花弁が思う精神美
私は今日死にます。
私は仲間たちが輝いて死んでいくところを見て、幼きころに描いた夢について思い出した。
私の夢は死ぬこと。
なぜそういう夢を持ったのかというと、私の先輩たちが散っているのを見た時だった。
ひらひらと淡い桃色の身体が自分の真上で散って逝く。
春だけにしか咲かないのに、なぜそんなにも楽しそうに散って逝くの?
もし、私たちが一年中咲いていたら、どうだろうか?きっと誰も目にとめないだろう。当たり前の景色に溶け込み、誰の目にもとまらず悲しく散って逝く、そして、私たちは無惨に踏まれ塵となり、なかったことのように土に還るだろう。
儚い命だからこそ輝けるのだろう…
尊い命だからこそ輝けるのだろう……
一生をかけた命だからこそ輝けるのだろう……
全身全霊の私の死に様を多くの人に見られたい…
私の最後の舞をみて……
きっとひらひらと優雅に風と一緒に舞って見せるわ、私の最初で最後の舞台……
❁
雲一つない青空に多くの花びらが、風になびいて上がってはひらひらと落ちて逝った。
大勢の人が顔を見上げて、暖かい微笑みを浮かべていた。
強い風が吹いて、花弁が高く高く舞い上がった。まるで、花弁たちも笑っているかのようだった……
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