5話 ライバル出現!
俺は自室のテレビでアイドルの生番組を俺は見ている。
母は妹と買い物に行っているので今は家に俺一人だ。
なので気楽に見れる。
見ている番組の作りはオーソドックスなバラエティだが、俺は時折アイドルの名前を書きこむ。
するとアイドルはすぐに衣装のスカートやホットパンツを濡らしお漏らしの証の染みを作る。
そして顔を赤らめながら悲鳴を上げる。
もはやエンタメでは日常的な光景の一つである。
「ふふふ。やっぱりアイドルのお漏らしは格別だな」
「アイドルが好きなんだね」
「そうだな。やっぱり可愛い子ばかりだし、しかも可愛さで絶対の自信を持っている自信満々の子が漏らすのは素晴らしいよ。 学校で一般の女子が漏らすのはライブ感があっていいけど、やっぱりアイドルが漏らすのには負けるね」
「へえ、やっぱり変態さんだね」
「褒めるなよ」
そんな会話を交わしながら俺たちはアイドルが失禁を続ける番組を見ている。
だが突如として番組が切り替わった。
「何だこれ? 災害でもあったのか?」
テレビはそんな特別番組のような感じで切り替わった。
しかしテレビの中央にいるのは二人の美人な女だった。
衣装は白いパンツルックで漏らしたら凄く目立つ衣装だった。
そして画面上部には『日本全国同時生中継』と表記がある。
それだけで何か凄いものがあるような気がする。
だがすぐに二人の女子は俺にとっては意外なことをしゃべりだす。
「私たちは昨今世間を騒がしているシンに敵対する探偵です」
「シン! 貴方は多くの女性の敵で一人の哀れな変態です」
「私達は日本の警察を動かす権力を持っています」
「私たちは必ずシン! 貴方を見つけ被害に会った女性の目の前に引きずり出し謝罪をさせます」
「「そして必ずあなたを司法の元牢屋へと放り込みます!」」
テレビの前の二人の女はそんなことをしゃべっている。
若干芝居っぽいがそれだけ自分達に酔っているんだろう。
「ふん。くだらない。 このノートを見つけない限り逮捕何て不可能だ! やってみろ! 出来るものならな!」
俺はノートの所在を確認する。
確実にノートは今俺の手元にある。
日本全国から俺を見つけ出すなんて不可能だ。
「シン、重ねて言う。貴方はただの変態よ! 女子をお漏らしさせるだけの醜い犯罪者よ!」
テレビの前の女はそう言っている。
だが醜い犯罪者だと……。
「自慢じゃないが俺は不細工じゃないぞ。 それに何が犯罪者だ! 俺のおかげでテレビは高視聴率になってアイドル達も多くが以前より露出が増えているんだぞ。 俺は正義だ!」
俺は流石にテレビの前の女に憤慨する。
だが二人は致命的な失敗をしている。
テレビの二人の前にはあるテロップがある。
「伊藤愛に大西恵か。地味な名前だ。 だが堂々と自分の名前をテロップで出すとは迂闊だったな。お前たちは終わりだよ」
俺はすぐにノートに二人の名前を書きこむ。
「ふん! バカな女だ。 もう少し頭が良ければいい勝負だったのにな」
俺は時計を見る。
もうすぐ書きこんで60秒だ。
「57、58、59、60! どうだ!」
俺はテレビを見る。
だが何ということだ。
「うっ、うぅ、いやああぁぁぁ」
漏らしたのは画面の右側に立つ伊藤愛だけだった。
左の大西恵は漏らしていない。
白いパンツルックだが股間を凝視しても変化ひとつない。
表情にも変化はないのでオムツで対策をしたとも考えにくい。
伊藤愛は白いパンツを黄色く染めているのにそれとは対照的だ。
「そんなっ、どういうことだ!」
俺は驚きの声を挙げる。
最もエリザは驚いていない。
まるで当然のこととでも言いたげだ。
どういうことだろう。
だが伊藤愛の失禁が終わると再び画面は切り替わる。
画面にはvtuberのような二次元のキャラが移りだす。
画面下部にはテロップでメイプルという表記がある。
キャラの名前か?
「驚いたわ。まさか本当に失禁させることが出来るなんてね。どういう仕掛けか分からないけど、シン! 貴方が特殊な力を持って居るのは認めるわ。けれどね。分かったことがあるわ。 まずシン。さっき映った二人はただのAV女優よ。探偵じゃないただの演者ね。そして愛は本名だけど恵は偽名よ。どうやら貴方は名前が分からないと駄目みたいね」
テレビの前のvtuberは一方的にしゃべり続ける。
「くそっ、やられた! 全て思うつぼか!」
俺は悔しがる。
だがそんな俺に追いうちの一言をメイプルは話す。
「そしてシン。日本全国生中継と表示されているけど、それは嘘よ。この番組は関東ローカルでしか放送されていない。つまりシン、あなたはこの瞬間関東にいる! もうこれだけ分かれば今回は十分よ。シン、貴方が牢屋に入るのは間近ね。覚悟しなさい」
「くそがっ、やってみろよ! このvtuberもどきのクソ探偵が!」
メイプルは何だが勝ち誇った顔をしている。
そんな気がしたがそのうちに番組は終了して通常番組に切り替わる。
「くそがっ!」
俺は吐き捨てるが、とてもじゃないがこれ以上アイドルのお漏らし番組を見る気にはなれない。
テレビを消すと俺は頭を抱えるのだった。
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