悪魔に助けられたので契約してみた
サーモンエビマヨピーマン寿司
第1話 命の危機は突然に
俺は奏
今年で19歳の、無職だ!
髪は普通の黒で顔は同級生からはそこそこ整ってると言われていた。そして目は死んだ魚みたい、と言われる。
さてさて俺はコンビニに来て何を買ったでしょう。
ビールを買いました!
この年にもなって親のすねをかじるってのはどうかと思うって?俺の中じゃ普通なんだよ。
クズじゃん俺。
「ふぃ〜、寒いなぁ。この時期になると一気に気温が下がるんだよなあ」
今は食欲の秋だ。なので沢山食う。
「だが今日も月が道を照らしてくれる…俺の人生も照らしてくれたらな、なんつって」
俺は独り言を溢す。
その瞬間突如デカイ影が月明かりを遮った。
「はははっ、俺の人生は真っ暗だって?笑えねえよ。あははは。…は?え?何?」
デカイ影が異常だと気づいた俺は困惑した
そして影の正体を知るべく上を見た。
そして俺はこのとき死を悟った。
「あ、あぁ…」
俺はもう駄目かもしれない。幻覚であって欲しい。
『そうビビるな人間よ。俺様は別に獲って食おうってわけじゃねえんだからよぉ?ぎゃはははは!』
そいつはとんでもなくでかく、手足も長く牙が生えている化物だった。
「い、いやだ、死にたくない!」
俺は抜けた腰に鞭を打ち立ち上がろうとする。
だが、
(動かねえ!まずい!こいつに殺される!!)
俺は突如襲ってきた命の危機に怯え、立ち上がることすら出来なくなっていた。
(ああ、死ぬ寸前ってこんな感じなんだな。恐怖で涙もでねえよ…母ちゃん、今までごめんよ。迷惑ばかりかけて、出来損ないでよぉ。ごめんなぁ夏歌。妹のお前にも沢山迷惑かけちまったよ。そりゃ嫌われて当然だよなぁ。兄らしいこと出来なかったしよぉ。)
今までの自分を殴りたい。
くっそぉ!まだ、死にたくない!
「死んで…!たまるかぁぁぁ!」
俺は火事場の馬鹿力で立ち上がった。
「俺はこんなとこで死ぬわけにはいかねえんだよお!クズのまま死んでたまるかぁぁぁぁ!」
俺はそう叫び逃走を図る。
『いいねえ!人間は死ぬ間際に過去を振り返り自ら懺悔する!その時の表情が堪らないのさ!』
そう言い嗤いながら俺を追いかけてくる…気配がする。
(やつは人間じゃない。人間の俺が追いかけっこをして勝てるようなやつじゃない。とりあえず逃げれるだけ逃げる。話はそれからだ。)
俺はそう判断してチラッと後ろを見てみる。
「飛んでるぅぅ!?」
そいつは飛んでいた。
結構早いスピードで。
俺はムカつき立ち止まりこう叫んだ。
「ふざけんじゃねえええぞ!てめえも走ってきやがれ!飛ぶとか反則だろうが!!まずお前誰でもいいんだろ!?なら俺じゃなく他のやつ当たってくれよ!追いかけっこで勝ちたいだけならとっとと消えろぉぉぉ!」
そいつはまさか怒鳴られるとは思っていなかったらしく停止し、少し困惑してた。
『はっ?えっ、とんだら、駄目なの…?走らないと駄目なのか……?え、でも今までの奴らはそんなこと言わなかったし…』
「今までの奴なんか知るか!俺のやり方に従わねえんなら失せやがれってんだ!」
そいつはそれを聞いて少し考えていた。
『って、なんで俺が自分より弱いやつの言うことを聞かなきゃならねえんだよ!舐めてんだろ!てめえ舐めてんだろ!?あぁん!』
逆ギレしてきやがった。
『お前もう死にやがれ!』
無慈悲にもそいつの爪は俺を捉えていた。
ごめんな。母ちゃん、夏歌。俺もう駄目みたいだ。
俺は目を強く見開いた。
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