お願い
〈エミ視点〉
チラッとカオル先輩に目を向けて
先輩がコッチを見るとパッと逸らす…
このやり取りをもうずっとしている…
カオル「・・・・熱い視線向けても直ぐに逸らすし…
何か俺に話があるんじゃないの?笑」
カオル先輩は雑誌を見ながら
そう言うと「ん?」と私の方を向いて
揶揄うような顔をしている…
「・・・・かっ…カオル先輩は…」
カオル「なに?笑」
「・・・・今日の…お夕飯は何がいいですか?」
中々…詩織ちゃんとの事を切り出せずに
話を逸らしては内心で小さく肩を落とした…
( ・・・・嫌かな… )
カオル先輩はいつもいるシュウ先輩達か
合コン仲間であるアキラ先輩達としかいる姿を
あまり見ていないから…
「詩織ちゃんの彼氏って…どんな人?」
シオリ「ん?普通だよ??
テニスサークルの副部長で…普通?笑」
サークルの副部長さんってどんな感じなんだろうと
全く想像が出来ず、高校にあった数少ない男子部活の
部長、副部長さんの姿を思い出してみたけど…
( 坊主…熱血…? )
目の前で少し肩のあいた白い春ニットを着て
バイクの雑誌を見ている先輩には
当てはまらない気がした…
カオル先輩がどうとか…
詩織ちゃんの彼氏さんがどうとかじゃなくて…
雰囲気の合わない人とは
居心地も悪いんじゃないかなと
失礼ながらルナ先輩と一緒に
ご飯を食べてる自分を想像すると
行きたくないと首を横に振っていた…
一日中悩んでいると
「夕飯はシュウの所に行こうか?」と言われ
またお鍋でもするのかなと思いついて行くと
シュウ先輩の部屋にはジン先輩と…
ユウト「こんばんは?笑」
1ヶ月ほど前にランジェリーショップで
会ったお姉さんの彼氏であるユウト先輩もいた
「こんばんは…」
ユウト「美保ちゃんも仕事後に来るよ」
「えっ??」
ユウト「なんか笑実ちゃんに
用事があるって言ってたよ?笑」
「私にですか?」と驚いたけれど
あのお姉さんは下着を買う時にお世話になって
帰る時も「またね?」とニコニコと手を振ってくれて
優しいイメージだったから少し嬉しく感じた…
( ・・・・1ヶ月ぶりかな… )
同性の人と食事をするのも
多分…普通に話すのも…
電話の詩織ちゃんや沙優ちゃんを覗いたら
久しぶりな気がして
お姉さんがもう直ぐ来ると聞いて
口元が緩んでいると「チビ」とジン先輩から
呼ばれてキッチンに行くと
ジン「材料は買っておいたから作れよ」
「えっ!?」
ヒョウ「この前の茶碗蒸しの話をしたら
食べたいっていいだしてきかないんだよ」
コウ「前回駄々こねて押しかけたお前が言うなよ」
茶碗蒸しだけでいいのかなと材料を見ていると
「シュウ達がたこ焼き作るから大丈夫だよ」と
目の前で笑っているヒョウ先輩を見て
茶碗蒸しとたこ焼きって合うのかなと
疑問に思ったけれど
誰も気にしてないみたいだったから
言われた通りに茶碗蒸しを作り出した
キッチンから見える先輩達を見て
私の想像する詩織ちゃんの彼氏さんには
誰も該当しないなとまた悩んでいると
コウ先輩が飲み物を取りにキッチンに来て
「出来てるか?」と声をかけてきたから…
「あの…ダンスサークルの
副部長さんってどんな感じなんですか?」
コウ「えっ??副部長?笑」
私の問いかけに笑い出したコウ先輩に
「いないんですか?」と問いかけると
コウ「笑実ちゃんが苦手なサトルだよ?笑」
「・・・・へ…」
想像してたイメージとは違ったけれど
サトル先輩は前の飲み会の時に
1番遅くに起きた私に対して
「後輩は1番先に起きるんだよ!」と
文句を言っていた事を思い出し…
( ・・・・サトル先輩… )
カオル先輩の周りにいる中でも
1番苦手な先輩で益々4人で会うのが憂鬱になった
20時を過ぎた位にお姉さんが現れて
この前のお礼を伝えると
お姉さんさんはニコニコと笑って
「カオル喜んだでしょ?」と言ってきて
「えっ」と驚きながら周りの先輩達を見ると
いつもの様に笑っていて
ミホ「ヒョウが選んだのと
私が選んだのどっちの方が良かった?笑」
お姉さんはカオル先輩に顔を向けて聞きだし
シュウ先輩達もニヤニヤと笑って
「どっちだ?」と揶揄っている
カオル「さぁ…どっちだったかな?笑」
顔を私に向けて
少し意地悪な笑みを浮かべているカオル先輩は
この状況を楽しんでいるようで
「笑実ちゃんはどっちが良かった?」と
先輩まで私を揶揄いだした…
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