさそうな顔をしながら答えてくれた。
「ここは、ブラック学園だ。お前は正門の前で倒れていた。だから俺が運んできた」
「え、ブラック学園ってどこにあるんですか。何県ですか」
「県って何だ」
「え」
龍牙は美少年が県を知らないことにびっくりしたが、その前にここにきた記憶がないことに気がついた。
「あ、でも夢だからなくて当たり前か」
「夢?」
「はい。俺は今夢の中にいるんですよね」
「何を言ってる。ここが夢の中なわけないじゃないか。現実だ」
「は?」
龍牙はそのことを聞くと思考が停止したように動かなくなってしまった。
そのことを告げた美少年は龍牙を見て怪訝そうな顔をして龍牙の顔を覗き込んできた。
「大丈夫か」
「は…って、近い!」
美少年は、鼻先がくっついてしまう距離で話しかけてきた。
(こいつ距離感ってもんを知らないのか)
龍牙は困惑しつつもとりあえず聞きたいことを全て美少年に聞いてみた。
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