87話 ツーショット写真でイチャイチャ



 飲み会という名の質問攻めを終えて、家に帰ってきた。


「ただいまー」


「おっかえりー!」


 真琴が笑顔で飛びついてくる。


 正面から受け止める俺。


 そのままちゅっちゅして、リビングへと行く。


 酔い覚ましを用意してくれていた。

 なんという出来た嫁。


 リビングで茶を飲んでひと息つく。


 その間に、真琴がニコニコと俺を見ていた。

「どうした?」

「んー? んふふふふ♡ ちゃんとお兄さんが指輪をつけてくれてるなーって♡」


 俺の左手の薬指には、真琴と同じペアリングがつけてある。


 当然というか彼女もつけていた。


「飲み会大変だったでしょー? ちゃんといった、嫁がいるぜって」


「ああ、言ったよ。だが誰も信じてくれなくってな」



 俺はことのあらましを真琴に説明。


 彼女は溜息をつきつつ、こんなことを言う。

「写メ見せればいいじゃーん」


「あー……そっか」


 そこまで頭が回らなかった……。


「んもー、非実在美少女だって? ここにいるっつーの! まったくもう……次からは写メ見せてくださいっ」


「あいよ。……って、あれ? 写真って……あるっけ?」


 俺はスマホを開いて、カメラロールを探す。

 真琴の写真はいくつかある(実家帰ったときのやつとか)。


 だが……二人でのツーショット写真はなかった。


「ぼく単品の写真見せれば?」

「それだと近くの美少女JKを取ったんだろってなる気が……」


「じゃー取りますか! らぶらぶツーショット写真!」


 ということで写真を撮ることになった。


「おめかししてくるね~♡」


 真琴が部屋に引っ込む。

 おめかしって、何する気だ?


「おまたー♡」

「ちょっ!? なんだよそのかっこう!?」


 俺の前に現れたのは、すっぽんぽんの真琴だった。


 いや、かろうじてエプロンだけをつけている。


「裸えぷろーん♡」

「いやいやいやいや! そんな格好でツーショットとれるかぁ!?」


「えー、でもこれくらいのやつみせなきゃ、信じてくれないんじゃない?」


「だとしてもよそ様に嫁の裸エプロン姿見せられるかっての!」


 にこにこと真琴が笑う。


「まーじゃー、これは見せるようじゃなくって、夜のおかずってことで♡」


「ま、まあ……人に見せないならいっか……」


 肌エプロンな真琴が近づいてくる。


 なぜだ、真琴の裸なんてめっちゃ見てるのに……。


 こう……。


「どきどきするかんじ~?」


 真琴が俺の前で、前屈みになる。


 エプロンの裾からその大きなおっぱいがこぼれ落ちそうになっていた。


「まっぱよりエロいよね? ほら、乳首がちょろっと見えそうで見えないとことか? 逆にエロいみたいな」


「オッサンかおまえは……ほら、取るんだろ」


 真琴が俺の膝の上に乗る。


「ちょ、膝の上って!」

「ラブラブ写真なんだから、ラブラブしなきゃじゃーん?」


 た、確かに……?


「はいお兄さん自撮りモードにして。はい、ピースピース★」


 俺が手を上に掲げる。


 真琴が笑顔でピースする。


 膝上に裸エプロン真琴を乗せたまま、ツーショット。


 かしゃっ。


「うん、よく取れてるじゃん。なんだこれ一枚で解決でよくね?」


「よくないわ。こんなの人に見せらんねえよ!」


「見せつけてこうよ、逆に。同性ならこれくらいのノリ許容されるんじゃない?」


「そうかなぁ」


 まあ男って結構下ネタとか赦されるし……。


「いやでもさすがに裸エプロン嫁を見られたくないぞ」


「んも~♡ お兄さんってば独占欲の塊なんだから~!」


 真琴がうれしそうに、裸エプロン状態で抱きついてくる。


「んちゅ……♡」


 真琴がまた俺の唇に、自分の唇を重ねてくる。


「んちゅ♡ ちゅぷ……♡ んっ……チュ♡ ちゅぷ……♡ んんぅ~……♡」


 また真琴からの熱烈なキスをあびせられる。

「ぷはっ。はいこれ二枚目ね」

「はっ!? おま……撮ってたの!?」


 写真じゃなくて録画していた。


 俺のスマホがいつの間にか、真琴に握られている。


「ラブラブっぷり見せつけてー♡」

「いやだわ! はずいわさすがに!」


「んもー、わがままだなぁ。じゃあ旅行行ったときの写真、LINEで送るから、それ使って」


「最初からそれをくれよ……」


 ぽこんっ、とLINEの通知が来る。


 長野の実家に行ったときの写真が、いくつか送られてきた。


 サファリパークのやつとか、普通そう。


「コレ使うからな」

「裸エプロンとキッス動画もええんやで♡」


「見せられるかぁ……!」

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