第21話 『正義』の悩み
ピスケスとの戦いの後、ケフェウスは朝食も食べずベッドで横になりながら右手に残った人を刺した感触を感じていた。
今まで、命を奪った事は何度もあったが人を殺めたのは初めてだった。
『
ガチャ
っと突然ケフェウスの部屋のドアが空いた
「よう!飯も食べずに何してんの〜?」
部屋に入ってきたのは料理を載せたワゴンを押してきたベラトリクスだった。
「な、ノックぐらいしてくださいよ!」
「なぁにぃ?もしかしてエッチなことでもしてたぁ〜?」
いたずらっ子のような笑みを見せながらベラトリクスは近くにあった椅子に座る。
「してませんよ」
「どうしたの〜?飯食べないと元気でないよぉ?」
そう言うとベラトリクスはワゴンに乗っていたポテトをつまみ食いした。
「それ、俺のですよね?」
ツッコミを終えたケフェウスはため息をつきながら口を開いた
「なんか変な感じなんですよね。悪人を倒せたのは良いんですけど。人を殺してしまったという罪悪感があって・・・」
「ケフェウスはさぁ、
ベラトリクスがポテトを食べながらケフェウスに聞く
「いえ、後悔はしてないんですけれど」
「後悔してないならいいんじゃない?誰だって人を殺すのは罪悪感があるものだし。慣れるしかないんだよな」
ベラトリクスの発言にケフェウスが顔を上げる
「ベラトリクスさんもですか?」
「当然罪悪感はあるさ、だが悪いやつを殺さなきゃ不必要な犠牲が増えるだろう?だから罪悪感より使命感でどうにかしてるのさ」
「そうなんですね」
ケフェウスが自分の頬をたたき立つ
「確かにあいつら倒さなきゃ村の人たちみたいな犠牲がふえるんだ。罪悪感とか言ってる場合じゃなかった」
そうしてケフェウスは朝食を食べ始めた
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「緊急な招集、時間になっても来ないことを見るとピスケスもやられたんですの?」
シルクハットの男の招集につきまた、十二座集の9人が集まり、赤髪の少女がシルクハットの男に聞く
「ええ、そうなんですよねぇ。困ったものですよ。」
「ま、死んだやつはどうでもいいとしてアリエスは今回も遅刻か?」
サングラスをした男がアフロの男の席を見ながらいう
「そうみたいですねぇ」
シルクハットの男がやれやれとしながら言う。とその時突然通信機の着信音がなる
「ひぃぃぃぃぃ!あいつだ。あいつからだぁ」
その音を聞き突然赤髪の少女が頭を両手で抑え机に突っ伏しながら絶叫する
「ちょ、ちょっと誰です!この会議室では通信機の持ち込みは禁止としているじゃないですか。ヴァルガリア君は通信機の音ダメなんですから」
シルクハットの男が慌てていると隣にいた黒髪の少女が通信機を取り出してその内容を聞く
「貴方ですか、せめて私の側近の貴方ぐらいルールを守ってくださいよ!」
「うるさい」
黒髪の少女がシルクハットの男を遠ざけ、通信機からの連絡を聞く
「アリエス、拠点にいないってさ。どうせ遅刻するからと思って部下たちを向かわせたけどすでに外に出てるらしい」
「ならもうこちらについてもおかしくないはずだな」
筋肉質の男がそういうと黒髪の少女が首を振る
「アリエスの拠点からここまでのルートも部下に見てもらってるけど見当たらないらしい」
「考えたくないですが気ままに流星探しとか行ってませんよねあの人・・・」
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