双子の太宰さん

アキ

第1話 武装探偵社へ入社

「やぁ、そこの君。ちょっと聞きたいのだが」


街中を闇雲に探し歩いていたら、ようやく見つけた太宰さん

でも、僕の名前なんで呼んでくれないんだろう

いつもだったら「敦くん!」と呼んでくれるのに


「はい、何でしょう」


「武装探偵社に行きたいのだが、道案内頼めるかな?」


「え、あ、はい!」


え?太宰さん?道に迷ったの?え?

取り敢えず案内して、無事に着いたのはいいけど

一体…どうしたの?太宰さん!

なんて一人で悶々としていたら、乱歩さんが走ってきた


「いっつむー♡」


「おや、乱くん。久しぶりだね」


「もう愛を離したくないぃ」


うぇぇぇぇぇえ?!

「太宰さん」に抱きついたぁぁぁあ!?


「あの、乱歩さん?なぜ太宰にへばりついて…」


「太宰…あぁ、私は太宰愛イツム。君が言っているのは兄の治の方だね」


「だ、だ、太宰さんの弟ぉぉぉぉ?!」


あの太宰さんに弟がいたの?!てか似てる!

え、どゆこと?!双子だったの?!


「グッドモーニング皆の衆。おや?そこにいるのは愛じゃないかー!」


「治、君は少し落ち着き給え。あぁまた、入水でもしてきたのかい?服も包帯もビシャビシャではないか。早くこのハンカチで髪を拭くといい。」


「ありがとう愛。そうだ、今度一緒に入水でもどうだい?」


「心から遠慮しておくよ治。私はそういうことに興味が無いからね。」


あの太宰さんが太宰さんと喋っているようにしか見えない!

訳が分からない!


「あ、もしかしてお前か?この探偵社の新しい社員というのは」


「その通りだ。えっと、君は」


「俺は国木田独歩だ。よろしく」


「そうか、よろしくね。独歩」


こうして、愛さんが加わりこの探偵社がまた一段と賑やかしくなった

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