わたしの…

〈エミ視点〉







カオル「明るくなる前にタクシーで帰ろうか?」


 




窓の外に顔を向けてカオル先輩はそう言いながら

「靴も服もないからね」と笑っていて

タクシーに電話をしだした





自分が今着ている服を見て

脱衣室にある洋服を持って帰らなきゃと立ち上がると

「じゃぁ10分後に」と話しているカオル先輩から

腕を掴まれて電話が終わるのを待っていると…






カオル「あの服は持って帰らなくていいよ」





「・・・・でも…」





カオル「あの服は俺が処分しておくから笑実ちゃんは

  全部忘れて俺の彼女になった事だけ覚えて帰って?笑」






そう言いながらモコモコとした洋服の肩部分を摘んで

「分かった?」と問いかけてくるカオル先輩の顔は

甘くて…マシュマロみたいな笑顔だった…






カオル「代わりの洋服を来週買いに行こうか?」





「月曜日にですか?」





カオル「月曜日でもいいし、火曜日でも…いつでもいいよ?笑」





「・・・・・・」






私と会うのは月曜日だったはずだと思い

手を引いて玄関へと歩いていくカオル先輩の背中を

眺めていると「もう曜日は関係ないからね」と言って

靴箱からサンダルを一つ取って私の前に差し出した






カオル「彼女に会うのに曜日は関係ないでしょ?」





( 本当に先輩と付き合うんだ… )





まだ全然信じられなくて…

夢の中にいる様な気分の中ある事に気づいて

「カオル先輩!」と名前を呼ぶと

先輩は「ん?」と顔を寄せて見つめてきた





「・・・・好き…です…」





さっきのキスの時にカオル先輩はこの言葉をくれたけど

私は先輩の甘い言葉が嬉し過ぎて

ただ聞いているだけだったから

私もちゃんと口にして伝えたかった…





先輩は少しキョトンとした様な表情をした後笑い出したから

繋いでいる手をパッと離して顔を下に向けた…





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