ファイルNo.12
アルメイル国首都・キュエーリン
フレインと課長は警視庁特別捜査本部に戻ってきていた
ミラーから渡された手紙は血が多く
ついている事で書かれていた内容の解読は困難を極めていた
数日前の夜、都市部の外れで事故が発生した
事件現場となった邸宅は元々は名家であったが最近は見る影もない程になっていた
そんな時に起きた事件だった事もあり国中が新聞記事で持ちきりになっていた
ーー警視庁刑事部魔法取り締まり局第一捜査課特別捜査班
フレインは珍しく寝坊して来た
目を覚ますためにコーヒーを飲みながら
新聞記事に目が行った
「この事件って何か魔痕でも出て来たんですす?」
フレインは眠そうな冴えない表情を浮かべながら西に話を振った
西は先輩が襲われ殺害された事件を課長と確認していた
「あの件は猟奇事件の犯人でほぼ確定だと思うが、魔痕も無ければ目撃者もいない 近づけると思ったらまた遠ざかったな
犯人は今どこに居るかも謎だよ!」
課長は西にそういうが
課長も西も捕まえたい気持ちは一緒だが、
常に後手に回らざる終えない状況に仲間を失った事で気を落としていた
西は席に戻って来てからフレインがさっき言った事を聞き直してきた
「さっきお前なんて言ってた?すまん聞こえてなかった」
フレインはコーヒーを飲みながら新聞記事に指を指した
西はフレインの態度に呆れながら指した記事に目をやると名家での事件記事に目をやった
「あぁこの事件はスミス達と俺が一緒に
動いて捜査してる!」
「そうなんすね?」
フレインは聞いておきながら適当な相槌を打ちながら話を流した
ーーーーーアーロン家ーーーーー
解析班のスミスとメアリーは現場検証をしていた
「スミスさん亡くなった被害者は窒息死が原因の様ですね?」
スミスは机の上に乗っているワインボトルとグラスを確認していた
「そうなんだね?もう先に来てた連中で分かるぐらいならもう終わりだね?」
窒息死だが原因は飲酒量が多すぎて、体調が悪くなって嘔吐しようとしかだ
横になっていた時に嘔吐したのが運悪く気管に詰まり亡くなった
「魔痕もないしこれは事件性無いかね?
監察医の報告待ちだね」
スミスとメアリーは邸宅を出て話し始めた
「メアリーちゃん今回は事件性ないし報告書提出したらさご飯行こうよ?」
スミスは特にヤル気を出す事も無くメアリーと食事に行こうとしていた
「嫌です、気持ち悪いです、訴えます!」
メアリーが冷たくあしらうとスミスはトボドボと外に出ていった
ーーーーー警視庁鑑識課ーーーーー
スミスとメアリーは戻ってきてから報告書を出して休んでいた
すると司法解剖をしていた監察医から腹部に(胃の辺り)強く打つけた様なアザがあったが転倒時についた可能性を示唆する内容だった
監察医の報告書にはまだ続きがあり
口の周りに嘔吐物が付着しており
嘔吐したが吐き出せず気管に詰まり窒息死したものと考えられる。
外傷も無く目立った形跡はない為
被害者は事故死と思われる
スミスは報告書に目をやった後に課長の元に向かい殺人と事故死の両方の線で捜査を開始する事を伝えた
「スミスさんどうしたんですか?さっきまで事件性無いって言ってたのに?」
「なんかね?気になるんだよね?調べるのは問題になるわけでも無いしさ!それに」
「それに?なんですか?」
「それにメアリーちゃんご飯に付き合ってくれなそうだから仕事しようかな?って」
「はぁ?そんなんだからご飯にも付き合って貰えないんですよ?」
「えっ!そうなの?!」
「そういえばさっき特捜の西が捜査に協力してくれるらしいぞ?」
「えっ!本当ですか!じゃあ今日はアイツを連れて呑みに行くかな!」
「仕事をして下さい!」
アーロン邸宅事件発生数時間前
「話が違うじゃないか!
今回の事に協力したら私をまた政界に戻れる様にしてくれる話じゃなかったのか!」
男は誰かと口論になっていた
「私達もそのつもりだったんですがね、そうも行かなくなったんですよ?
貴方はあの件で大分派手に人を使ってしまった」
「そんなの当たり前だろ!
私はまたあの席に戻るべきなのだから!」
「だから貴方は利用されるんですよ?」
「何をするつもりだ!」
後に下がりながら震える声で威嚇する様に声を出した
「ウルサイですよ?静かにして下さいよ?
そういえば貴方が動かした人が全員捕まりましたが、なぜだと思いますか?」
「そんなの分かる訳無いだろ!アイツらが無能で役にもたたないクズどもだったから
私が今こうやって大変な事になっているんだ!」
「私が妨害したんです?」
「はぁ?なぜ?!そんな事をする必要がある!なんの得にもならないだろ!」
「そうですねぇ?でも貴方を大衆の見世物にするのが目的ですから?」
「裏切るのか!お前達の事を口外してするぞ!そうなればお前達も只では済むまい!」
「だから私が来たんですよ?貴方の記憶を少しイジらせて頂きます?
貴方はこれからお酒を沢山飲んで吐いて
気管を詰まらせて亡くなるのですよ?
明日には新聞に載れますね!」
「嘘だ!止めてくれ!頼む」
「貴方は利用される立場だったのにそれを理解も出来ず利用する側に回ろうとしたのが貴方の死因になりましたね」
アーロン家当主死亡のニュースは次の日には新聞記事に載った
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