窓の近く

バブみ道日丿宮組

お題:暴かれた窓 制限時間:15分

窓の近く

「ここって、5階だよね?」

「そうだよ? どうしたのいきなり?」

「うーんとね、そこに人影があったかなぁって」

「嘘!? 盗撮かな」

「そっち?」

「そっちってなに!? なんかあるの!?」

「いやほら、幽霊とかあるじゃない」

「怖いこというのやめてよ」

「学校っていえば、怪談じゃない」

「そんな話題があるなら、入らなかったよ!」

「えぇ……今更そんなこというの。一緒に高校がいいって、一緒に受験したのに」

「怖さは別だよ! 一緒にいたいけど! 怖いのはやだよ!」

「セーター伸びるから、あんま引っ張んないで」

「だ、だってー」

「見間違いか、盗撮犯かもしれないじゃない」

「そ、そうだよね……犯罪だよね」

「上の階は男子生徒が使ってるフロアだし、なくはないと思うよ」

「う、うん。とりあえず、トイレついてきてくれる?」

「一緒には入らないよ」

「わ、わかってるよ! 外で待っててね?」

「子どもか」


 ーー数分後。


「すっきりしたぁ」

「よかったね。ほら、次体育だから更衣室急ぐよ」

「ま、待ってよ」

「廊下覗くのは変だよね。普通更衣室か、プールか、あるいは校庭か」

「ま、またその話!? 怖いのはやだって言ったじゃない!」

「盗撮は人だよ。犯人がいる。人間だよ」

「幽霊も怖いけど、やっぱり人も怖いよぉ」

「そうだね。悪意はきれいなものじゃないし」

「はやくいって、着替えよう! 男子に負けない速度で!」


 ーー更衣室。


「窓にカーテンつけたりすればいいのにね」

「覗かれることを標準にしちゃダメだよ。あ、その下着かわいいね」

「体育だからスポブラに変えるけどね」

「今度一緒に下着買いにいこうね」

「子ども用のはつけないからね」

「えー、だってそのぐらいのサイズしか合わないでしょ?」

「……そうだけどさ」

「可愛くていいと思うんだけどなー。つけてたフリルのも可愛いと思うけど、もっとくまさんとかぱんだとかいいんじゃない」

「……子ども用じゃん」

「好きな人はいつまで経っても好きだよ。サイズがないのが悲しまれるくらい」

「騙されてる気がしてきた」

「はい、終わり。というかさ、スポブラに変える必要ないよね?」

「悲しいこといわない。意味があるから、絶対!」

「あれ?」

「どうかした?」

「窓が一瞬光ったような気がする」

「ほ、ほんと?」

「たぶんライトが反射したような感じだったかな?」

「撮られた!?」

「うーん、それとは違うようなきがするかな。たぶん、太陽光の反射」

「なら、いいかな……。よし、終わった。行こう」

「うん、手繋いでもいいかな」

「ほんと、甘えん坊なんだから。はい、どうぞ」

「ありがとうー」

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