〈アキラ視点〉








中々出ない電話に飲み会中かと思っていると

「もしもし?」と繋がり「カオルいる?」と問いかけた






シュウ「はっ?アキラ?」





アキラ「時間ねーから、カオルいるなら直ぐに変わって」





シュウ「カオルは……」






シュウの態度で

一緒にいる事が分かり「ふっ」と笑った





アキラ「お前の可愛いペットが

  オッさんから襲われる前に早く電話に出ろって言え」





サユ「おっ、襲われる!?」


 




車から降りて隣にいるガキが

「どーいう事ですか?」と腕を引っ張ってきたから

「座ってろ」と言うと「お前何したの?」と

カオルの低い声が耳に聞こえてきた






アキラ「話はこのまま電話で説明してやるから

  今から言う場所に直ぐに来い」






カオルは舌打ちをしながらも歩く足音が聞こえてきたから

玄関に向かって歩いているのが分かり

「走った方がいいぞ」と伝えた




俺の感じた違和感が間違っていなければ

カオルのペットは今バイト先で

オッさんと二人っきりでいて

一人では帰れない状況なんじゃないかと思った…







サユ「二人っきりになりたくない??」





アキラ「サトルがキレてたあのパスタは

  多分わざとだろ?少しでも店に長くいるように」





カオル「・・・・・・」





アキラ「変だと思ってたんだよ

  アイスって言ってんのに食べるのに時間かかりそうな

  パフェなんか勧めてくるし、パフェかと思ってたら

  時間かかったパスタは出てくるし」






カオルとシュウは酒を飲んでいたから

俺が運転席へと座り車を走らせながら

数ヶ月前にあの店に行った時の話をしていると

助手席に座るシュウのペットが

「だから…」と小さく呟いた…






サユ「・・・・ダイキ先輩が…

  いつも笑実ちゃんのシフトを気にしてて…」





カオル「・・・・・・」





サユ「・・・・早番スタッフが上がったりすると

  必ず下に降りて行ってたから…」

 




アキラ「ただの勘違いで何もないならいいけど…」





バックミラーに映るカオルに目を向け

「なんかあってもボコボコにはすんなよ」

とミラー越しにそう言うと「もっと早く走れ」

と言って険しい顔で窓の外を見ていた


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