ラベンダー愛のカタチ

ネムネムZzz

第1話ファイルNo1

「西さんダメだ!アンタがそいつを殺してもアンタの友達は帰ってこない

その犯人は法の下で裁いて、自分が

犯した罪と向き合わせないと」


「すまんフレイン、コイツだけは俺の手で片を付けないとダメなんだ」


「ヤメロー」


叫びながら起き上がった酷い夢だった、目が覚めてもあの時の光景が未だに夢に出る




「パパここのお墓は誰のお墓なの?」


「昔パパがお世話になった人が眠ってるんだよ」





世界は過去の大戦から50年以上が過ぎていた

戦争で多くの人が無くなった

愛する人を戦場に送り出す悲しみ

もう会えないと悲しむ兵士

国の為にもと鼓舞する周囲

そんな悲しい過去から世界は

立ち直ろうとしていた






魔法暦512年アルメイル国国内では猟奇殺人が多発し世間を騒がせていた

事件は夫婦が体をバラバラにされ

夫婦の体をお互いの体のパーツで縫いつなぐ事件が続いていた

殺人の目的も分からなければ犯人図も分からない凄惨な事件


現場にはラベンダーの花が置いてあり壁にdevotion

(献身的な愛)と書いてあった




魔法暦515年

警視庁刑事部魔法取り締まり局第一捜査課特別捜査班に青年が配属された

青年の名はフレイン・アンダーソン

22歳


フレインは首都キュエーリンの大学

法学部を卒業して警察官になった


正義を執行して人を守るために警察官になった、愚直な迄に人の為に動ける人間、そんな人間だから警察官以外の職種に見向きもしないで選んだ



基本的に国内での無許可の魔法使用は禁止されており、使用許可が降りて居るのは、軍属・警察・消防・医療であり魔法使用時の事件などは、魔法で

痕跡(魔痕)の追跡、犯人逮捕そして取り締まりを行い自白をさせる。



特別捜査課に配属されたフレインは、不思議でしょうが無かった、新人が

いきなり入れる様な捜査班でも無く ある程度年数を経験した者が配属されるのが普通だったからだ

とはいえフレインは仕事が出来て一般人を守れれば何でも良いと思って居たので気にしなかった。


配属されてから半年近く経つがフレインは暇だった・・・

イスに座りながら天井を見て、天井の小さな汚れの数を数えていた

特別捜査班は未解決事件の捜査を主に行う為に凶悪犯罪が起きない限りは書類整理するなどの雑務をしている


フレインはため息をついた、上を見ていた首も疲れ前を見た、フレインの机の上には

書類が山積みだった

フレインの思っていた警察官の仕事は現場に出て犯人を捕まえ市民の生活を守る、そんなヒーロー像をイメージしてた

書類に手を付け目の前の仕事を終わらせる為に気合いを入れ直した

そこに先輩捜査官の西涼真(31歳)が来た


フレインは西と目が合った

「先輩・・書類が残ったんですが先輩目を通して置いて貰って良いですか?

他の課が持ってきた事件の件なんですけどね、魔法の無断使用の確認だそうです」


西は呆れた顔で机の上に散らかった書類を纏め始めた


「お前は1日中何をしてたんだ、お前も忙しいのは分かるが、ちゃんとしないと誰も手伝ってくれなくなるぞ!」


フレインは机の上が綺麗になった事を良いことに、机に顔を置きながら適当に

「まぁーその時はその時で頑張りますよ!」

言いながらフレインは帰って行った


西は書類に目を通しては無断使用の確認を行った

無断使用を確認方法は容疑者の

見ていた物を

記憶からコピーし、それを映像として確認して、犯罪を犯した裏付けの確認

になる


西が確認している時に映像の中にラベンダーの花が見えた


ラベンダーは嫌いだった、彼が初めて特別捜査官として捜査した事件は後に

世間ではラベンダー猟奇殺人事件として知られる事になる


事件現場で見た物は悍ましく

(おぞましく)

遺体の記憶は破壊されており犯人の

魔痕も無い、捜査は難航していた


西は書類を片付けひと息つき

外に行き夜空を見上げながら今も捕まらずいつ、事件を起こすか分からない犯人が憎かった




魔法暦512年ある日、男は同僚の家に招待された

グレイ・ウォーカー(28歳)は結婚して間もない事もあり、同僚に毎日楽しそうにのろけ話をしている

招待された夜も男は常に思い出の写真を見せられながら話を聞かされた。


「おっはよう!なぁ!聞いてくれよ」

グレイは朝から元気に出勤早々、同僚に絡みついた

「なっ!可愛いだろ!朝から俺は天使に起こされる幸せを感じてるんだよ」


「良いから早く仕事始めようぜ」


「そんな事より俺の可愛い天使の話を聞いてくれよ!」


「はいはい」


「皆おはよう!奇妙な事件が連続している!グレイお前に聞き込みを頼んだ」


「了解!」



「またアイツの夢か」

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