7話 メイプルの推理 その2
メイプルの推理に捜査員は舌を巻いて驚愕したが、メイプルの推理はまだ続いていた。
「更にシンの所在地ですが、関東なのも実は99%以上当たりは付いていました」
「それはどうしてですか?」
「簡単です。そもそも皆さんはこの事件の始まりは何だと思いますか?」
メイプルは勿体ぶったように問いかける。
だが捜査員は当たり前のことを聞いたのかと疑問の表情を浮かべる。
「そんなのあれでしょアイドル番組のAKI52の生番組でしょ。確かメンバー52人が全員失禁して軽く騒ぎになった」
「そうですよね。確かその日は女子アナの失禁事件もありましたし、その日で間違いないです」
捜査員はそう口にする。
しかしメイプルは静かに首を横に振る。
「いいえ。それはシンが本格的な活動を始めた日とは言えますが最初ではありません。最初はそれよりも十日前の4月12日に起こった女子アナウンサーの澤井雪子の失禁事件です。この後十日ほど間隔があいたので別件と勘違いするのも無理はありませんが、彼女がおそらく最初のシンの犠牲者です。そしてこのアナウンサーが出演した番組は関東ローカルの物である事からシンは関東在住である事は当たりがついていました」
メイプルは自身の推理を華麗に披露する。
その推理に捜査員は驚かされる。
IQ700でしか到達できない完璧な推理だった。
「更にですが実はもうおそらくの在住県も当たりがついています。シンは恐らく神奈川県に住んでいます」
「何でそんなことまで?」
捜査員たちは驚く。
どうして分かるのか。
凡人にはそれが分からないのだ。
「簡単です。連続のタレント失禁事件があってからテレビ局は視聴率目当てで様々なアイドルの生番組を作り失禁事件を作りました。中には特定の都道府県でのみ放送されるローカル番組も多いですが、東京、埼玉、千葉のローカル局での放送では失禁事件が発生していません。ですが神奈川県のローカル局、横浜テレビでの番組では毎回多くの失禁事件が発生しています。この事実から神奈川県にシンはいると見て間違いはないでしょう」
「凄い。そんなこと思いもつかない。さすが名探偵だ」
メイプルの凡人を超える推理力は精鋭の美人捜査員ですら思いもつかないものだった。
だがさらにメイプルはトドメの一つをくわえる。
「更にですか昨日の宣戦布告である事が分かりました。シンは恐らく未成年です。それも家族の同居している学生である可能性が高いでしょう」
「どうしてそこまでわかるんですか?」
捜査員は疑問を口にする。
だがメイプルはあっさりと答えを口にする。
「簡単です。それは昨日の宣戦布告で伊藤愛のみが失禁し大西恵は失禁しなかったからです。言ったでしょう。二人はAV女優であると」
「それでどうして未成年だと」
「二人が出演している主なAVジャンルはお漏らし系です。それぞれ別の芸名で活動していますが、本名を探そうと思えばどちらもすぐに分かる状況です。シンはお漏らし好きなのは明白。つまり成人なら二人が探偵でなくAV女優である事はすぐに気付くはずなんです。それなら大西恵が偽名で本名が別にあることもすぐに気付くでしょう。なのにシンは探偵と思いこみ伊藤愛のみを失禁させた。これはシンがAVを鑑賞できないことの証拠。つまりシンはAVを見ることが出来ない未成年の確立が極めて高いと言えるでしょう」
メイプルの推理は完璧だった。
一部の隙もない完璧な推理に捜査員は唖然とする。
「そして未成年であるなら学生の可能性が高い。つまりシンは神奈川在住の学生である。暫定ですがこう考えて捜査すればいいでしょう」
「凄すぎる。 これだけの情報でシンの住所と年齢に当たりをつけるなんて、流石名探偵メイプルだ!」
捜査員の三人はメイプルを絶賛する。
だがメイプルはその賛辞は軽く受け流し今後の方針を告げる。
「神奈川の学生の可能性が高い。これだけ分かれば後はわかるでしょう。捜査員は神奈川の小学校中学校高校での4月13日以降の女子の失禁件数を調べてください」
「どうしてですか?」
「次々に女性を失禁させるような奴です。生での失禁を見ようと思わないわけがない。恐らく身の回りの女子を次々に失禁させているでしょう。そしてその中心にシンがいる。捜査員の方は捜査をお願いします」
「分かりました」
三人の捜査員はそれぞれ調べに行く。
シンの正体を暴くのは近い。
そんなことをメイプルは感じていた。
名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します @kalula
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