【episode8-高揚と諦めの先で】


離婚してから、いろいろな男性と時間を過ごしてきた。


時には10代。そしてまた別の時には60代。



その度に、祖母の言葉が甦る。


「まったくもう男って。」



哲学者の多くが、異性関係の悩みについて記述を残している。


男女というのは、土台わかり合えない生物なのだ。



甘えん坊で自分勝手な男性たち。


もう、振り回されるのはゴメンだ。男性となんか、もう付き合うのはよそう。


何度も、そう思ったことがある。



だが、祖父の血を色濃く引き継いだ私が大人しくしていられるわけはない。


少しの怒りを覚えながら、また次の恋に身を委ねるのだ。



きっと、この人も同じ。



また、私を苛立たせながら愛おしいと感じさせる。


新たな男性と肌を合わせるたびに、私はいつも高揚と諦めを覚えるのであった。

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