駄女神ですりゃありゃしないっ!!!

春川晴人

第1話 こりゃダメなやつだわ

 親戚で、ひきこもりが流行っているからと、おれのうちにも連絡が来た。


 だが、時すでに遅し。両親が離婚して、母ちゃんが出て行ってから、おれの生活はめちゃくちゃになった。


 オヤジは、いい年していろんな女を連れてくる。まったく、はずかしいったら。


 そのせいで学校でからかわれて、結果、苦労して入ったおぼっちゃま高校に行くこともできなくなり、みごと、ひきこもりになった。


 そのことについて、オヤジはなにも言ってこない。ただ、毎日できあいの惣菜や弁当なんかを買ってきてはテーブルに置いて仕事に行っている。


 おれなんか、いなきゃよかった。


 そう思って今日も、だれかの不幸を味わうために、パソコンを起動する。


 マウスに触れたその瞬間、びりっと静電気のようなものが走った。


 そして――。


「うーんっ!! せまかったあっ!!」


 アニメでしか見たことのないような水色の髪の毛、整った横顔の女の子は、ミニスカートから伸びた手足をうーんと伸ばしておれを見た。


「よろしく! まぁくん!!」

「ってだれっ!?」


 正面から見ても美少女なその子の背中には、とても小さな天使の羽根がついていた。


「だれって? みーくんだよん♬」

「ど、どこから出てきた?」

「そこ? 気になるの、そこなのん? みーくんは天使の男の娘ぉーん💖」

「おと、男、だとお?」


 いろんが概念がくつがえされた状態でつづくっ!!

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