無数の花弁にありがとうを添えて


 机を彩る、折り紙で作られた花束を見れば、つい思い出す。


 発案はゆっき。アウトドア派の私達ではどうして良いか分からず、ひかちゃんに助けてもらったんだ。


 くす玉を作って、教壇の前に吊るす。意外に天井にまで視線はいかないようで、先生はお別れの言葉を伝える。突然の妊娠が発覚したのだ。お相手は年下の大学生。何も悪いことをした訳じゃないのに、攻めるような言葉が水面化で飛び交っていたのを私達は知っている。

 唖然とする先生を尻目に私達は、紐を差し出す。


 騒然とする教室内。

 そりゃそうだ。みんながいない間に設置したんだから。


 紐を引く。

 くす玉が割れて。

 花弁が舞う。


 無数の花弁に、私たちのありがとうの言葉を幾重にも添えて――。





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いつも参加しているTwitter300字SSに今回は参加できなくて。

(忙しくて忘れてた)

第85回 お題「紙」

僕は折り紙で書いてみようと思いました。字数、カクヨム換算、300字。次回は忘れないように頑張る。


個人的には、“クソガキ団”のイタズラが書けてよかったです。幸せになるイタズラって良いですよね。ハッピーサピライズってヤツですね。








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