ピンク

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 衝撃!俺の彼女の部屋がピンクだった。


 毎日発行、俺新聞の内容が更新されたよ。


 比喩的な表現とかじゃない。


 物理的?って言っていいかどうか分からないけれど、ピンクだった。


 彼女の部屋にお邪魔したら……。

 机も、椅子もカーテンも、本棚もカーペットも壁紙も、ピンク色だった。


 こんな部屋の持ち主は、さぞかし可憐な少女なのだろうと思うよね。


 けれど、違う。


 顔を赤らめているこの部屋の主は、革ジャン着てるし、なぜかトゲトゲが靴底についた靴を履いてる。

 しかも、喧嘩上等と書かれたTシャツを着ちゃったりもしている。


「なんだよ。じろじろみてんじゃねーよ」


 その子は、普段からヤンキー言葉を使う男勝りな少女、みつきちゃんだ。


 こんな子が、俺の彼女。


 うん、見た目はめっちゃ男まさりだけど、内面は乙女なんだよね。


「何だその顔は! 笑え! 笑うなら笑えばいいだろ!」


 そんなに勢いよく、肩をゆさぶらないでっ!

 照れ隠しもほどほどにっ!


 これは生暖かい視線を向けているんだよ。

 別に君をあざ笑っているわけじゃないから、安心して。


 誰かと目があったら、喧嘩をふかっけられていると勘違いしちゃうみつきちゃんは、相当な「ザ・はやとちり屋」さんだ。


 いっつもしかめ面。


 そんなだから、通っている学校でも、誰から構わずめっちゃガンとばしていると話題になってて、生徒達から遠巻きにされている。


 でも、みつきちゃんはやさしい。


 不良に絡まれてこまっていた俺を、同じ学校の生徒だからって理由だけで助けてくれたし。


 こんなにカッコ優しい子に惚れない方がおかしいよね!


 俺は、精いっぱい温かい顔をして温かい言葉をかけようと思った。


「こんな(※かわいい)お部屋に住んでるなんて、(※毎日がおまつりみたいで)おめでたい(※楽しい)気分になれそうだね。みつきちゃんの頭の中はとってもピンク(※色の事)でいっぱいなのかな」

「なんだとごるぁぁぁ!」


 あれ、何か間違えたかな。


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ピンク 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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